106 / 192
猫歴50年~72年
猫歴67年その2にゃ~
しおりを挟む我が輩は猫である。名前はシラタマだ。後光ってどうやったら差せるんじゃろ?
ウロだけ異常な光が差しているので、ベティが「聞いて来て~!」ってうるさかったから質問したら、本人は気付いてない。なので両親から変なこと言われてないかと聞いたら、これもなし。
謎が謎を呼んでいるので、ふとわしは普段の喋り方はどうなのかとやらせてみたら、後光が消えた。どうやら子供っぽく振る舞うと消えるらしい。
「うっそだ~」
「本当にゃ~。元の喋り方してみてにゃ~」
「そんなことで変わらないと思いますよ?」
「ほら! 写真にも映ってるにゃ~!!」
「本当ですね……」
後光はスマホでも撮影可能。だからみんなでウロを背中に隠して後光の写真を撮りまくって遊ぶ。そんなことをしていたら、ウロがいらんことを言い出した。
「アレって、まだ落ちて来るのですか?」
「アレにゃ?」
「タライです。久し振りに見たいのですが……」
「あぁ~……アレにゃ~」
わしが嫌そうな顔をするとメイバイたちも目を逸らしたので、今度はウロが不思議に思って首を傾げた。
「あんなに楽しそうにしていたのに、何かあったのですか?」
「一時期にゃ。子供たちがハマってやれやれうるさかったんにゃ。それでわしが頑なに断っていたらにゃ。そのコールを家族全員でやってしまってにゃ~……」
「はあ……それでどうなったのですか?」
「怒ったアマテラスが全員に落としたんにゃ~」
これは大事件。皆で「アマテラスのアーホ、アーホ」と大合唱していたら、全員に「ガィィィン」とタライが落ちて来たから、ぷく~っとタンコブを作ることになった。何も言ってないわしにまで落としやがったの!
それからはしつこく言われなくなったけど、誕生日の日にはリクエストがあり、仕方なくわしは応えている。やらないと誕生日の人が自分に落とすと脅して来るんじゃもん。たぶんこれを断ったところで、わしにも来ると思うし……
「では、もう見れないのですね……」
「うんにゃ。やめておいたほうが賢明にゃ~」
「そうですね。アマテラス様のアホ」
「ぎゃっ!?」
諦めたと思った瞬間、ウロはアマテラスの悪口を言ってわしの頭にタライ「ガィィィン」。天皇陛下の必殺技は健在だったみたい。
そのせいでわしの頭にお餅みたいなタンコブが作られると、皆の目が「キラーーーンッ」と光って超怖い。
「も、もうやめとけにゃ。絶対アマテラスは怒るにゃよ? みんにゃも、めっちゃ痛いの知ってるにゃろ??」
「「「「「アンコール、アンコール!」」」」」
「みんにゃにも被害行くにゃ~~~!!」
「アマテラス様のアホ」
「ぎゃっ!?」
「「「「「あははははは」」」」」
「「「「「にゃははははは」」」」」
無傷でわしにタライを落とせるのだから、皆が見逃してくれるわけがない。こうしてわしは、ウロに何度もタライを落とされ、タンコブを作り続けるのであっ……
「「「「「ぎゃっ!?」」」」」
「つつつ……だから言ったんにゃ~」
でも、5回目で全員にタライが落ちたのでこれは禁じ手となり、仲良く涙目で集合写真を撮ったのであった。
「そういえば、昔は名前を呼ぶだけで落ちて来にゃかった?」
「確かに……どうして私は悪口を言ってしまったのでしょうか。ということは……」
「しにゃった!?」
「アマテラス様」
「「ぎゃっ!?」」
いらぬことを思い出したわしがいらぬ知識を与えたせいで、ウロはチャンスだと名前だけでタライを落とそうとしたけど、わしとウロだけ無駄にタライを喰らったのであったとさ。
だからなんでわしまでなんじゃ!!
タライ事変が終わると、世間話。第三世界のことを聞きたいけど、この目で見たほうが面白いはずなのでここはグッと我慢して、ウロの質問ばかりを聞いてあげる。
「あれから38年ですか。昔見た猫市の写真と比べられないぐらい発展してますね」
「にゃろ~? これもそれも国民の頑張りのおかげにゃ~」
嬉しい質問をしてくれたので、わしはウロを屋上の端に連れて行って自慢話。
ここ猫市では車が多く走っているので、土埃が立たないように魔法で地面を固めるだけじゃなく、道路や信号、横断歩道まである。建物は電力の関係上エレベーターを設置できないので背の低い建物しかないが、綺麗な建物が多い。
夜には街灯や家々から光が漏れているので、どの国より明るい。全ての建物には太陽発電を設置義務化して、もしもの場合は電池魔道具をレンタルしているのでなんとか光を維持できるようになっているのだ。
「それに若者が多くて活気があります。ベビーブームが起こったのですか?」
「人口は着々と増えてはいるけど、これは猫市の特性にゃ」
「特性というと?」
「猫市は、世界中から留学生がやって来る学園都市なんにゃ~」
第三世界から持ち帰った知識で学校を作り、世界金融会議で圧倒したがために、世界は危機感を覚えて留学生を猫市へ送り込んだことが始まり。
その留学生が知識と猫市の暮らしを持ち帰ってから、猫市は大人気。お金持ちがこぞって子供を送り込み、自分もやって来たりしてる。
その理由は、高度な学習もさることながら、最先端の電気のある暮らしができること。テレビも長く視聴できるし、便利な家電もある。さらにウサギ族をモフれる施設もある。女子が多い理由は、ウサギ族のせいみたい。
最初はそのような理由であったが、さすがに年を重ねる事に他国も発展して飽きられはした。しかし、猫大卒というブランドが定着したので、いまでも多くの若者が留学しているのだ。
「なるほど。だから日本語も聞こえていたのですか」
「日ノ本だけじゃないにゃ。アメリカやオーストラリア、アフリカにゃんかからも来ているにゃ。部族のようにゃ暮らしをしている者には、わしのポケットマネーで迎えているんにゃ~」
「それは素晴らしい試みですね。貧困層も無償で受け入れるなんて、さすがシラタマ王です」
「ちょっと儲かり過ぎてるだけにゃ~」
天皇陛下にベタ褒めされると照れちゃう。なのでお金の話で照れ隠ししたら、引かれた。長者番付け、ブッチギリの1位だもん。こんなに使ってるのに減らないし……
このままではウロにケチ扱いされそうなので、お金の話を避けて宴を続けるわしであった。
翌週からは、ウロと遊ぶ。両親は王家の暮らしにビビってついて来なかったよ。
どこに行きたいかリクエストを聞いてみたら、猫の国を見て回りたいそうだからまずは猫耳族のルーツである猫耳市に連れて来た。
「穴? いえ、下にも町があるのですね。壁がベランダみたいになっている場所は棚田ですか?」
「そうにゃ。昔はドーム状のフタがあったんにゃけど、もう隠れて住む必要がなくなったから取っ払ったんにゃ」
「それはよろしい考えで……素晴らしい景色です」
猫耳市は大穴を中心に町が作られてはいるが、こんな歴史的に素晴らしい物を隠しているのはもったいない。地下はそこで商売する人ぐらいしか住んでいないけど、猫市やラサ市に住む猫耳族が観光をする場所になっているのだ。
ひとまずわしたちも軽く観光。大型エレベーターで地下に下りると、郷土料理の露店が出ていたのでわしたちも買い食い。ワンヂェンの根城だった建物や棚田、大きな溜め池ぐらいしか見るモノはないのですぐに終了だ。
ここへ来たらわしは必ず寄る場所があるので、ウロにも付き合ってもらう。
「こちらは誰のお墓ですか?」
「猫耳族の族長たちが眠るお墓にゃ。まぁここには猫耳族の戦士や奴隷被害者、知り合いも多く眠っているから、作法は悪いけど歩きながらの墓参りになっちゃうけどにゃ~」
「その気持ちだけで充分でしょう。私も祈りを捧げさせてもらっても?」
「是非ともにゃ~」
この墓場は広いので、6歳児にはキツいからわしのおんぶでくまなく回る。よっぽど関わりがあった者のお墓の前では数秒止まって顔を思い出し、最後には慰霊碑の前で、ウロに長めの祈りを捧げていただいた。
墓参りが終わったら、車で行くのは面倒なのでウロを背負って北東へ移動。あまりのことに変なことを言ってるよ。
「牛牛、人間、牛牛牛。人間、ウッシッシ……」
走るのが早すぎたから壊れたのかと思ったけど、大きな壁で囲まれた町の中はのどかな風景と牛しかいないので、ウロはこっちのほうが気になるっぽい。その笑いはツッコミ待ちか?
「ここは牛の楽園、ウシ市にゃ~」
「牛の楽園? 牛のためだけに、こんなに立派な外壁を建てたのですか?」
「昔は牛を労働力で使ってたんにゃけどにゃ~……」
猫市の初期は、大量の牛を手に入れたから農業従事者として働かせていたけど、わしがトラクターを作ってから出番が激減。このままではタダ飯食らいの肥料製造機に成り下がるので、猫市から東の危険地帯に移動してもらったのだ。
「牛ならば、食用として飼ってもいいのでは?」
「それがにゃ~……ここのボスはわしの部下でにゃ~。食べるために仲間を育てるのって、かわいそうにゃろ?」
「うっ……私もそんなことできません」
「ミルク製造と国の防衛ってことで、手を打ってるんにゃ」
昔は使い勝手がよかったけど、牛と喋ってしまったことが仇に。農業従事者の中には念話で喋れる人もいるし、仲良くやっていたのだから食べられないと言う人続出では、猫市のお荷物集団となってしまったのだ。
「ミルクはわかりましたけど、国の防衛とは?」
「あっちのほうに行ったらわかるにゃ~」
とりあえず見たほうが早いと、町の東から出て黒い森に近付いたら、ウロも納得。
「大きいですね……あ、これが猫の町を襲った暴れ牛『シユウ』ですか」
「おお~。よく知ってるにゃ。他にも黒い牛がいるにゃろ? 猫の国、三番手の戦力にゃから、最前線の防衛を任せているってワケにゃ」
「なるほど。シラタマ王が手放さないわけです」
ウロが完全に納得したら、ウシ市の観光。といっても牛しか見る物がないので、猫軍が少数と酪農家が少数常駐していると説明してさっさと次へ。
続きましては、猫市を素通りした場所にあるラサ市。けっこうな速度で走ったけど、ウロは早くも慣れてるな。
「農地ばかりですね」
「ここは猫の国きっての農業都市にゃ~」
ラサ市は中に入るまでが遠い。360度見渡す限りの農地が広がっており、そこで人々がトラクターに乗ったりしながら働いている。
「中は猫市と代わり映えしませんね」
「そりゃそうにゃ。国民には同じ暮らしをしてもらいたいからにゃ。村もほぼ同じ生活水準にゃ~」
「それはまた素晴らしい。ですが……」
「見る物は少ないんだよにゃ~。あ、猫軍の総本部があるにゃよ?」
観光地としてはラサ市は弱々なので、猫軍基地にも御案内。訓練風景を見せてあげた。
「アメリヤ王国は銃を作っていたのに、まだ剣で戦っているのですか?」
「うち、重火器は持ち込みも使用も禁止なんにゃ。それに弱いから使い物にならないんにゃ」
「銃が弱い? ロケット弾なんかもですか??」
「うんにゃ。火薬を大量に使わないことには、5メートルクラスの黒い獣も殺せないんだよにゃ~」
「そういうことですか。獣に使えないならば、人間に使ってしまうのですね」
ウロが銃規制に納得したところで次へ。猫穴温泉市にやって来た。
「エベレスト、これほど近くで見たのは初めてです。けど、この名前は……」
「リータたちが勝手に付けたんにゃ~」
雄大なエベレストの麓に立ったウロは感動した顔になったけど、町の名前が目に入ったら残念な顔になった。なので、成り立ちを説明しながら中へ。
その時、第三世界ではUFOで近くまで来ていたから見えたのじゃないかと聞いたら、わしたちが新疆ウイグル自治区で暴れていたから、そんな場合じゃなかったんだってさ。
よけいなことを思い出したわしがウロからグチグチ言われていたら、町の一番奥にある大きなトンネルに到着した。
「これが東の国と繋がるトンネルですか……手作業で掘ったのですか?」
「手作業と魔法らしいにゃ。繋げるのに200年ぐらい掛かったらしいんにゃ」
「凄まじい執念ですね。繋がらないかもしれないのに……」
「それほど切羽詰まってたんにゃろ。調査したら、東に古い町跡がいっぱいあったんにゃ。だから黒い森に押し潰されるのは時間の問題だったのかもにゃ」
「そこにシラタマ王が降臨して、押し返したのですね」
「神様みたいに言わないでくれにゃい?」
現人神に神様認定されては、白猫教が活気付いてしまう。でも転生のことは誰にも言うつもりはないみたいだから大丈夫かな?
とりあえずここでお昼になったので、足湯をしながらランチ。ウロにこの町に温泉と付いている理由を納得していただいたら、わしは背負って走り出すのであった。
「ここは猫市ぐらい活気がありますね」
「ソウ市は、猫の国きっての商人の町にゃ~」
次にやって来たのはソウ市。昔から人口が一番多く、お金持ちが多い町。
お城型の市役所兼キャットトレインの整備工場があり、どの町よりも歴史的な建造物があるのでウロも満足だ。現代の知識があるウロにはショボく見られるかもと思っていたから、喜んでくれてホッした。
これだけでもよかったが、ウロには秘匿の約束をして猫の国の秘密中枢にも御案内。大型エレベーターに乗って、地下空洞にやって来た。
「運送会社みたいな場所ですね。隠してるようなことを言ってましたけど、知られると何か不都合があるのですか?」
「ここは小説に出て来た白い森並みに魔力が漲っていてにゃ。先に説明した電池魔道具を置いておくと、1日ぐらいで補充されるんにゃ」
「ということは、電気が無限に産出される施設……」
「うんにゃ。言うなれば発電所だにゃ。猫の国と日ノ本ぐらいしかこんにゃ施設がないから、バレるわけにはいかないんにゃ」
「それは取り合いになってもおかしくないですね」
地下空洞の危険性と他にも何に魔力を補充しているかを説明していたら、別宅のほうから金属音が聞こえた。ウロも気になっていたので、仕方なしに案内してあげる。
「コリスさん?」
「うんにゃ。ここは猫クラン御用達の、秘密訓練場にゃ~」
「何かブンブン動き回っているように見えるのですが……」
「あぁ~……メイバイとか子供たちが走り回ってるにゃ」
残念ながら、6歳児の動体視力では猫クランの動きは捉え切れない。唯一動いてないように見えたコリスも、誰かと戦っているから両手が消えて見えるんだって。
「ま、あそこに入るには早すぎるにゃ。つぎ行こうにゃ~」
「はい。挽肉になる自信あります……」
猫クラン入りを要望していたウロであったが、異次元すぎる動きを見て悩み出したのであったとさ。
1
あなたにおすすめの小説
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる