死神の館の主様

ＶＳ千坂 ③

「ウォーター……ワールド！！」
　千坂が叫び、その足元がどんどん青色の変色していく。
　いや、あれは青というよりも水だ。
　地面が水になっていき、そこが見えない。
（触れるのはまずいか）
　ブラックホールを作り出し、空中に浮く。
　無造作に距離を詰めてこないところからに見るに、まだ先ほどのダメージが千坂に残っているようだ。
（ここで、こっちから距離を詰めるというのもありだ……けど、それだと面白くない）
　距離を詰める詰めないにしてもこちらの有利性は変わらない。
「あ、ああ……はぁはぁ……」
「千坂。これ以上は無意味じゃないか？」
「む、いみ……なんかじゃない！！」
　感情をむき出しにするが、同情の余地はない。
「あ、ああ……ああああぁぁぁぁぁぁ！！」
　水が慌ただしく波を打ち始める。
　そろそろ限界か。
　壊れてしまっては人形にする意味がなくなるし、決着をつけるとしよう。
「それじゃあ、終わりだ」
　重力を真上に強力にする。
　僕の体は簡単に持ち上がり、上空から千坂に向かって身体を放り投げた。
「あっ、アグッ…………！」
　千坂ごと水の中へもぐりこみ、頭を掴んだ。
　衝撃で千坂の意識はなくなっている。
（ブラックパペット……発動！！）
　僕は全力で黒の力を発動させた。