猫王様の千年股旅

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猫歴73年~

猫歴94年その2にゃ~

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 我が輩は猫である。名前はシラタマだ。浮気はしたことがない。

「にゃんであんにゃ写真をSNSに上げるかにゃ~?」
「あ、やっぱり浮気だと思われた? ゴメンゴメン。アハハハハ」
「謝るにゃら笑うにゃ~~~!!」

 匂わせ写真をアップしたミテナは、悪いとは思ってなさそう。文句を言ったら謝ってくれるけど、ずっと笑ってるから諦めた。

「それより、今日って魔法科学のアドバイスくれるのよね?」

 それと同時に、ミテナは話を変える。今日は猫クランの訓練日。いつもならソウ市で訓練するが、わしの魔法を見せたいから猫帝国の外れに猫クランも連れて来た。
 けど、みんな狩りに向かって誰もいなくなりました。

「わしにゃりに考えたんだけどにゃ~……わしの本気の魔法を見て、どれがいいかみっちゃんが決めてくれにゃ」
「わ~。シラタマちゃんの得意魔法? 小説で読んだだけのもあるから、それは面白そうね~」

 ミテナがワクワクするなか、手始めに四獣を召喚。あまりにも規模が大きな魔法がいきなり来たからか、初っ端から遠い目になってしまった。10メートルから20メートルもある魔法生物だもん。
 なので次からはランクを下げたけど、わしが本気を出すと言うことは、敵は巨大。従って、魔法もデカくなるから、ミテナの目がドンドン死んで行くよ。

「ダメ。参考にならない」
「にゃんで~?」
「デカすぎるわよ! 人間が使える魔法なの!?」
「サ、サクラさんが……」
「猫~~~!!」

 一通り見せたら、ミテナのツッコミが炸裂。サクラが四獣の一体を召喚できるようになったことも説明させてもらえません。猫だもん。

「大きいからダメってことにゃ?」
「大きさもそうだけど、目新しさがないのよ。やってることって、基本の魔法と一緒でしょ?」
「まぁそうにゃけど……ゴーレム魔法と言霊ことだまも使ってるにゃよ?」
「うん。そのふたつだけ見せてくれない?」

 ゴーレム魔法はあまり知られていない魔法だし、言霊に至っては未発表なのだから、やっとミテナが興味を持ってくれた。
 というより、規模が大き過ぎたから思考が追いついていなかったっぽい。なのでわかりやすく、風魔法と土魔法で作られた猫を出してあげた。

「うわ~。エリザベスとルシウスに似てる~」
「エリザベスには触れるにゃよ? みっちゃんの防御力だと手が消えるからにゃ」
「こわっ」

 猫好きのミテナでも、自分の手が無くなると聞かされては【鎌鼬】の集合体には触れられないよね。

「ゴーレム魔法? これって昔、猫魔法って言ってなかったっけ?」
「よく覚えてるにゃ~。誰かがそんにゃこと言ってたけど、誰だったかにゃ? ノエミ辺りかにゃ??」
「シラタマちゃんじゃなかったんだ……」
「わしがそんにゃこと言うわけないにゃろ~」

 ひとまずゴーレム魔法について説明してあげたけど、日ノ本がすでに式神魔法として発表していたから、これも目新しさが足りないんだとか。

「言霊はどんなの?」
「魔法というより、魔法を補助的に助けてくれる原理なんにゃ。例えば魔法使いって、魔法名を口に出してる人多いにゃろ? アレは魔法に適した名付がされているから、強さだったり速さだったりに作用してるんにゃ」
「ほへ~。それは初めて聞いたわね。先生もそんなこと言ってなかったわよ」
「たぶん名前がないと不便だから、誰も疑問に思わなかったんだろうにゃ」

 言霊はミテナもアリと判断してノートを取り出したので、わしは机と椅子を土魔法で作ってレクチャー。しかし詳しく説明してあげたのに、ミテナはペンを投げ捨てた。

「にゃ? 難しかったにゃ??」
「まぁ難しいは難しいんだけど、これって漢字の勉強じゃない? 科学入ってる??」
「えっと……分類すると、呪文とか詠唱の一種にゃから、魔法言語や魔法陣の一種になるかゃ??」
「科学は!?」

 残念ながら、言霊もナシ。またしても卒論は振り出しに戻るのであったとさ。


 わしの案が尽く却下され、ミテナにも「魔法を自慢したいだけの猫、略して見栄っ張りニャー」とか言われたから腹が立つ。あのサイトに載ってる悪口は、全部ミテナではなかろうか……
 この事実を突き付けてみたけど、ミテナは横を向いて口笛を吹くだけ。確実にやっとんな……

 なのでわしが怒っていたら、ミテナは「もう卒論いいや」とか諦めモードに入って話を逸らしやがった。

「仕方にゃい。とっておきのを教えてやるにゃ~」
「シラタマちゃんのとっておきはな~……どうせ大きいだけでしょ?」

 今回は本当にとっておきなのに、ミテナは諦めモードが進化してやる気なしモードに突入だ。

「わしが使うのは大きいのは事実にゃ。でも、いろんにゃことに使える凡庸性があり、誰も発表していにゃい魔法だから、卒論には持って来いじゃにゃい?」
「そんな魔法あるの? いろんなことに使えるってことは、誰かがすでに使ってるんじゃないの??」
「うんにゃ。使ってるにゃよ。電池魔道具ににゃ」
「ほら~? やっぱり使ってるじゃな~い……ん??」

 さっちゃんはやれやれって仕草をしてため息を吐いたけど、次の瞬間には点々みたいな目をわしに向けた。

「にゃに?」
「いま、電池魔道具っつった?」
「うんにゃ。言ったにゃ」
「それ、昔、東の国ウチでも研究して誰も作れなかったんだけど……」
「だにゃ。みっちゃんが作り方教えろ教えろ言ってたヤツにゃ」
「つまり、今からそれを教えてくれるってこと??」
「そう言ってるにゃ~~~」

 苦節90年。ミテナはその秘密を知れると聞いても、驚き過ぎてまったくテンションが上がらないな。

「猫の国のトップシークレットでしょ? なんで教えてくれる気になったの?」
「誰か気付いてくれるの待ってたのに、誰も気付いてくれにゃいから、もういっかにゃ~っと思ってにゃ」
「え? どゆこと? 私でもわかったの??」
「うんにゃ。理科で習ってるにゃろ? 普通の電池って、エネルギーはなんにゃ??」
「電池は……そりゃ電気……太陽から集める……じゃない!?」

 ミテナは膝から崩れ落ち、バンザイをしながら叫ぶ。

「カミナリ~~~~~~!!」
「プラトーンみたいだにゃ……」

 ミテナは相当悔しかったみたい。映画のワンシーンみたいなポーズをしたあとは、地面を叩いていたけど痛くなったのか、わしのモフモフをワシャワシャして八つ当たりするのであったとさ。


 八つ当たりしてぐったりとなったミテナ。ケーキ等をポイポイ口に入れてあげたら、やっと復活した。

「な、なんで今まで気付かなかったの……」
「さあにゃ~? 困ってなかったからじゃにゃい? どちらかというと、各国は補充でいっぱいいっぱいだったしにゃ」
「あぁ~……そうだったわね。アレ、数が多いから魔力の補充も人がいっぱい居るものね。私も開発するより、そっちに人を回したわよ~」
「まぁその話はもういいにゃろ。ひとまずみっちゃん……自分1人でカミナリを出してみろにゃ」

 わしが無茶振りすると、ミテナは右手をパタパタ振って拒否する。

「そんなの無理だよ~」
「無理じゃないにゃ。理科の授業でカミナリの原理は習ったにゃろ? そこに魔法の授業や魔法科学で習った理論を当て嵌めるだけにゃ。わしだって、そうやって魔法を作り出したんだからにゃ」
「ヒント!」
「スマホで調べたらどうにゃ?」
「その手があった!?」

 もしかしたらと思ったら、ミテナは理科の授業を忘れてるな。スマホを見ながら「そうそう。こんな感じだった」と言ってるから確実だ。
 ミテナはカミナリの原理を簡単にノートにメモり、そのあとはああだこうだ言いながら数式や化学式を書いたら実験だ。その前にスマホはわしが預かっておいたよ。通電して壊れたら困るもん。

「こうしてこうして……来い! サンダー!!」
「おっ。光ったにゃ」

 ミテナが一発でカミナリを発生させたのでわしは拍手。でも、ダメ出しはしておこう。

「原理は合ってるんだけどにゃ~……積乱雲を発生させてるのは、カミナリ魔法とは言えないにゃ」
「だよね~。私も思った」

 ミテナのやり方は、水蒸気や寒暖差で小さな積乱雲を作るやり方。確かに中では稲光が光ったが、これでは使いようがない。

「やっぱりヒントちょうだい。シラタマちゃんはどうやって使ってるの?」
「わしの場合は攻撃魔法だにゃ。あの岩に当てるにゃ~」

 ちょっとしたサービス。わしが口からカミナリビームを出したら、ミテナは驚きと笑いが半々って顔をしてる。

「プププ。アニメの怪獣みたい」
「笑ってられるのいまだけにゃよ? これ、獣がよく使う【咆哮ほうこう】って魔法に近いからにゃ。クランに入ったら、必ずやられるから覚えておけにゃ」
「うわっ。あんなに一瞬の魔法、避けようがないよ~」
「わしのはカミナリのアレンジだから、速度もカミナリなんにゃ。それよりいまのでわかったにゃ?」
「サッパリだよ~」

 まぁ稲光が走ったようにしか見えない魔法では、ミテナの言い分もさもありなん。なので今度は、指先に小さなカミナリを発生させてあげた。

「バチバチ言ってるね。痛くないの?」
「いまのところはにゃ。鉄製品か動物を触ったら、めっちゃ痛いにゃ」
「それって私でも~?」
「やめときにゃさい」
「よいではないか……痛いっ!?」

 わしが止めたのに、ミテナは悪ふざけでわしに触れてしまったので、バチンと鳴って飛び跳ねて痛そうにしてる。さっきまでのわしは、静電気満タンだったからだ。

「だから言ったにゃ~」
「シラタマちゃんが痛がるんじゃなかったの!?」
「わし、頑丈にゃもん」
「それならそう言ってよ~~~」

 言わなくてもわかってよ。ミテナはわしをワシャワシャして八つ当たりをしようと手を伸ばしたが、さっきの衝撃にビビッて触れられなくなってます。

「ちょっと待って……さっきの、冬によく起こる現象よね……」
「そういうことにゃ。わしの場合、静電気を増幅して使ってるんにゃ。魔道具は、威力を10分の1ぐらいにまで減らした魔法にゃ~」
「スマホ貸して!」

 ミテナは急にやる気が出たのかスマホで調べ物をして、またノートと格闘。答えが出たら、実演だ。

「出た! どう? 凄くない??」
「うんにゃ。この短時間で作り上げたとは、よく勉強できてるにゃ。頑張ったにゃ~」

 ミテナの指から10センチほどの稲光が走ったから、わしはベタ褒めの拍手だ。

「やった~! シラタマちゃ~~~ん!!」
「あ……」
「痛いっ!?」

 テンションの上がったミテナがわしに抱きついたがために、電気ショック。今回はけっこう静電気が残っていたのでのたうち回るミテナであった。

「なんで避けてくれないのよ!?」
「いや~。避けるか受け止めるか悩んじゃってにゃ。ゴメンゴメンにゃ~」
「噓ついてる~~~!!」

 わしなら確かに悩んでいても避けられたけど、イタズラ心が出ちゃった。ミテナは真実に気付いたみたいだが、まだ静電気が残っている可能性があるから、なかなかわしをワシャワシャできないのであったとさ。
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