【R18】前科3犯、現在逃亡中のおっさん性奴隷を買う

ma-no

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第4話 閑話

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 翌朝……

 目覚めたタピオは、腕の中で眠るイロナに驚く事となった。

(女!? ……あ~。そっか。性奴隷を買ったんだった。ビックリした~。てか、本当に美人だな。でも、あんなに力が強いとは……俺じゃなかったらチンコが取れるのは頷ける)

 タピオは昨夜の出来事を思い出し、初めてのフェラでの気持ち良さよりも、受けた痛みが勝ってタピオのタピオを触り、ホッとする。

(本当に美人だ……キ、キスぐらいしてもいいかな? 俺が買ったんだからいいよな? 寝てるところを襲うようで気が引けるが、美人局つつもたせじゃないから文句を言われないはずだ。よし!)

 タピオはホッとしたのも束の間、欲望のままに唇を尖らせ、イロナの唇に近付ける。その瞬間、イロナの両目が見開いた。

「モーニングキスと言うやつか……よかろう!」

 タピオが驚いて逃げる前に、イロナはタピオの口に吸い付いた。

「ずぼぼぼぼぼぼ」

 タピオのタピオがもげるほどの吸引力で吸われたタピオは、モーニングギブアップ。タップして、なんとか離してもらうのであった。

「ゲホッゲホッゲホゲホ……」
「どうした? キスを要望していたのではないのか?」

 舌を吸い取られるどころか、肺まで吸い取られる程のバキュームキスを喰らったタピオは虫の息。いくら防御力が高くとも、内側の攻撃はこたえたようだ。

「そうですけど、こう……チュッという感じでいいんです。触れるぐらいで……」
「なるほど。フレンチキスというやつだな。練習してみよう」

 ガキーン!

「なんで~~~!!」

 フレンチキスイコール、ほぼ頭突き。スピードとパワーの乗った、尖った唇を人中に喰らったタピオは、鼻血ブー。しばらくのたうち回っていた。
 そんなタピオを見下して見ていたイロナは、上から発言する。

「それにしても主殿は頑丈だな。我のセックスに付き合えるとは、本当に人族か?」

 そっくりそのまま返したいタピオ。だが、ダメージが酷く、タオルで鼻を押さえながら返事は待ってもらう。そうこうしていたらノックの音が聞こえ、イロナが裸のまま出ようとするので、ズボンだけ履いたタピオが対応する。
 思った通り、朝食を運んで来た宿の従業員だったので部屋には入れず、自分で運ぶと言って追い返していた。その時、「昨日はお楽しみでしたね」って、目で見られていたが、タピオは気付かなかった。

 そうしてイロナにも服を着るように頼んだタピオは、二人でテーブルに着いた。

「温かい内に食べましょう。お話はそのあとって事で」
「ふむ。だが、口調には気を付けよ。昨日の夜から敬語になっているぞ」
「あ……わかった」

 イロナは小言を言ったが、腹も減っていたらしく、バクバク食べる。どちらもマナーには疎いようだが、美味しく食べ終えた。


「さて、俺が何者か……だったな。もちろん人族だ。ただ、職業がちょっと変なんだ……」

 タピオは奴隷相手だからか、自分の過去を包み隠さず話す。三度の強姦罪で捕まったこと。全て冤罪であったこと。15年もの間、鉱山送りになったこと。
 その過程で「重戦車」という謎の職業についたこと。現在、勇者殺害の冤罪で逃亡中まで……
 黙って聞いていたイロナは、紅茶を飲み干してから口を開く。

「なるほどな。その職業のせいで防御力が高くなっているわけだ。合点がいった」
「……へ?」
「どうした?」
「俺の犯罪歴に触れないから……」

 呆けた顔をするタピオに、イロナは言い放つ。

「冤罪なのであろう? ならば何も問題ない」
「信じるのか?」
「我としては、主殿の言葉は絶対だからな」
「そういうことか……」

 奴隷だからの答えだったと知ったタピオは肩を落とす。だが、イロナは微笑みながら、次の言葉を発する。

「出会って一日だが、主殿が嘘を言っていないことぐらいはわかるぞ。だから信じる」
「え……」
「我は主殿に買われてよかったと思うぞ」
「うっ……うぅぅ」

 タピオは涙する。いわれの無い罪で何年も服役したタピオに、その言葉は救いだったのであろう。
 その姿を見たイロナは、テーブルに突っ伏して泣いているタピオの隣に移動して、優しく頭を撫でるのであった。


 それからタピオはみっともなく泣いた事を謝罪して、イロナの正体に言及する。

「こう見えて俺はかなり防御力が高いのに、ここまでダメージを与えるなんて、イロナこそ何者なんだ?」
「我は……」

 イロナはどう説明していいかを悩んで口ごもり、質問からぶつける。

「主殿は、剛力族を知っているか?」
「剛力族……。確か北の最果てに住んでいると言われる力の強い種族だったか。人族の辿り着けない領域だから、滅多に姿を拝めないとも……」
「それだ。我は剛力族、族長の娘だ」
「娘?? 剛力族は男しかいないと聞いたぞ」
「真っ赤な嘘だ。我も初めて聞いた時は笑ったものだ。外に出た男が、女を守るために嘘でもついたのだろう」
「なるほど」

 イロナの種族に驚いたタピオは納得がいったが、ひとつ納得できないからか、イロナをジロジロと見る。

「なんだ?」
「いや……剛力族は力が強いと聞いた事はある。それと、筋肉が角張っているとも……」

 そう。剛力族とは、タピオと同じくマッチョな体型。ただし筋肉が異質で、岩のように硬く、端が尖って見えるので、別名、岩石族とも呼ばれる。

「それは男だけだ。女は人族の女とさほど変わらない。ただし、力なんかは凌駕するがな」
「はあ……でも、どうして、そんなレアな種族がこんな所で奴隷にまで落ちているんだ? まさか、奴隷狩りとか?」
「志願したまでだ。我が軟弱な人族に捕まるわけがなかろう」
「志願??」
「先も主殿が言った通り、剛力族の体は硬い……」

 どうやらイロナは、婚約者が居たらしいが逃げて来たらしい。逃げた理由も、イロナのタイプじゃないから。イロナのタイプは肌が柔らかい男。そんな男は剛力族におらず、逃げ出すしかなかったようだ。
 もちろん長や婚約者、親兄弟、親戚等々は止めたのだが、全て半殺しにして逃げ仰せたのこと。その怖い逸話に、タピオは「逃げるだけでよかったのでは?」と口を挟んだが、「迎え撃つのが主義だ」とバッサリ切られていた。

 逃走の末、街道で出会った盗賊に「奴隷にして売ってやる」と言われたイロナは、半殺しにして詳しく話を聞き、金目の物は全て奪ったようだ。
 その情報で、奴隷になれば住み処も食事も男もくっついて来ると知り、この町までやって来たそうだ。

「それって……奴隷になる必要はあったのか?」

 まったくない。普通に働いて、近付いて来た男と恋仲になればいいだけだ。

「奴隷にはメリットがある。館長が我の為に、金持ちの男を用意してくれるからな」

 婚活かな? 婚活アプリとして奴隷商を使っていたのかな?

「それに我も、早くセックスをしてみたかったのだ。性奴隷が一番手っ取り早いだろう?」
「そうですね~」

 タピオも呆れてそれ以上の言葉が出ない。なので、男のタイプについて質問するようだ。

「でも、俺の体は硬いほうだと思うんだが……」
「そうでもないぞ。体つきは剛力族に似ているが、肉は柔らかい。まるで上質な巨牛の霜降り肉のようだ」

 何やらステーキを褒めるような言い方だが、イロナからしたら、トップアスリートの筋肉を例えにして褒めているつもりらしい。タピオは食べられるのではないかと恐怖しているが……

「ちなみに職業はなんだ?」
「我の職業は、『戦姫』だ」
「たしか『戦乙女』の上位だったか……それでレベルは?」
「ちょうど300。上限の印が出ないところを見ると、まだ上があるみたいだな」
「300!?」

 通常職の三倍では、タピオも驚きを隠せない。

「主殿はいくつなのだ?」
「119だ。どうりで俺が力負けするはずだ」
「ふむ……さすが主殿だ。人族で100を超える職業など勇者ぐらいだ。これならば鍛え方しだいで、我のフェラも受け入れられるな」
「はい?」

 タピオはイロナの喋る内容が意味不明で聞くが、イロナは突然立ち上がって声を大きくする。

「では、ダンジョンに共に潜ろうではないか!」
「いまから??」
「そうだ。主殿には早くレベルを上げてもらって、気持ちよくなって欲しいからな。行くぞ!」
「ま、待って……」
「ぐずぐずするな!」

 こうしてタピオはイロナに首根っこを掴まれ、毎日ダンジョンに潜ってスパルタレベル上げが敢行されるのであったとさ。




 それから一ヶ月後……

「ここに『ヤルモ』が居るのですわね」

 聖女と名乗る美しい女が、タピオの住む町に到着した。

「勇者暗殺の罪……必ず私が支払わせてやりますわ! ホーホッホッホッ」

 聖女は高笑いしながら、町に足を踏み入れるのであった。


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 この作品は読み切り用に書いた作品ですが、人気があるならちゃんとした版を書く予定です。
 ですので、気になる方はブックマークしていただけると有り難いです。

 宜しくお願いいたします。
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『アイムキャット!!?』
好評……かどうかわかりませんが連載中!!
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