死神の館の主様

XX GURIMU

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 ああ、なるほど。そう言うことか。
 発生源を複数、生み出すことで力の強弱があるかのようにみせただけ。
 とんだ期待外れだ。
 もしかしたら、力の強弱がつけることができるのなら殺人者に対して、有効な手段があったものの……。
 今はそれを考えている場合ではないか。
「さて、どういう命令をしようかしら」
 周囲の人と同じように、黙っていたためユリスが楽しそうに独り言を言っている。
 ちょっとしたイタズラをしたくなってきた。こ 
 このまま、黙っているとどんな風に命令するのか気になる。
「そうだ。両手を広げなさい」
「…………」
 拒否する理由もないので、言われた通りに行動する。
 万が一、攻撃されても問題ないと思った。
 そして、それは突然だった。
「動いちゃダメだから」
 そう言いながらユリスは頭を僕の……じいやの体に預けた。

「どうして……どうして……わたしを一人にするのよ……」
 
 泣いている。わざわざ確認するまでもない。
 彼女は誰にも見られずに、気にされずにじいやの胸の中で泣いている。
 少しだけ愛おしくなって、抱きしめた方がいいかと思ったけどそれは野暮なことだと思い、声を上げず、ただユリスは胸の中で泣き続けた。
 僕が、言いなりになっていないという事実を知らずに。
 
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