秘密の多い薬屋店主は勇者と恋仲にはなれません!

白縁あかね

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第一幕 プロローグ

登場人物

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アーシェ=フェルゴール(18) 青髪翠眼

 アンタレスの住人。商店街の外れ、魔の森に一番近い位置にある薬屋の店主。自分が作った特製ポーションを販売しており、一般的に売られていない物も多数取り揃えている。客の財布の紐を緩める為、男でありながら女性に見える様な格好で店に立つ。見た目は十歳程に見えるが、実は成人している。華奢な見た目に反し、実は模擬戦闘システムの八段階闘士でめちゃくちゃ強い。黒猫のケイトと共に薬屋に併設した家に住んでいる。色々と秘密を抱えているらしい。


カイル=シュタッド(18) 金髪碧眼

 魔王討伐の為に選ばれた勇者。おばあさんに拾われて育ち、戦闘技術を学ぶが、おばあさんが他界し天涯孤独となる。一般的には強いが、アンタレス内では中の中程度の実力。しかし研けば光る原石であり、日々メキメキと強くなる。あまり自分の意志を持たず流されがちだが、根性があり義理堅い。アーシェに出会うまで好きと言う感情を抱いた事がなく、周りからの好意には疎い為、パーティからの熱い視線は"圧が強い"程度の認識である。モテるのにモテる自覚がなく、もちろん童貞。


ケイト 黒毛赤眼

 アーシェの愛猫。言葉を喋るが、普通の人間にはニャーニャー鳴いているだけに聞こえる。飼い主に似て、秘密の多い猫。


ヴァン=アドレイド(33) 灰髪黒眼

 アンタレスの住人。武器屋の店主。模擬戦闘システムの七段階闘士。筋肉高身長のイケてるお兄さん。決しておじさんではない。アーシェを自分の子どもの様に可愛がっており、アーシェも父の様に慕っている。面倒見は良いが不器用な為、素っ気ない態度に見られがち。


トーマ=シグエイド(20) 青がかった銀髪金眼

 アンタレスの住人。冒険者ギルドの職員で、模擬戦闘システムの管理をしている。いつも冷めた表情をしているが、アーシェの前では満面の笑みである。アーシェに心酔しており、カイルがとても気に食わない。すこぶる気に食わない。ギルドの仕事中は誰に対しても敬語だが、一度仕事から離れると男らしい口調で話す。いい性格をしている。


マーサ 魔法使い

 王家に選ばれた勇者パーティの一人。普段は理性的で落ち着きがあるが、勇者が絡むと強気になる。攻撃魔法が得意。


リサ 弓使い

 王家に選ばれた勇者パーティの一人。エルフの為長命だが、まだ若いとは本人談。弓の他に短剣も扱う。口調は荒いが頼れる姉御的な存在。


エマ 聖女

 教会からの推薦により、王家に選ばれた勇者パーティの一人。主に回復担当。できる事は僧侶と大差ないが、聖女と呼ばれるには理由があるらしい。幼い頃から教会で聖女として育ち、魔物が凶暴化してからは、いつか現れる勇者と共に戦う為に修行に励んでおり、使命感は人一倍強い。


魔王

 十五年ほど前から魔王城周辺に魔気を放ち、魔物を凶暴化させているとされている。魔王の姿を見た者はおらず、魔王城に居ると言う事しか情報がない。長年動きがなかった魔王が何故活発になったのかも不明である。




模擬戦闘の闘士

一段階:子ども達
 街の外は強い魔物で溢れている為、幼少の頃から戦闘技術を磨いている。模擬戦闘も訓練の一環。闘士で唯一、四人一組で戦う。
 大半の挑戦者が初回はここで脱落する。

二段階:一般成人男性
 昔からアンタレスに住む住人と、栄えた事で新たに住み着いた住人がおり、主に昔からの住人は皆、魔王討伐を夢見ている。
 戦闘参加者も昔からの住人。その日に空いている誰かが闘士になる。
 一般程度の基礎を確認する。
 現在いる挑戦者は全員ここがクリアできていない。

三段階:本屋のトム
 高齢ではあるがやたら素早い。
 回避能力や瞬発力を測る。

四段階:宿屋のパール
 宿屋の肝っ玉母さん。高火力魔法を連発してくる。
 防御力と手数の多い相手への対応を見ている。

五段階:役所員のジム
 インテリメガネ。見た目通り堅物で聡明。戦闘では未来予知に近いレベルの先読みで相手の攻撃はほぼ当たらず、自分の攻撃は百発百中。
 戦闘中の予測や命中率向を確認している。

六段階:防具屋のドン
 ムキムキフェスティバルなガチムチおじさん。自慢の防具は並の攻撃ではかすり傷すらつかない。生身でもカッチカチの防御力。
 実はヴァンの従兄弟。
 単純な攻撃力を見ている。

七段階:武器屋のヴァン
 総合的な武力と魔王討伐への意志を測る。

八段階:薬屋アーシェ
 最終実力の確認。アーシェを倒せない者に魔王への挑戦権は与えられない。




ヘルゼ王国王家

ヘルゼ王
 よく言えば温厚、悪く言えば怠惰。魔物対策にあまり関心がなく、魔物に村が崩壊させられたと聞いても復興資金支援以外の行動を起こさなかった、事なかれ主義な王様。十五年も放置したが、宰相にせっつかれてやっと重い腰を上げて講じたのが勇者派遣。三男一女の子どもがいる。末娘を溺愛しており、勇者が気に入った様子の娘と結婚させようとしている。

マリジュリア姫
 ヘルゼ王の三男一女の末娘。王に可愛がられて育った為、全てが自分の思い通りになると思っている傲慢姫。見目は良い方だが性格が苛烈な為、なかなか婚約者が決まらない。勇者に一目惚れしたが、勇者パーティ三女傑に阻まれ婚約を取り付けられなかった為、勇者の帰りを今か今かと待ち構えている。




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