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八章 無くなった秘密
閑話4 カイルの甲斐甲斐しいお世話術 R18
しおりを挟む後半、背後注意シーンあります。最後までは致しませんが、お互いすっぱだかなのでR18としています。
苦手な方はスルー推奨。
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甘い。吐きそうな程に甘い。
何かって?そりゃアイツよ。
あれから半月程経過して、オレもやっと上半身を起こせるまでに馴染んできていた。声もゆっくりなら話す事ができる。
話せるって偉大だったんだなぁ。普通の人にならストレスフリーで考えてる事を伝えられるんだから。
そう、普通の人にならね。
言っても片方の耳からもう片方の耳への直通させるスキルの持ち主には、話せても特に意味がない事を知ったのよオレは。
知りたくなかったけどね?
「アーシェ、こっち向いて?」
「……あのさ、いい加減もう自分で食え、んぷ……」
「美味しい?」
いや、美味い。美味いけど違うのよ。
自分の口に含んだ物をオレの口に流し込んでくる。所謂口移しと言う羞恥刑。
オレの体を気遣って、固形物を少なくしてくれているのはありがたい。
でもさ、別にする必要はないけど……するならスプーンで食べさせてくれれば良くない?
色々やってくれるのは感謝している。家事全般何でもできて、作ってくれるご飯も美味しいし、掃除も隅々まで綺麗だ。一家に一カイルが欲しいぐらい役に立つ。
しかし、しかしだよ。愛情表現にも限度ってもんがあるでしょうよ。
ヴァンさんに手や口を出す事を禁止されたからか、お世話に託けてお触り噛みつきやりたい放題である。
そしてオレもそれは嫌ではないと言う地獄。
昼間はトーマやヴァンさん、街の人達がお見舞いに来てくれるから、無事に自分で食事ができる。でも夜になると家にはオレとアイツしかいない。風呂も一緒だし、寝るのも一緒。加えてこの口移し。
「たとえ嫌じゃなくとも、羞恥心はあるんだからなっ……はぁ、はぁ」
「そうだねぇ、恥ずかしがってるアーシェも可愛いよ。早く元気になる為にいっぱい食べなきゃ。はい、もう一回」
この調子なのよ。渾身のオレの叫びもコイツには響かないらしい。
まぁ口移しはまだいい。いや、良くはないんだけど、アレに比べたらまだマシ。
男である以上避けられないあの行為……。
断ってるのに……今日辺りまた強制されそうな気がする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あっ、んん……カイル、そこは……しなくていいってば、あっ」
「ダメだよアーシェ。我慢したら良くないんだから。ほら、足開いて」
お風呂の時間に行われる、数日に一度の行為。
確かにそうかもしれないけど、オレは元々そんなにしない方なんだ!
生活の殆どを十歳の姿で過ごしていたせいか、ほぼ必要なくて、たまに薬草採集の為に、十八歳に戻った時にしたくなる程度だった。
自慰ってやつ。
今してるコレは違うだろっ。だって自分で慰めてないもの!
お互いに全身泡まみれ。あとは足を洗って終了と言うタイミングで、カイルが背後から手を伸ばしてオレのモノをふにふにと揉んでくる。
抵抗の意を込めて、あまり力の入らない足を必死に閉じていた。
「仕方ないね……こっちも触ってあげるから、足の力抜いて」
「ひきゅっ!?ちょっ、あっ!やめっ、あぅ……」
足に集中しすぎたせいで、急に胸を触られて変な悲鳴をあげてしまった。
先の尖りが押される度に泡でツルツルと滑って変な感じ……。
「うん、いい子だね。ここも勃ってきたし、可愛いよ」
「やっ!恥ずっかし、ことっ……言うなっ!」
抵抗虚しく、貝柱を切られた二枚貝の様にぱかっと足を開かれてしまった。
力の入らない手で近くにあったカイルの足をべちっと叩く。生理現象なんだから仕方ないだろっ!
「恥ずかしい?じゃあこうしよっか」
ひょいと持ち上げられたかと思うと、向き合うようにひっくり返され、床にあぐらをかいたカイルの上に座らされた。
「やっ、ちょっと……」
「ほら、僕の首の後で手を組んで。支えてるけど念の為、ね?」
体についた泡を桶でお湯を汲んでザバザバと洗い流される。
泡がなくなってハッキリと見えてしまった……。お互いの息子達がピトリと寄り添っている。何でお前ももう勃ってるんだ!
あまりの恥ずかしさに、言われた通り首の後ろに手で作った輪っかをかけてから、顔を上に向けて目を瞑った。
初めて見た時にも思ったけど、カイルのアレはデカい。身長もそこそこにあるからそれ相応と言われればそうなんだけど……にしてもな大きさだ。
流石、勇者様はそこもご立派なんですね。
それに比べて、オレのは……少し小さい。オレ魔王なのに。役職者なんだからボーナスくれてもいいじゃねーか。せめて普通サイズにしてくれよ。
今まで比較対象もなかったから気にもならなかったけど、前世を思い出して人に見せたくないレベルには小さい事に気付いてしまった。色の件も相まって……なんだか子どものモノみたいだ。カイルのと並べられると余計にその差が目立って悔しい。
「ほら、これで恥ずかしくないでしょ?僕も一緒にするから、ね?」
そーゆー問題ではないのよ。お互いの愛を確かめる行為ならまだいい。でもこれは違う。なす術なく与えられる快楽に耐える様をまじまじと見られるこの状態が納得いかない。
感覚からして、カイルのモノと一緒に握り込まれている。
どうせ言ってもやめてもらえないだろうから、諦めてなるべく見ない様に徹するしかない。
いつの間にやら滑りを帯びた息子達が一緒に擦られて可愛くない水音をたてた。
「はっ……う、ふぅ……あっ」
「はぁ、そんなに逸らすと……こうするしかないよね」
……?何、言って……。
「あぅっ!?やっ、あっ!」
さっきまで指で弄られていた胸の先が、今度は口に咥えられている。
どうやら見ない様に顔を上に向けたせいで、胸元をカイルに差し出す姿勢になっていたらしい……。
慌てて姿勢を戻しても時既に遅し。勢いを増して下半身を擦られ、口に含まれた尖りも舌で転がされれば、もうオレに抵抗する力なんてある訳がなかった。
指を絡めた輪っかだけでは心許なくて、カイルの頭にしがみつく。より一層胸を吸われ、下半身の熱が高ぶっていった。
「はっ、あっう……か、いる、もっイく……あっ!」
吸いつかれていた尖りがちぱっと音をたてて解放される。もう恥ずかしいとかそれどころではなく、頭がふわふわしていて、早くイきたくて仕方がない。
「もう?気持ちいいんだ?」
「うんっ、いいっ気持ちっ、あっいいっ。んっ……カイルっすきっ、あんっ、だいすきっ」
なんだか無性に口寂しくなって、少し屈んでカイルの耳に齧り付つく。
されてばっかりは癪なので、素直な気持ちを耳に吹き込んでやった。
「あっ!ちょっ……くっ……」
「ひぁっ、あっあぁっ!」
同時に白濁を吐き出し、限界を迎えたオレの体が視界を暗転させていく。
最後に見えたのは、指に付いたどちらの物とも知れない白い体液をチロっと舐めるカイルの姿。
最後に聞こえたのは、普段聞き慣れない低い声だった……。
「元気になったら手加減しないから、覚えておいてね?」
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