死神の館の主様

お肉

　そう時間をかけずして、料理が運ばれてきた。
「おおっ！」
　皿からはみ出るほどの期待通り……いや、期待以上のお肉が運ばれてきた。
　じゅうじゅうと香ばしい匂いを店内に満たしながら、僕たちの前に置かれた。それほど強い照明でもないのに、その身は溢れ出る肉汁で光り輝いている。
　グゥ～とお腹がなく音がした気がした。
「……………………」
「いや、食べていいわよ？」
「いただきます！！」
　置かれたフォークを持つとすぐに肉の中央に突き刺した。
　重い、お肉が重い。
　少しでも気を抜けば落ちてしまいそうなバランスの中で思いっきりかぶりついた。
「……！　……！　……！！」
「ワ、ワイルドね」
　口の中が火傷しそうなほど熱いけど美味い！
　噛み締めるごとに迫力のある弾力が心地よい食感を生み出し、こぼれ落ちそうなほどに肉汁が口の中に溢れ出す。
　ごくっと喉を通しても残る肉の余韻が生きてるってことを実感させてくれる。
　最後にガラスが濡れるほどに冷え切った水を飲み干して叫んだ。
「最っ高だ！」
「見ればわかるわよ……」
　疲れた様子で隣では優雅にナイフとフォークを使い、切り分けながらユリスは食事を進める。
　その後、追加で運ばれてきたスープも絶品であり、この店は当たりだなと大満足で食事を終えた。