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この風槌の弾幕は以前ランテスとの模擬戦で使ったものよりかなりグレードダウンさせている。
攻撃範囲を前方の一部のみに限定し、射出回数を大幅に減らし、あらゆる角度からの射出を一方向のみに制限した。
おかげで無駄だった膨大なMP消費量をかなり抑えることに成功した。
付け焼き刃だったが武闘大会に出ることが決まってから練習してきた成果だ。
舞台を見渡すと中央にいる審判を挟んだ向こう側でも3人同時で戦っている。
近付くとまた戦いに巻き込まれそうだけど……
この場でただぼぉーと立っているのもバツが悪い。なにせ衆人環視の中なのだ。
ゆっくりと歩いて行く。
審判の傍に行く頃には1人倒れ、近付く前にもう1人も倒れた。
残ったのは大柄な獣人の大剣使いだ。何系の獣人なのかはちょっとわからない。
肩で息をしていて身体にもダメージが残っているのか辛そうだ。
棄権してくれると楽なんだけど……
もちろんそのようなことはなく、対峙して剣を構えようとした時だった。
大剣使いが目の前からフッと消えた!
とっさに魔盾を正面以外の三方向に置く。
ガキンッ!!
「くっ……そ…………」
後ろに置いた魔盾が大剣による攻撃を防いだ。
剣の腕はそれほどでもなさそうだったけど、今の獣化移動(=獣人の特殊スキル)はランテス並みのスピードだった。ほとんど見えなかったし……
もし初見だったらやられていたかもしれないな。
獣化移動による背後からの攻撃を防御されて気落ちしたのか、大剣使いはその場に膝を着いてしまった。
そっと首筋に剣を添える。
「それまで!」
大剣使いに回復魔法を掛けてあげると不思議そうな表情をして舞台を降りて行った。
パチ……パチ…………パチ……
パラパラと拍手が起こっているものの歓声はあまりない。
盛り上がりに欠ける終わり方に不満気な雰囲気が伝わってくる。
もっと派手な魔法を使ったほうが良かっただろうか?
微妙な空気の中、審判に連れられ入場時と反対側の建物に入る。
「本予選進出おめでとうございます。こちらをどうぞ」
獅子のような絵柄が彫られたカードを渡された。
カードの中央に『5ー7』と書かれている。
俺が絵柄を興味深く見ていたのに気付いたのか、
「そちらはこの国を建国された初代獅子王をモチーフとしています。
国旗をはじめ王都の各所に銅像が建てられていますよ」
と教えてくれた。
そういや王城でも見たような記憶がある。
「本予選の組み合わせは明朝発表されます。
あなたは13組から16組のいずれかに属しますので本予選2日目の出場になります。
明後日の朝に受付でそのカードを提示してください」
ひょっとしてこの『5ー7』って登録5日目の7番目に予選突破したという意味だろうか?
表に出てルルカ達と合流したいのだが……
しまった。合流する方法が全然わからん……
待ち合わせ場所を決めておけばよかった。
とりあえず観客席を探すが……スタンドの上段に昇ると他に2ヵ所試合会場があることを知った。
無理だ……これ。
早々に探すのを諦めて一旦宿に帰る。
夕方には帰る旨の書置きをして再び予選会場へ。
運が良ければロザリナの試合を見れるかもしれない。
…
……
…………
結局ロザリナは出てこなかった。
3分の1の確率を外したらしい。
あるいは最終戦前に敗退したなんてことは…………ないとも言えないか。
獣人が相手だったら獣化移動による攻撃はロザリナだと対応できないかも。
「「「おかえりなさいませ」」っ」
「お、おぅ……」
宿の部屋のドアを開けたら3人揃って出迎えられた。
お辞儀した際の3人の谷間がまた格別な……
「予備予選突破したからな」
「はい。拝見していました」
「なんだ、見ていたのか」
あの試合会場にいたのかよ。
もっと真剣に捜せばよかったな。
「ロザリナはどうだった?」
「なんとか勝てました」
俺が貰ったのと同じカードを見せてきた。
書かれている数字は『5ー24』だ。
「よくやったな!」
「ありがとうございます」
ロザリナを抱き締める、というか胸に顔を埋める。
「獣人の獣化移動にはどう対応したんだ?」
「獣化移動は下半身に一瞬、独特の溜めを作ってから発動しますので、相手の力量が下ならまず防げます」
そんな特徴あったか?
全然気付かなかったが……
「同格の相手なら?」
「防げるかどうかは半々といったところでしょうか。
手練れは溜めを作る過程を動きの中に隠蔽してしまいますので、ほとんど予測して防ぐ以外に手立てはありません」
魔盾を使えば防げる俺は本来かなりのアドバンテージなんだよな。これで剣の腕が初心者レベルじゃなければ。
「ロザリナは2人と合流できたのか?」
「いえ。試合後にしばらく会場を探したのですが凄い人混みで……
一旦着替えて出直そうと宿に戻ったらツトム様の書置きを見つけました」
「そうか。
何か連絡できる手段があるといいのだけどな」
携帯電話が普及する前の現代社会もこんな感じだったのだろうか?
次にベッドに腰掛けているルルカとディアの間に割り込み、
「俺の試合はどうだった?」
「えっと……、そのぉ……」
ルルカが何だか言い辛そうにしている。
「私は辛うじてツトムが魔法を使ったのがわかったが、ルルカさんのような非戦闘員だと何が起こったかわからないだろう」
あの時の試合会場の微妙な空気は地味な終わり方だったとか以前に、何が起きたかわからなかったのが原因なのか!
「ルルカにはどう見えてたんだ?」
「ツトムさんと睨み合っていた2人が急に場外に落ちて、その後ツトムさんが反対側へ歩いて行くと試合が終わっていました……」
ナンテコッタイ!?
そりゃあ会場が微妙な空気に包まれるのも無理はない。
ルルカとディアもさぞ応援のし甲斐がなかったことだろう。
「本予選からは何とか見てて楽しめるような戦い方を目指すから」
思えば冒険者ギルドの昇格試験は実況と解説付きだったし観客も大半は冒険者だ。
どんなに地味に戦ってもその強さを勝手に評価して盛り上がってくれるが、この大会のお客さんはほとんど素人だ。
いや、見ず知らずのお客さんなんてこの際どうでもいい。
問題はルルカだ。
はるばるアルタナ王国まで来たのに地味な試合を見せられるんだ。
内心、『昼の試合と同様に夜の試合でもつまらない男ね』とか思われてしまう!!
なんとかしないと……
「ツトム様、どんな戦い方であれ勝つことが大事ですよ?」
男はいくつになっても女の子の前でかっこつけたい生き物なんだよ!
まぁ女の子というには年齢がかなり上なんだが……
「(ジトーーーーーー)」
ジト目のルルカさんに背中を抓られながら本予選での戦い方を考えてみることにした。
攻撃範囲を前方の一部のみに限定し、射出回数を大幅に減らし、あらゆる角度からの射出を一方向のみに制限した。
おかげで無駄だった膨大なMP消費量をかなり抑えることに成功した。
付け焼き刃だったが武闘大会に出ることが決まってから練習してきた成果だ。
舞台を見渡すと中央にいる審判を挟んだ向こう側でも3人同時で戦っている。
近付くとまた戦いに巻き込まれそうだけど……
この場でただぼぉーと立っているのもバツが悪い。なにせ衆人環視の中なのだ。
ゆっくりと歩いて行く。
審判の傍に行く頃には1人倒れ、近付く前にもう1人も倒れた。
残ったのは大柄な獣人の大剣使いだ。何系の獣人なのかはちょっとわからない。
肩で息をしていて身体にもダメージが残っているのか辛そうだ。
棄権してくれると楽なんだけど……
もちろんそのようなことはなく、対峙して剣を構えようとした時だった。
大剣使いが目の前からフッと消えた!
とっさに魔盾を正面以外の三方向に置く。
ガキンッ!!
「くっ……そ…………」
後ろに置いた魔盾が大剣による攻撃を防いだ。
剣の腕はそれほどでもなさそうだったけど、今の獣化移動(=獣人の特殊スキル)はランテス並みのスピードだった。ほとんど見えなかったし……
もし初見だったらやられていたかもしれないな。
獣化移動による背後からの攻撃を防御されて気落ちしたのか、大剣使いはその場に膝を着いてしまった。
そっと首筋に剣を添える。
「それまで!」
大剣使いに回復魔法を掛けてあげると不思議そうな表情をして舞台を降りて行った。
パチ……パチ…………パチ……
パラパラと拍手が起こっているものの歓声はあまりない。
盛り上がりに欠ける終わり方に不満気な雰囲気が伝わってくる。
もっと派手な魔法を使ったほうが良かっただろうか?
微妙な空気の中、審判に連れられ入場時と反対側の建物に入る。
「本予選進出おめでとうございます。こちらをどうぞ」
獅子のような絵柄が彫られたカードを渡された。
カードの中央に『5ー7』と書かれている。
俺が絵柄を興味深く見ていたのに気付いたのか、
「そちらはこの国を建国された初代獅子王をモチーフとしています。
国旗をはじめ王都の各所に銅像が建てられていますよ」
と教えてくれた。
そういや王城でも見たような記憶がある。
「本予選の組み合わせは明朝発表されます。
あなたは13組から16組のいずれかに属しますので本予選2日目の出場になります。
明後日の朝に受付でそのカードを提示してください」
ひょっとしてこの『5ー7』って登録5日目の7番目に予選突破したという意味だろうか?
表に出てルルカ達と合流したいのだが……
しまった。合流する方法が全然わからん……
待ち合わせ場所を決めておけばよかった。
とりあえず観客席を探すが……スタンドの上段に昇ると他に2ヵ所試合会場があることを知った。
無理だ……これ。
早々に探すのを諦めて一旦宿に帰る。
夕方には帰る旨の書置きをして再び予選会場へ。
運が良ければロザリナの試合を見れるかもしれない。
…
……
…………
結局ロザリナは出てこなかった。
3分の1の確率を外したらしい。
あるいは最終戦前に敗退したなんてことは…………ないとも言えないか。
獣人が相手だったら獣化移動による攻撃はロザリナだと対応できないかも。
「「「おかえりなさいませ」」っ」
「お、おぅ……」
宿の部屋のドアを開けたら3人揃って出迎えられた。
お辞儀した際の3人の谷間がまた格別な……
「予備予選突破したからな」
「はい。拝見していました」
「なんだ、見ていたのか」
あの試合会場にいたのかよ。
もっと真剣に捜せばよかったな。
「ロザリナはどうだった?」
「なんとか勝てました」
俺が貰ったのと同じカードを見せてきた。
書かれている数字は『5ー24』だ。
「よくやったな!」
「ありがとうございます」
ロザリナを抱き締める、というか胸に顔を埋める。
「獣人の獣化移動にはどう対応したんだ?」
「獣化移動は下半身に一瞬、独特の溜めを作ってから発動しますので、相手の力量が下ならまず防げます」
そんな特徴あったか?
全然気付かなかったが……
「同格の相手なら?」
「防げるかどうかは半々といったところでしょうか。
手練れは溜めを作る過程を動きの中に隠蔽してしまいますので、ほとんど予測して防ぐ以外に手立てはありません」
魔盾を使えば防げる俺は本来かなりのアドバンテージなんだよな。これで剣の腕が初心者レベルじゃなければ。
「ロザリナは2人と合流できたのか?」
「いえ。試合後にしばらく会場を探したのですが凄い人混みで……
一旦着替えて出直そうと宿に戻ったらツトム様の書置きを見つけました」
「そうか。
何か連絡できる手段があるといいのだけどな」
携帯電話が普及する前の現代社会もこんな感じだったのだろうか?
次にベッドに腰掛けているルルカとディアの間に割り込み、
「俺の試合はどうだった?」
「えっと……、そのぉ……」
ルルカが何だか言い辛そうにしている。
「私は辛うじてツトムが魔法を使ったのがわかったが、ルルカさんのような非戦闘員だと何が起こったかわからないだろう」
あの時の試合会場の微妙な空気は地味な終わり方だったとか以前に、何が起きたかわからなかったのが原因なのか!
「ルルカにはどう見えてたんだ?」
「ツトムさんと睨み合っていた2人が急に場外に落ちて、その後ツトムさんが反対側へ歩いて行くと試合が終わっていました……」
ナンテコッタイ!?
そりゃあ会場が微妙な空気に包まれるのも無理はない。
ルルカとディアもさぞ応援のし甲斐がなかったことだろう。
「本予選からは何とか見てて楽しめるような戦い方を目指すから」
思えば冒険者ギルドの昇格試験は実況と解説付きだったし観客も大半は冒険者だ。
どんなに地味に戦ってもその強さを勝手に評価して盛り上がってくれるが、この大会のお客さんはほとんど素人だ。
いや、見ず知らずのお客さんなんてこの際どうでもいい。
問題はルルカだ。
はるばるアルタナ王国まで来たのに地味な試合を見せられるんだ。
内心、『昼の試合と同様に夜の試合でもつまらない男ね』とか思われてしまう!!
なんとかしないと……
「ツトム様、どんな戦い方であれ勝つことが大事ですよ?」
男はいくつになっても女の子の前でかっこつけたい生き物なんだよ!
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