異世界ライフは山あり谷あり

常盤今

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 昼食後に2人の買い物に付き合い、帰りに壁外ギルドに寄りミリスさんに今後指名依頼を受け付けないようお願いして帰宅した。
 この日納得できなかったのは、休みの間ロザリナ教官による特訓が継続されることになった点である。
 一生懸命自分には剣の才能はないことと今日の対戦で剣を捨て素手で戦ったことを説明したのだが、

「なら一層の修練が必要ですね♪」

 と良い笑顔で押し切られてしまった。

 ソロで活動する以上強者と会敵したらどうしても近接格闘戦をしなければならなくなる。
 俺が使える高威力の魔法が近距離射程だからだ。
 長射程な土甲弾でもそこらの魔術士には出せない威力なんだが、それで倒せない敵がいる以上は仕方ない。
 ロザリナの提案は正論なので反論できなかったのだが……、休みとは?(涙



 翌日に素手でも戦うのであればと防具屋で籠手を買わされ、この機会にということで鎧を新調させられた。
 俺がこれまで着ていた防具はこの世界に来て2日目に買った安価な革の軽鎧で大変動き易く、オークアーチャーの矢で貫かれたり(矢によって空けられた鎧の穴は修繕している)、指導時の模擬戦や昇格試験、ホブゴブリン・オークキング・三本角の黒オーガとの激戦による傷跡を残した大変思い入れのある鎧だ。
 これまでこの激闘の跡を残した鎧を着続けることで歴戦の戦士感を周囲に漂わせることに内心ニンマリとしていたのだが、ロザリナは自分だけが高価な防具を身に着けていることに負い目を感じていたらしく必死に装備の更新を懇願された。
 新しい鎧は革製の軽鎧で動き易いまでは前のと同じだが品質が数段ランクアップしており、剣士や斥候職が好んで装備するという。
 鎧と籠手で5万ルク以上の値段がしたが、ついでに魔術士がよく着ているローブも購入した。
 ギルドの緊急招集や別パーティーに魔術士として参加する際に着る為である。


 所持金  155万3,870ルク →142万1,170ルク
 帝国通貨 893万6,500クルツ



 その後は一昨日と同じく壁外区の北に訓練場を作り、3人で走り込みをしてからロザリナがどこからか連れて来た男性冒険者に俺がボコボコにされるのを2人して優雅にお茶を飲みながら観戦するという流れだ。
 理不尽な想いを感じながらも終了した際に男性冒険者に前回のトルシュと同様にお礼の金銭を渡そうとしたところ、

「既にロザリナさんから頂いておりますので」

 と断られてしまった。
 どうやら午前中に壁外ギルドに指導に赴いた際に自分で支払って頼んだようだ。
 そんなことに自腹を切らなくとも……と思うのだが、本人的には楽しそうに取り組んでいるので言う事が出来なかった。
 ルルカに関しては運動不足解消以外の目的はないようで、強いて言うなら訓練場にいないと単独行動になってしまい護衛できないからだろうか。



 こうしてイチャイチャ→訓練のサイクルで3日間が過ぎてルルカの実家への出発の日が来た。

「ではロザリナ、留守の間のことは頼むな」

「お任せ下さい。お気を付けて」

 ロザリナを抱き締めキスをする。もちろん大人のほうのだ。
 それから安全の為にルルカとロープで繋がり出発しようとしたところで思い留まった。

「どうかされましたか?」

「2人は別れを惜しまなくてもいいのか?
 ロザリナがウチに来てからこんなに離れ離れになるのは初めてだろう?」

 以前ルルカと王都に行った際は2泊3日だったが今回は何せ(移動に要する日数も含めると)2週間にも及ぶ期間離れることになるのである。
 2人一緒にいる時間が長かったせいか最近では本当の姉妹のように仲良さげに見えるし、実際に竿姉妹でもあるしな!

「そうですね。
 ロザリナ、私がいない間はツトムさんのことをお願いね」

「はい、ルルカさんもお元気で」

 2人抱き合って別れの挨拶を交わしている。
 行為の際には2人が抱き合うのを幾度となく見てはいるが、こうして表で服を着て美女2人が抱き合う姿を見るというのも良いものだ。
 これでしばらくは3人でするのはお預けなのだ。何なら軍と行動を共にする10日間は禁欲生活を強要される。
 もう1度ベッドに戻ってイチャイチャしたくなってきてしまった。

 その誘惑に何とか耐え、

「それじゃあ行くか!」

「はい!」「いってらっしゃいませ」

 ロザリナが手を振る中、ルルカと2人大空高く飛び立った。



 今回の旅程をまとめると、
1日目…最初の目的地は東の海近くある漁村なので、コートダールの商都を通過して漁村を目指す途中で野営というか宿泊。
2日目…漁村で魚を買い付ける。
3日目…商都を観光。
4日目…ルルカを商都の南にあるワナークの実家に送り帰宅する。

 ざっとこんな感じだ。
 何らかの不測の事態が生じて旅程が延びたとしても6日目の明け方までにはバルーカに帰らないといけない。その場合はそのまま徹夜で軍行動なので最悪の事態である。若返った身体でもかなりキツいだろう。


 ルルカを抱えながらなので全速飛行の7割ぐらいのスビードで飛び、定期的に降りて休憩を取らなければならない。
 ルルカの体力回復の為であるが、ルルカを抱える俺の腕も回復させないといけない。ロープで繋いでいるとはいえこれはあくまでも万が一の為の備えである。

 実は飛行中にイチャイチャできないかと検討した結果、それは無理!という結論に至った。
 なぜなら飛行魔法発動中はいくらエロいことを考えても、密着しているルルカの匂いを嗅いだり柔らかい肢体を堪能しても肝心な俺のモノが何も反応しないのである。
 その後休憩時に色々と試した結果、飛行魔法に限らず全ての魔法で発動中は俺のモノは全く反応しないことがわかった。
 魔法発動中は言うなれば下半身だけ賢者タイム状態になるのだ。
 自分でも『一体俺は何の検証をしているんだ?』という自覚はあるんだ。
 でもこれで魔法とアレに因果関係があることが判明したのだ。
 くだらな過ぎるが故に誰も試さなかったことで、ひょっとしたら魔法学会(そんなものが存在しているのかは知らないけど)に一石を投じる大発見なのかもしれないのだ!!

 しかしながら世紀の発見に伴う代償は大きく、休憩用に作った小屋の外で多種多様の魔法を撃ちまくる俺に何事かと問い質した際のルルカの顔を俺は生涯忘れないだろう。
 あの心底愚か者を見るような蔑んだ目を……
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