死神の館の主様

XX GURIMU

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ブラックパペット

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「ブラックパペット、発動」
「あっ……なっ!?」
 右手から黒い靄のようなものがあふれ出る。
 その靄はみるみる体積を増やしていき、アリスの全身を覆っていく。
「や、やめ、な……さい! これ、は……」
 アリスの声が聞こえるが、それもほとんど靄によって吸い込まれていく。
 完全にアリスを飲み込んでしまうと、ゆっくりと煙に消えるように黒い靄は無くなっていく。
 そこに、アリスの姿はもうない。
 僕はアリスが座っていた椅子を蹴とばして、粉々にする。

 ガッシャン!!

 その際に壁に穴が空いてしまった。
「しまった……こんなに強く蹴るつもりはなかったんだけどな」
 どうすればいいか。
 いや、自分で考えても方法はわからない。
 こういう時は、適任者に聞けばいい。
「アリス。この館を直せるか?」
 僕の足元の影からぬるりとアリスが現れる。
 閉じていた眼を開き、周囲を確認するとアリス答える。
「はい。主様が望むなら直して見せましょう」
「そうか。なら、任せたよ」
「はい」
 アリスは壁を直すために行動し始めた。
 せっせことせわしなく走り回り、このボロボロの館を直そうとしている。
 その間に、僕はこれから何をするべきかを考えることにした。
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