死神の館の主様

お風呂④

「………………そっか」
　落ち着いて……落ち着いて、僕は自分の分身を確認する。
　ある。そこには間違いなくある。
　僕が生まれてから、いや、死んでからもずっと一緒の分身。
　途中、千坂の体に入っている時やぬいぐるみの時にはなかったけど、僕の体には必ずコレはついている。
「大丈夫、大丈夫。ついてるついてるついてる」
「……なにやってんの？」
「千坂！」
　そうだ。千坂がいる。
　アリスと優奈は見えないと言っているけど、千坂が見えているなら２対２になる。
「千坂、僕のコレ、見えて……」
「変態っ！！」
「へぶっ！？」
　瞬間、湯船のお湯が壁となって僕に襲い掛かってきた。
　壁に叩きつけられてから、お湯の熱さを感じることができた。
「へんなものをあたしにみせつけんなっ！」
「ご、ごめっ……」
「ふんっ！！」
　足早に千坂は出て行った。
　まあ、普通はそうだよな。
　男が自分の股間を見せつけようとするなら変態と罵られても仕方ない。
「えっと、ご主人様。大丈夫？」
「千坂さんは後で罰が必要ですね」
「やめて、これは僕が悪い」
「でも……どうして主様は怒られるのですか？」
「そうだよ～」
　これだ。２人の方がおかしい。
　性の知識がないとかそういうレベルの話ではない。
　認識することができていない……？
　僕の力は一体どういったものなんだ？？