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3話
しおりを挟むそんなこんなで眠りについた俺達なんだが.......。
《.......ぁ。は.......やくぅ。早く起きて下さい!あっ、でも起きなくてもいいや。》
朝から騒がしいダークパラディンのツバキの声が頭の中で響き渡る。
《もぅ。起きないと.......えいっ!》
ちょ、苦しい.......。げふっ
何が起こるのかと思いきや、柔らかい大福が俺の顔面を埋めつくしてきた。
《これでも起きないのかな?んー。》
ちょ、ツバキさん。しんどいっす。
俺は必死に背中をバシバシ叩くが、魔物だからなのか全く外傷に反応しない。
《まだ起きないね。もっときつくやろうかな?》
あ、ニヤけましたよ?今にやってしましたよね!?口角上がったの見えましたよ!?
そろそろ本格的に死にそうなのでひっぺがすことにした。
《.......あ、おはようございます!てなわけで朝の一服をどうぞ.......》
そんなことを言いながら服をはだけさせるツバキ。いやいや朝から何してんですかあなたは。
「.......ん?おはよー。ってするかー!」
《もぅ。釣れないですねぇ.......》
いや、あのですね。この朝っていう状況的にそれはきついかと.......。
《あっ、そう言えばここの隣に川が流れてるのでお顔を洗ってきてください。洗えないと言うなら私が洗いに行きますが.......?》
「だっ!大丈夫!大丈夫だから!」
半分押し気味に答え、タオルを片手に川へとダッシュする。
「ふぅ。それにしても綺麗な川だな。」
全く濁ることがなく、冷たく透き通った透明な水が遠くの山々から流れてきている。川で泳ぐ魚達も嬉しそうだ。
ここらへん一帯は、全くもって人間によって開拓されていないのか、とても静かでのどかな自然豊かな森林が拡がっている。
「.......ん?なんだあれ。」
森の奥のそのまた奥に黄金の瞳。鋭く綺麗に生え揃った牙が光を反射し、光出していた
「あれは.......狼?」
そうつぶやいた頃には、視界から消え去っていた。
そんなこんなで、ジャックの部下が朝から作った美味しい食事を食べたあと、今後の予定の盗賊狩りについての話を3人でしていた。
《まず、盗賊狩りについてだが、地上部隊は俺と部下共とツバキ殿でなんとかはなるが、万が一。そして今後のためにも移動手段や情報網は確保しておきたい。幸い、生活に必要なものは予め集めておいたものを使えばなんとかなりそうだ。》
日頃の統率から、俺よりジャックの方が頭がキレているので作戦に関しては毎回ジャックに任せている。そして、ジャックの言い分を要約するとこうだ。
まず、地上の敵相手に戦うならそんじょそこらの雑魚には負けないが、Aランクやそれ以上がゴロゴロころがってきたらさすがのジャックでも死ぬかもしれないとのこと。だから、少しでも多くの戦力を身につけるためにもまずは空の支配者。Sランクのフェニックスに会いに行き、味方に引きつける必要があるそうな。
《でも、フェニックスって確か不死鳥と名高く、撃ち落とすことすら不可能に近いと言われていますが、どうやって近付くのですか?そもそも。》
ツバキの言い分はもっともだ。第1、俺のことをぶっ飛ばすにしても射程が足りないのでどっちみち俺は下に落ちてきてジ、エンドである。
《.......それなら、あいつの巣に出向いてやろうか。あいつの巣はあそこだ。》
ジャックが指さす先には、近くのきれいな川の出処の山々の中でも一段とでかい山。それの頂上があった。
「いやいや。あそこまで徒歩でいけと?さすがにしんどくないか?」
《そんなこと言ったって.......あそこに行くしかねぇんだよ。あいつの羽休めの場所はあそこしかねぇんだから。》
「わーったよ。なら黙っていきますよーだ。」
《もし良かったら私がおんぶしますよ?てかさせてくださいお願いします!》
ツバキのおんぶ.......されてみたいけどそれはそれでなんかプライドが.......
「大丈夫だよ。それくらい歩けるよ。」
《むぅ。ダメな時は言ってくださいね?いざとなったら私のぺルルの上に乗せますので。》
ちなみにペルルとは、ツバキの愛馬であるとても人懐っこいシャドーホースである。
「グギャオ!ギャギャウ!」
すると、見張りをしていたオークが飛ぶように走ってきてジャックに耳打ちをした。
《ふむ。何?それは本当か!》
オークは首をこくこく頷かせる。一体何が
《まず、人間がとうとう現れたようだ。そんでもって、奥の方でSSランクのフェンリルの叫び声が聞こえたそうだ。とりあえず向かうだけ向かってみようと思うんだが。》
ふむ。なんか名前からして強そうだな。
「わかった。行くだけ行ってみて、ダメそうだったら戻ろう。死人を出したくない。」
そして俺たちは、見張りのオークを先頭にフェンリルの元へ向かうのであった。
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