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涙
しおりを挟むああ、なるほど。そう言うことか。
発生源を複数、生み出すことで力の強弱があるかのようにみせただけ。
とんだ期待外れだ。
もしかしたら、力の強弱がつけることができるのなら殺人者に対して、有効な手段があったものの……。
今はそれを考えている場合ではないか。
「さて、どういう命令をしようかしら」
周囲の人と同じように、黙っていたためユリスが楽しそうに独り言を言っている。
ちょっとしたイタズラをしたくなってきた。こ
このまま、黙っているとどんな風に命令するのか気になる。
「そうだ。両手を広げなさい」
「…………」
拒否する理由もないので、言われた通りに行動する。
万が一、攻撃されても問題ないと思った。
そして、それは突然だった。
「動いちゃダメだから」
そう言いながらユリスは頭を僕の……じいやの体に預けた。
「どうして……どうして……わたしを一人にするのよ……」
泣いている。わざわざ確認するまでもない。
彼女は誰にも見られずに、気にされずにじいやの胸の中で泣いている。
少しだけ愛おしくなって、抱きしめた方がいいかと思ったけどそれは野暮なことだと思い、声を上げず、ただユリスは胸の中で泣き続けた。
僕が、言いなりになっていないという事実を知らずに。
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