孤狐 ―転移無力者―

ほまりぃ

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第1話 転移

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―令和5年 11月16日―

―転移

それは突然の衝撃だった。

何時ものように学校の帰りでそのまま山に入り、夜が更けるまで祖父に言われた事を思い出すかのように小屋に籠って作業をする。

(いいか、狐虎・・・木こりにしろ、マタギにしろ絶対に山に背いちゃいけねぇ。山と共に全てを山に預ける気持ちで考えろ)

山本狐虎(やまもとここ)はこの祖父と同じく、将来は木こり、そしてマタギの仕事をすると決めていた。物心がつく頃には両親は何処かへ、気が付けば児童養護施設で生活する毎日・・・。

(ガリガリで目つき悪し、髪も長いから女の子みたい…)

(おーい!ここー!ここって変な名前だぁ、はははは)

こうして彼は同じ施設の子供からも、学校でもその名のせいでいじめられていた。両親の顔は知らないので恨みようも無いが、こんなふざけた名前を付けた事だけはずっと腹正しく思っていた。

そんな狐虎が中学に入学しようとした時、両親の祖父を名乗る高齢の男性が狐虎を迎えに来た。山本平次郎(やまもとへいじろう)である。

平次郎は無骨な男であったが、けして冷たい人間では無かった。相棒の八助と共に狐虎を山へ連れ出し、木こり、そしてマタギにおける全ての仕事を丁寧に教えていく。だが、そんな平次郎も狐虎が中学を卒業する頃には、病室のベッドの上で静かにその余生を終えた。

またもや天涯孤独となった狐虎ではあったが、前と違って祖父はその財産の全てを狐虎に遺してくれた。とりわけ仕事場でもある山を残してくれた事には感謝した。

「おじいちゃん、俺はおじいちゃんの仕事を引き継ぐよ」

それは、中学を卒業すると同時に祖父と同じ道を生きると誓った矢先であった。

田舎の夜の街灯は心細く、まだ苗入れしたばかりの田から虫の音が響くような静かな帰りの畦道。

そこで突然、今まで受けた事のないような突風が急に狐虎を襲った。不意をつかれ乗っていた自転車事宙へ投げ飛ばされた狐虎はそのまま田んぼへと突き落とされると思った。だが、その予想は背中に受けた強い衝撃によって悉く跳ね返される事になる。

「・・・かはっ!!!」

(息が、呼吸が・・・・・・)

背中に強い衝撃を受けた事により、狐虎の肺機能は麻痺していた。何とか必死に呼吸しようとするもうまく酸素を取り込めない。

「うっ・・・ごほっ!げっ!」

何度か深呼吸や胸を強く叩き、ようやく大きく息を吸い込む事ができた。だが、状況が全く把握できない。街灯の灯は見えず、そこは田園地帯と言うにはあまりにも様々なものが密集しているように見えた。

狐虎は何とか呼吸を整え、背中の痛みに耐えながらもその場から立ち上がる。完全な暗闇では無く、空から淡い銀色の明かりが降り注いでいるようで思わず宙を見上げた時、狐虎は思わず息を飲み込んだ。

それは今まで見た事もない程の巨大な満月であった。あまりの大きさにまるで今にも月が此方へと衝突するのではないかと思った程に。

「・・・・これは?」

(夢か?)

夢だと思ったが、今でも激しく痛む背中の痛みが彼を現実へと引き戻す。

そして目が慣れ始め、辺りを見回してさらに言葉を失いそうになった。


己が激突したものが壁などでは無く、信じられない程に巨大な樹木だったからである。都会で見たようなビル群のように恐ろしく大きい木々に囲まれていると実感した直後・・・もしや自分の体が蟻のように小さくなってしまったのかさえ思えた。それ程までにここは巨大にして荘厳、それに自分が故郷のように慕っていたあの山のような温もりとは程遠い、禍々しさを帯びているようにも見えた。


そう、ここは冥府の大森林。



世にも恐れられた魔物達の巣窟だったのだ。


ーーーーーーーーーーーーー


―冥府の森

その夜はいやに静かだった。暗香疎影とはよく言うが、その神秘的な雰囲気とは別に狐虎の心臓は大きな心音が爆音のように鳴り響いていた。ずっと自然に慣れてきた者だけが分かるこの感覚、それはこの森にはけして入ってはいけないと言う警告そのものであった。

幸い月が出ていれば方角は把握できる。だが、そこ自体が何処だか分からない以上、東西南北の何方へ向かうべきか憚れる。なにせその周りが恐ろしく巨大な木々であり、上から降り注ぐ光以外は獣道でさえ見えずにいた。

(朝になるまでここで待つべきか・・・)


今思えば冷静にその判断は正しかったのだろう。だが、その時は一刻も早くこの森を逃げ出すべきだという恐怖が背中を煽った。そしてどうにか夜目にも慣れ始めた頃、狐虎は意を決して真っ暗の森の中を探索する事にしたのだ。

・・・‥‥

(いいか狐虎、お前も山にお世話になるつもりなら絶対に守らなきゃ行けねぇ事がある)

(それは・・・『夜の山には絶対に入ってはいけねぇ』という事だ。)

(夜はの山はもう完全に人外の領域だ、そこにある全ては闇で埋め尽くされ、そしてその闇を食おうとする者が彷徨い始める・・・)

(どうしようもない時でも、けして火を絶やさず、じっと動かない事だ。そうすればいずれお天道さまが顔を出す)

それは亡くなった祖父の口癖のだった。夜の山に蠢くものと言うのはあくまで比喩であり、最低限、獣に襲われぬよう自衛に徹しろという教訓なのだろうと狐虎は勝手に解釈していた。

その掟で言うならば、やはり自分の今の行動は危険すぎる。だが、今の時点では火を起す術がまるでない。原始的に火を起す方法なら何度か試したことがあるが、多大な労力を要する上に、湿気が詰まったこんな場所では乾いた枯れ木でさえ期待も出来ない。

やはり、ここは一刻も早く森から抜け出すべきなのだ。

そうすればきっとすぐに文明の温もりに触れ、またもとの生活へ戻る事ができる。これがきっと夢で無い事は、もう一時間以上小走りに歩いてきた肺の苦しさが物語っている。一つの木を超えるだけでもそれなりの歩数があるのだ。そう思えるとまるでそこらに生えている葉や植物まで巨大に見えてしまい、まさに異次元へと飛ばされような錯覚さえ覚える。

(一体俺の身に何が起きた?)

何度考えても何故このような事になったのかさっぱり分からない。だが、そうやって歩き続けている中でも体力は消耗し、ついには喉の渇きを覚え始めたその時だった。

・・・わずかにだが、それは確かに聞き覚えのある音。

(川が近くにある!!)

狐虎は藻掻くように音のある方角へと走った。どんどんと濁音が響いてくる。

かなり急な流れのように思えた。そして、ついに・・・。


「川だ!!」


思わず叫ぶと同時に月夜に照らされた川の水を手で掬い飲む。本来ならどれだけ奇麗な水に見ようとも煮沸処理を施すべきであるが、状況だけになり振り構わず水を飲み続けた。

(ごくごく・・・うまい)

渇きがあったからだけじゃない程にその水はとても美味しく感じた。空腹も感じていたが一気に腹が膨れたような気持ちになる。川は岩場になっており、その開けた場所で見た月は、やはりこの世のものとは思えぬほどの大きさを誇っていた。

美しい、だがやはりそのあまりの不自然な大きさにどこか違和感すら覚えていた。そもそも何故自分はここまで喉が渇いたのだろう?普段ならどれだけ歩いても川の水をそのまま飲むまでに渇く事など無かったのに。


そんな疑問を頭で巡らせいたその時だった。



          ザシュ!!


何かが千切れたような音がした。

鼻孔は一瞬生臭く、それでいて獣臭いようなものが過ったと思えば・・・今度は何か温かいものが流れるような感覚を覚える。

ボタボタボタと流れるそれを感じた時、自分の中にある体温が急激に低下しているのが分かった。そしてその生温かいそれはやがて血生臭い臭いとなって現実へと引き戻す。

「俺の・・・手が・・・・」

ふと気づくと体を少し支えていたはずの左手の方から勢いよく自分の血が流れて落ちている事に気づいた時、まるで強い電気ショックを受けたような衝撃に鈍い痛みが全身を駆け巡る。

「うわああああああああああああああ!!!!!」

(何が何が何が!?何が起きた???)


咄嗟に上着を脱ぎ、とにかく左腕に巻き付ける。早くしなければ出血多量で死ぬ。だが、いざ巻き付けた服に力を込めようとした時、川の岩場に無数の影が月夜に照らされて此方を見渡しているのに気づく。

それはまた信じられない程巨大な狼の群れであった。薄暗い中でもその獲物を抉るように見る目が爛々と輝く。一体がまるでヒグマのような大きさである。

「ハァハァハァ」

その内の一匹が口に何かを加えている。それが先ほどまですぐそこにあった己の手であると知った時、狐虎はその狼に向って立ち上がり自分でも信じられないような咆哮を放った。

「おおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

「おおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

「おおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

何度も何度もその狼の群れに向って狐虎は吠え続けた。


(獣に襲われたらけして背中を見せちゃならねぇ!!)

(とにかく自分を大きく見せ、大声で叫べ!!)

(相手が怯んだら叫びながらゆっくり後ろへ下がるんだ、いいな狐虎)


祖父の言っていた言葉の通り狐虎はすぐにそれを実行した。怖い、すぐに逃げたい、だがそんな気持ちを相手に悟られてはならない。とにかく威勢を張り続け威嚇する。それが獣と対峙した時の最も有効的な対処法なのだ。

だが、そんな狐虎の威勢を嘲笑うかのように狼たちは微動出せずに狐虎を見つめている。狐虎も怯む事無く、何度も大声を出し威嚇し続ける。

だが、そんな努力も空しく感じてしまう程に辺りに衝撃が走った。


(なんだこのデカさは・・・・・・)


それは奥から現れた周りよりも数倍巨大化した銀狼だった。他とは違い全身の毛は美しく伸び、まるで月夜に照らされ光沢を帯びているのかさえ思わせる風格、その美しくも巨大な銀狼が現れた時、狐虎はこんなちっぽけな行為など何の意味も無い事を悟らぜざる負えなかった。


そんな狐虎の諦めを見透かすように銀狼が首を大きく振ると狼たちは一斉に狐虎に向って駆け寄ってきた。

「うおおおおおおおおおおお!!!!」


狐虎はすぐに背を向けて全速力で走った。それは最早知識でも教訓でも無い、ただの本能的行動だった。「死にたくない」ただその一心でとにかく心臓が爆発するまで走り続けた。

そんな必死な様をよそに狼たちはすぐに狐虎に追いつき、その周囲を並行するように駆け寄る。時折、威嚇するように吠え続けまるで狐虎を集団で狐虎を追いかけてきた。

「はぁはぁ、はぁはぁ・・・」

まるで全力で走り続ける狐虎を弄ぶように狼たちは狐虎の周りを何度も周回しながら追い回している。おそらく、この足が止まれば確実に殺されるだろうと狐虎は息苦しい呼吸を無視してさらに走り続ける。

時間が無限とも思える程に走った狐虎は、もうついに足を運ばせる事ができなくその場に蹲り、死を覚悟した。結局何も分からないまま突然と終わりはくるものなんだと考えると返って笑えて来るほどに・・・。

だが、そんな狐虎の嘲笑に迫りくるあの集団の影の気配は一切消えていた。

(に、逃げ切れたのか?)

そんな自分の言葉に安堵したのもつかの間、必死になって忘れていた左腕から強烈な痛みが走った。狐虎は今度こそ血が完全に流れないようにきつく布を腕に巻き付けた。

時間にして数分程度だろうか、狐虎がようやく前に向けて歩き続けしばらくすると、月夜に照らされた銀色に輝く草原が目に飛び込んできた。だた、もうそれが限界で狐虎はすぐにその場に崩れ込むように倒れた。

(もう、何に襲われようが、死のうが・・・もう、どうでもいい)


それは、諦めの絶望と疲労から来た睡魔であった・・・。


―侵入者


広大な冥府の森一体を支配下に置く竜公国。そこには凶悪なモンスターや亜人達が竜王の庇護の元、共栄共存をしている。現在の時点では他国との交流は無く、その性質が故に人間がそこへ入り込む事などまかり通らないとされている。


―xxx様、たった今森の南東部で侵入者を発見しました。銀狼王の伝達によれば標的は人間の男だそうです―

そんな高くそびえたつ巨木の上で蠢く一つの影が何処かへと思念を飛ばしている。


―ん?さすがに散歩って訳でもなさそうだな。エイ、詳しく話せそうか?―

―いえ、標的は先ほど銀狼達が領域外へ追い出したそうですが、おそらく――

――xxx様と同じ、異世界の住人だと思われます―

―・・・なるほど、確かにその可能性が高いかもな。銀狼達は無事か?―

―問題ありません、ですが排除しなくても良かったのでしょうか?―

―・・・俺は出来るだけ人間達とも共栄共存を望んでいる、それに今は出来る限り関りを持たない方が良い(忙しいから)その人間が無事で、それでいて領域外に出たなら普通に放置で良いかなー。

―了解致しました。命に別状は無さそうなのでこれで監視を終了します―

―・・・ん?おいおい、命に別状って・・・まぁいいや。それより例の件だが実は・・・―


・・・話が続く前に影と呼ばれた亜人の女性は既に消えていた。



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