シノビトサキュバス

XX GURIMU

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超越する快楽。屈服する精神

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 正気に戻ったヨウコ先生を前に、リリム様は足をどけずにそのまましゃべり続けます。
「シノブ。突然だけどね、調教ってどこまでが調教だと思う?」
「えっ、それは……」
 調教について問われて言いよどんでしまう。そもそも、その言葉は人に向けられる言葉ではない。
 犬や猫などの動物に対して使われる言葉であり、動物に言い聞かせる。それが調教だと思う。
 それが、リリム様が私たち家畜に対して言うのならその意味は恐らく……。
「支配でしょうか……」
「的を得ているわね。100点よ」
「あ、あなたは転校生のハルカナさん!? やだっ、わたし!!」
「うるさいわっ」
「あんっ!」
 お腹を強く押さえつけらたヨウコ先生は艶のある声で鳴いた。
「でもね、私が望んだ調教はそうじゃないわ」
「あ、あなた……いい加減に! ひゃぁっ! イ、イクッ!?」
 見せつけるようにグリグリと踏みつけるとヨウコ先生は絶頂を迎えた。
 ビクビクと身体を添わせては更にリリム様の足がお腹に食い込む。
「性欲に溺れたら? 種付けを懇願したら? どれも正解。でもね……私はその先が欲しいの」
「その先ですか……」
「ええ、今からそれを見せてあげるわ」
 リリム様はゆっくりと転がっているヨウコ先生のオマンコに尻尾を当てた。
「さて、焦らしてごめんなさいね? そろそろ……楽にしてあげる」
「な、何の話を……」
「えいっ」
「ひゃうううぅぅぅ!?」
 楽し気に尻尾がぬるぬるとヨウコ先生の膣に入っていく。
 さっきまでとは比べ物にならないほど体は痙攣し、のけぞっている。
「まるで暴れ馬ね」
「ぬ、抜いてくだひゃい! こんなの何が……」
 私の時と同じように呂律が回らずに非難している。
 それもそうだと思う。いきなり目が覚めたら挿入されて、家畜になるんだから。状況を飲め込めないのは仕方がないことだ。
 だけど、それでも≪ヒュプノス≫にかかっていた間に出来上がっている身体は素直な反応を示している。
「身体は正直とはよく言ったものね。私の尻尾が何の抵抗もなく入るんだもの。オマンコ、びちょびちょに濡れているわよ」
「あ、う、違い……ます! なんですか! バイブでも入っているのですか!?」
 その時、リリム様が少しだけピクリッと頬を釣り上げた。
「へぇ~。私の尻尾の感触をバイブに例えるとはね……」
「そ、それ以外に何があるんです!? この場に男の人なんていないのに……」
「ふ、ふふふ……」
 どうやら挿入されているものをバイブ呼ばわりされたことが気に障ったみたいだ。
「これがバイブ程度の快楽に思えるのか……思い知らせてあげるわ」
「な、なにを、ひゃおおおぉぉぉ!?」
「どう? まずは子宮口をトントンとノックするのは?」
「や、やめひぇ。それは、変に! なります!!」
 外から見る限りはそれほど尻尾が動いてはいない。しかし、ヨウコ先生の表情から見るととんでもなく気持ちよさそうに見える。入り口のヒダはピクピクと震えて、喜んでいるように見える。
「どうなの。気持ちいいかしら?」
「あひゃぁ! こ、こんなの……答えられるわけが!!」
「そうなの。じゃぁ、今度はゆっくりと焦らしてあげる」
「へっ」
 有言実行。リリム様の尻尾はさっきまでと違い、ゆっくりと膣を味見するようにジュボジュボと音を出しながら前後させ始めた。
(あれは……やばい)
 一度経験したことだからこそわかることがある。あの尻尾から与えられる快楽はいわば、砂漠のオアシス。カラカラののどを潤してくれる満足感を得ることができる。それがもし、目の前でお預けをくらうようになればどうなる? 目の前にオアシスがあるにも関わらず、飲める量を制限される。
「あ、あっ、あひゃぁ! う、うそでひゅ……ま、もっと……」
「もっと……何かしら?」
 渇きは満たされることはなく、もっと欲しくなる。それは麻薬中毒者よりも激しい飢餓感に襲われてしまうだろう。
「あ、いえ……あ、ああ……ああぁぁ!!」
「もういらないのかしら?」
「ち、ちがっ!」
 捨てられた子犬のように物乞いの目でヨウコ先生はリリム様を見上げる。
「さぁて、モノが欲しい時はどう言えばいいのか……先生、教えてくれるかしら?」
「お、あ、あぁ……」
 リリム様は最初に出会った時のように空中に浮かび上がり足を組んで、ヨウコ先生の答えをにやにやしながら待った。
 ヨウコ先生は何度も繰り返された絶頂の代償で、体をプルプルさせながら起き上がり、その場で正座をし頭を下げた。
 それは屈服を意味する行為。今だけでもその快楽に抗うことができたら、ヨウコ先生の未来は変わっていたかもしれない。だけど、悔やむことは一つもない。例え、その人間としての尊厳は失われたとしてもまだ残っているものはある。
 家畜としてリリム様に種付けしていただくという才能が……まだ残っている。
「わ、私に……その尻尾をください」
「尻尾を? どうしようかな?」
「その尻尾で私の身体をむちゃくちゃに犯しつくしてください! 何をしてもいいです! 焦らす以外だったら何のプレイでも耐えきって見せます!! だから!!」
 その言葉を聞いたリリム様の顔はそれはもう――満足そうな顔をしていました。

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