猫王様の千年股旅

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猫歴15年~49年

猫歴29年その7にゃ~

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 我が輩は猫である。名前はシラタマだ。お腹にポケットは付いてないけど似たようようなことはできるけど、未来のアイテムは入ってない。

「「「「「しらえも~~~ん」」」」」

 だからその名前で呼ぶな!!

 白猫党議員は平行世界に行くことをどうしても諦めきれないらしく、しばらくわしを質問攻めにしていたが、結局は諦めて手酌で酒をあおっている。その隙にわしは逃げ出して、次なる目的地に移動。
 某・赤い門のある大学にやって来た。ここの講堂で、お互いの民族学の研究を交換する予定だったのだけど、中に入ったら人の山。まぁわしがやって来るのはわかっているのだから、助手や学生が集まっていたのだろう。

「にゃ? おっちゃんは社長さんにゃの??」
「また技術と交換しませんか!?」

 と思ったけど、ほとんどが企業人。わしとしては交換したいのは山々なのだけど、渡す物がないから打診すらしていたなかったのだ。

「そうは言っても、前回交換した物って、ほとんど使い物にならなかったんにゃろ? きんだって成分は一緒だったと聞いたにゃ~」
「肉! あの美味しいお肉が食べたいんです~」
「「「「「にぐ~~~!!」」」」」
「あ、そんにゃんでいいんにゃ」

 そこまで言われちゃ~、わしもやぶさかではない。腹の中では阿波踊りしながら、わしは白メガロドン肉1キロと技術を交換して行くのであった。
 ちなみに民俗学者はヨダレを垂らして見ていたから、設計図の入ったハードディスクの確認という仕事を与えて、白メガロドン肉500グラムを包んであげるのであったとさ。


 民俗学者とはたいしたディスカッションはできなかったけど、お互いの研究資料は交換できたので、ダッシュで次に移動。2日目に発注していた家電や本などを受け取る。
 ブラックカードを自慢するように使っているのに、皆はわしの次元倉庫に夢中で見てくれない。物が消えるほうが面白いんだって。

 そうして一日中慌ただしく働いて疲れたわしは、ホテルに帰るなり寝室にこもっていたら、ベティが覗きに来た。

「あんた……なに笑ってるのよ?」
「にゃしゃしゃ、にゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃ」
「なんかシラタマ君が変なんだけど~~~?」

 ベティが大声で皆を呼びに行くものだから、リータたちも病気だと思ってめっちゃモフられた。それでなんとか笑いが止まったので、安く技術が買えたと教えてあげたら、ほとんど出て行った。わしの行動に呆れたみたいだ。
 ただし、東の国、日ノ本の者は残って融通してくれとモフられたけど、わしもちゃんと確認していないから何があるかわからない。第四世界に帰ったあとに教えることで、なんとか逃げ切るのであったとさ。


 技術の話も落ち着きわしの笑いも止まったら、皆が今日していたことを聞いていると、また天皇家がメシをたかりに来た。

「別に来るのはいいんにゃけど、にゃんで総理の姉ちゃんまで連れて来てるんにゃ~」
「泣き付かれまして……」
「おじいちゃん、だ~いスキ~」
「天皇陛下と呼べにゃ~~~」

 天皇陛下は、ギャル総理を自分の孫のように見ているらしい。いっぱい居るクセに……いや、あの顔はギャルに腕を組まれて嬉しいだけじゃね? 谷間見てるし……それ、ゴリッゴリの上げ底だよ?

 天皇陛下を疑うのは不敬なので皆まで聞かないけど、ギャル総理が何しに来たのかと聞くと、猫の国料理を食べに来たとのこと。こんな時のための権力らしい……
 権力の使い方がおかしいのでその点をツッコんでみたけど、料理が美味しすぎて聞いていない。パンパンのお腹で、子供たちを追いかけ回す始末。
 なのでわしが体を売ろうとしたらリータとメイバイに止められて、インホワが売られてた。ウサギ彼女に振られてから元気がなかったんだって。

 そんな感じでうるさい夜も、皆が帰って行ったら就寝時間。わしはまだやることがあったので、ニューヨークに転移する。

「だから家に来ないでくれる?」

 時刻はアメリカ時間の朝。わしが時間ピッタリにララの家を訪ねたら、1階のエントランスホールでグチられた。

「今日はお前がこっちに来いって言ったんにゃろ~」
「あ……そうだった!」

 なので反撃したら、何度も来ていたタワーマンションにやっとこさ入れてもらえたけど、まさか最上階だったとは……

「うにゃ~。アメリカの医者って、こんにゃ家に住めるほどお金貰ってるんにゃ~」
「まだ駆け出しなんだから住めるわけないでしょ。ここはお兄ちゃんの家よ。間借りしてるだけ」
「あ~。ジュマルのなんにゃ。さぞかし稼いでるんだろうにゃ~」
「聞いたら目玉飛び出すわよ。大リーグはね~……」
「そんにゃに!?」

 スポーツ会のジュマルの取り合いは凄まじい物だったから、アメリカでは天井知らず。2年契約でも、プロ野球選手トップ10を足した額を軽く超えてました。敬語になってしまいます。

「てか、あなたはお兄ちゃんより稼いでなかった? 小説で……」
「にゃんで知ってるにゃ~」
「だって、皇室は全てオープンにしてるもの」
「プライバシーの侵害にゃ~」

 皇室に任せたからには、わしのお財布は全世界にバレバレ。ララにも「さっきなんで驚いたの?」と言われてしまった。なので、今日来た目的を出して話を逸らす。

「オニヒメの検査結果を早く寄越せにゃ~」
「はいはい。ちょっと待ってて」

 ララが別室に消えて行ったので、わしは家捜し。こんなお金持ちは普段何を食べているのか知りたいのでキッチンを漁っていたら、早くもララに見付かった。

「何してるのよ……」
「いや~。お前の健康面が心配でにゃ~……お米とか味噌食べたくにゃい??」
「ええ。あのお肉もね……」
「サービスしますにゃ~」

 前回にも同じことをやったからララは怒っていたので、冷蔵庫にいろいろパンパンに入れてあげた。そしたらララもご機嫌。やはりニューヨークでは日本食の材料を手に入れるのは大変だったみたいだ。
 それからリビングに移動して、わしのいれたコーヒーをテーブルに並べたら、結果発表。

「結論から言うと、初見と変わらず老化ね」
「それは、精密検査でもわからないということにゃ?」
「いえ。どの数値も老化と似たような数値だから、かなり高い見解よ。誰が見ても同じことを言うと思うわ」
「老化にゃんだ……」

 老化では治しようがないのだから、わしも暗い顔で資料に目を落とす。

「正直言うと、オニヒメちゃん、そんなに長くないかもしれない」
「そ、それはなんでにゃ?」
「老化のスピードよ。出産からたった6年で40代ぐらいになったということは、逆算すると……」
「残りは……」

 お互い最後の言葉は発しない。ララはわしの気持ちを汲んで……わしは言葉にすると現実になりそうだからだ。

「まぁこっちの世界の医療でわかるのはここまでよ。種族だって違うんだから、絶対ではないわ」
「そうにゃんだ……」
「もっと詳しく知りたいなら、シャーマンを頼ったら? 未来を100%当てられるんでしょ?」
「聞けるわけないにゃろ~」

 シャーマンには、オニヒメが死にかけてからわしは何度も聞きに行っている。でも、正確な死の日時を聞くのは怖くて、市長とお茶をして帰る毎日を過ごしていた。
 ある日、覚悟を決めて行ったけどやっぱり踏ん切りがつかなくて市長室に入ったら、怒りのシャーマンが待ち構えていて「いったいいつになったら聞きに来るんじゃい!」と怒鳴られたのだ。たぶん、わしが来る日は占いでバレてたっぽい。
 そこでシャーマンがオニヒメの死期を告げようとしたから、わしは耳を押さえながら「にゃ~にゃ~」言って逃げ出したので、キカプー市に行くこともできなくなったのだ。だから聞けないの。


 オニヒメの話はわしがヘタレってことで落ち着いたら、あとはわしが手伝った患者のデータや動画、アンチエイシングの細胞やらが書かれている論文を多数貰ってこの話は完全に終了。
 ちょっと読んだらまだうちではできそうにないとすぐにわかってしまったけど、ララには礼を言って立ち去ろうとしたら、違う資料も出て来た。

「これもどうぞ」
「にゃににゃに……にゃ!? わしのカルテにゃ!?」
「あなたが寝てるうちにやっちゃった。てへ」
「だからプライバシーの侵害にゃ~」

 頼んでもいないし、てへぺろしているララにはムカつくけど、わしも少しは自分の体のことに興味があったから見てみたら、オニヒメより項目が格段に少なかった。

「画像ばっかにゃ~」
「だって~。注射どころかメスですら歯が立たないんだも~ん。目玉にも注射刺さらなかったのよ?」
「にゃんて怖いことしてるんにゃ!?」
「アハハハハハハ」

 その理由は、わしが頑丈すぎるから。でも、採血のためにそこまでやるか? 実験動物じゃないぞ。笑ってやがるし……

「こんにゃもんかにゃ? じゃあ、今回はこれでさよならにゃ~」

 ララが笑っている間にカルテや論文を次元倉庫にしまったら、わしは立ち上がる。それに続いてララも大きなカバンを持って立ち上がった。

「いまから出勤にゃ?」
「いえ。休みをもらったから、あなたについて行くのよ」
「聞いてないにゃ~~~」

 別れの挨拶をしたのにララはわしの尻尾を掴んで離してくれなかったので、渋々2人で日本に転移するのであった。


 平行世界8日目は、やることが多くて予定より1日オーバーしてしまったので、朝早くからUFOに乗って世界旅行……

「「「「「にゃ~~~!!」」」」」

 と言いたいところだが、朝早くからUFOに乗って大阪に移動して、某・ユニバーサルな遊園地でジェットコースターに乗っている。
 これは、わしが子供たちに負けてしまったから。期限は1週間と言っていたのに1日延ばしてしまったから、「そんなことできるなら遊園地行きた~い!」って涙ながらに訴えられたからには断れなかったのだ。

 まぁ子供が楽しんでいる顔を見れるなら、わしだって反対しない。でも、一番楽しんでるのは、ララ。わしの子供を侍らせて、めっちゃモフってるもん。
 ちなみにララは不法入国しているので、大きなサングラスを掛けて変装しいるけど、あとでサングラスを外した瞬間の動画を警察に提出する予定だ。

 こうしてわしたちは、帰還前日を遊び倒して楽しむのであった……
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