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第二十章
113話 金狐と銀狐
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紅来門より南方およそ千メートルの湖上で、はげしい水しぶきが立つ。
阿吽龍を足場に、翠玉、朱月丸、庚月丸、そして水緒が膨大な数の野干や見知らぬ鎌鼬との攻防戦を繰り広げているのだ。
水緒は阿龍の背上から指をさした。
「敵へを囲め、吽龍!」
たちまち湖から立ちのぼる幾本もの水柱が、周囲の野干を包む。以前紅玉を死の目前まで追いやった業だ。水緒自身の宝珠をつかって言霊を唱えるのは初めてだが、宝珠の大きさも流れる気も、大龍から借り受けていた宝珠のときよりずっと心地よい。
なるほど、水緒から生まれただけのことはある。阿吽龍の動きも以前より軽やかに感じる。
「いける。いけるぞ……なんかあたしスゴイいい感じだぞ!」
「そういうの、現代ではフラグっていうそうですぜ。やめてくだせえ──ほらッ」
と、翠玉は水緒の背後に迫っていた鎌鼬を斬り落とした。
「あ、ありがと」
「しかしこうも数が多くちゃ、終わるもんも終わらねえや」
「ちと見栄を張りすぎたかのー」
朱月丸は苦笑して鉾を振り下ろした。
が、野干や鎌鼬はその鉾を交わして朱月丸の背中に爪や刃をつきたてる。わずかに背肉をえぐられたが、間一髪のところを庚月丸が鉾をぶん回して追い払う。
「イッデェ。あぶねかったァ、助かったぞ庚月丸」
「翠玉どのに薬を塗ってもらえ! しかしこの……斬っても斬っても斬っても斬っても──一向に減らん。なんでじゃ!」
「覚悟ッ」
阿吽龍が気を吐き出して周囲の野干を燃やす。たちまち彼らは炎に包まれ、燃えかすが湖へと落ちてゆく。
一瞬、景色がゆらめいた。
(!)
吽龍はいまいちど周囲を見る。狐。狐。狐──だが、その輪郭はハッキリしない。まるで陽炎のような。
アッ、と朱月丸、翠玉を見上げた。
「よく見てください。見た目の数は多けれど、なかにはまやかしの狐も交ざっているようです」
「なにぃ」
「狐の十八番は幻術です。とはいえ、通常の野干はこれほどの力は持つまい……このなかのどれかに、幻影を作る者がいると見ました」
吽龍が、ぎろりと水緒へ視線を向ける。
「周囲の野干はわれら阿吽龍の龍気で散らしますゆえ、水緒さまたちはまやかしを使う者を見つけてください」
「狐はすがたも化かします。見た目に惑わされますなッ」
阿龍も龍気で散らしながら叫ぶ。
「やってみる!」
と、水緒も叫びかえした。
すがたを化かす──司令塔と分からぬように紛れているということか。水緒は四方八方と埋め尽くされた野干の影をじっと見つめた。なるほど、たしかによくよく見れば、輪郭がぼやけて実態のない狐の多いこと、多いこと。
(このなかからあぶり出せばいいのね)
水緒は宝珠をかかげる。どうか、現状打破となる言霊を。念じると、宝珠はすぐに応えた。
「理の身の神真澄、珠の光を以て、曇る敵への正体示せ!」
言霊を唱える。宝珠が光る。龍族側はいっしゅんにして光りに包まれた。
みなが目をつぶるなか、水緒は眩しさも厭わずに周囲の景色を眺め見た。するとどういうことか、なんともふしぎな光景であった。
光が世界を包むや、そこここの狐をたちまちかき消してゆくではないか。
(狐の数がえらく減った──)
水緒がほう、とため息をつく。
先ほどまで見えていた幻影の野干どもはいつの間にか消え失せて、それほど多くない実在の狐がじりじりとこちらに攻めてくる。
ワッと歓声があがった。おなじく光のなかにいる庚月丸たちにも見えているらしい。
そのなか、ひときわ弱そうな面をして後方で待機する二匹の狐。宝珠の光に満ちた世界から見たそれは、ふたりの女にすがたを変えた。
水緒は指をさす。
「アイツらだよッ」
「よくぞ見つけました水緒さま!」庚月丸が飛び跳ねた。
「狙いが二匹ならなんてこたねェ」
「さんざおちょくってもろうた礼じゃ、受け取れ!」
と吼えて、翠玉と朱月丸は吽龍の背を駆け上がる。
銀色髪の女はビクッと肩を揺らし、周囲の野干をけしかける。が、吽龍が吐き出す龍気によってそれらはふたりに届かない。うつくしい顔に似合わず、となりに立つ金色髪の女はチッと大きな舌打ちをした。
「──これだから狸は野蛮で困るわ。恥をお知りッ」
手を横に払う。その合図で、女の周囲を固めていた鎌鼬や野干が一斉に飛びかかってきた。
「んなっ」
「しゃらくせェ!」
朱月丸と翠玉は間一髪で身をひるがえす。なんとか吽龍の背に足をつけ、互いににらみ合った。金色髪の女は溌剌とした顔でこちらを見下げ、銀色髪の女は鬱々とした顔でこちらを見上げる。
阿龍の背上で見守る水緒、そのとなりで傍観する庚月丸はぼそりとつぶやいた。
「こりゃあ、手こずりそうじゃ」
「どうしてよ」
「あの女狐どもは、稲荷族よりも上位です。おそらくは族長の玉藻さまもかないますまい」
「えっ──?」
水緒は不安げに眉をしかめた。
「……ひとつお教えしましょう」銀色髪の女がつぶやいた。
「長生きしたいのなら、身の程を知ることです」
「ちょっとなあに。化け狸と鎌鼬の裏切り者が相手なの? わたくしたちもずいぶんとナメられたものね」
「あァ?」
と面を頭上へあげた朱月丸の目の色が変わった。対して翠玉は、挑発には微塵も興味がないようだ。片手間に自分の薬壺の薬を指ですくい、朱月丸の背中に塗り込んでいる。
「なんつった、化け狸?」
「あら違った? ごめんなさいね──このダキニさま直下眷属の金狐と銀狐には、たかが龍族長の眷属なんて目にも入らないのよ」
「…………」
意外にも、朱月丸は怒らなかった。銀色髪の女──銀狐の挑発を聞くまでは。
「…………うしろのサルと、木偶のお嬢さんは見物人かしら。せいぜい巻き添え食わないようおのれの身を守ることですね」
直後のことである。
朱月丸がものすごい速さで鉾を振りかざし、銀狐めがけて振り下ろす。銀狐はたやすく身をひるがえしてそれを交わした。が、そのうしろから詰めていたのは鉾をすでに振り上げていた庚月丸だった。
朱月丸の鉾よりも幾分か重いその鉾。見えぬ速さで振り下ろす。
銀狐は避けられずに左肩から腕にかけての肉をざっくりと斬り落とされた。
「ぁあっ」
「銀狐ッ」
金狐がぐるると牙を剥く。
「ひとつ教えてやろうか」うしろから声がした。
吽龍の背上。
高みの見物をして余裕の笑みを浮かべた翠玉である。
「長生きしてえなら、大龍眷属と合間見えた際、注意すべきことがあるんでさァ」
「────」
金狐と銀狐はカッと目を見開く。
「大龍一家の悪口を言わねえことだよ」
ふたたび鉾を振り上げる。
庚月丸と朱月丸の顔に、もはや笑みはない。ぽつんとひとり置いてけぼりな水緒が「やめてふたりとも」と声をあげたときであった。
ごう、と風の音がした。
なにかが水緒の背後を駆け抜ける。なんだ、いまのは。なにが──。
水緒が風のゆく先をちらと見る。
「……あ」
見て、水緒のからだは固まった。
天狗の鬼女。──
白くうつくしい狐に腰かけた彼女の膝元に、ぐったりと抱えられたそれは、いまこの場でもっともあってはならぬものだった。
「だ、」
大地。
さけぶ水緒の声は、風にかき消されて、彼には届かない。
阿吽龍を足場に、翠玉、朱月丸、庚月丸、そして水緒が膨大な数の野干や見知らぬ鎌鼬との攻防戦を繰り広げているのだ。
水緒は阿龍の背上から指をさした。
「敵へを囲め、吽龍!」
たちまち湖から立ちのぼる幾本もの水柱が、周囲の野干を包む。以前紅玉を死の目前まで追いやった業だ。水緒自身の宝珠をつかって言霊を唱えるのは初めてだが、宝珠の大きさも流れる気も、大龍から借り受けていた宝珠のときよりずっと心地よい。
なるほど、水緒から生まれただけのことはある。阿吽龍の動きも以前より軽やかに感じる。
「いける。いけるぞ……なんかあたしスゴイいい感じだぞ!」
「そういうの、現代ではフラグっていうそうですぜ。やめてくだせえ──ほらッ」
と、翠玉は水緒の背後に迫っていた鎌鼬を斬り落とした。
「あ、ありがと」
「しかしこうも数が多くちゃ、終わるもんも終わらねえや」
「ちと見栄を張りすぎたかのー」
朱月丸は苦笑して鉾を振り下ろした。
が、野干や鎌鼬はその鉾を交わして朱月丸の背中に爪や刃をつきたてる。わずかに背肉をえぐられたが、間一髪のところを庚月丸が鉾をぶん回して追い払う。
「イッデェ。あぶねかったァ、助かったぞ庚月丸」
「翠玉どのに薬を塗ってもらえ! しかしこの……斬っても斬っても斬っても斬っても──一向に減らん。なんでじゃ!」
「覚悟ッ」
阿吽龍が気を吐き出して周囲の野干を燃やす。たちまち彼らは炎に包まれ、燃えかすが湖へと落ちてゆく。
一瞬、景色がゆらめいた。
(!)
吽龍はいまいちど周囲を見る。狐。狐。狐──だが、その輪郭はハッキリしない。まるで陽炎のような。
アッ、と朱月丸、翠玉を見上げた。
「よく見てください。見た目の数は多けれど、なかにはまやかしの狐も交ざっているようです」
「なにぃ」
「狐の十八番は幻術です。とはいえ、通常の野干はこれほどの力は持つまい……このなかのどれかに、幻影を作る者がいると見ました」
吽龍が、ぎろりと水緒へ視線を向ける。
「周囲の野干はわれら阿吽龍の龍気で散らしますゆえ、水緒さまたちはまやかしを使う者を見つけてください」
「狐はすがたも化かします。見た目に惑わされますなッ」
阿龍も龍気で散らしながら叫ぶ。
「やってみる!」
と、水緒も叫びかえした。
すがたを化かす──司令塔と分からぬように紛れているということか。水緒は四方八方と埋め尽くされた野干の影をじっと見つめた。なるほど、たしかによくよく見れば、輪郭がぼやけて実態のない狐の多いこと、多いこと。
(このなかからあぶり出せばいいのね)
水緒は宝珠をかかげる。どうか、現状打破となる言霊を。念じると、宝珠はすぐに応えた。
「理の身の神真澄、珠の光を以て、曇る敵への正体示せ!」
言霊を唱える。宝珠が光る。龍族側はいっしゅんにして光りに包まれた。
みなが目をつぶるなか、水緒は眩しさも厭わずに周囲の景色を眺め見た。するとどういうことか、なんともふしぎな光景であった。
光が世界を包むや、そこここの狐をたちまちかき消してゆくではないか。
(狐の数がえらく減った──)
水緒がほう、とため息をつく。
先ほどまで見えていた幻影の野干どもはいつの間にか消え失せて、それほど多くない実在の狐がじりじりとこちらに攻めてくる。
ワッと歓声があがった。おなじく光のなかにいる庚月丸たちにも見えているらしい。
そのなか、ひときわ弱そうな面をして後方で待機する二匹の狐。宝珠の光に満ちた世界から見たそれは、ふたりの女にすがたを変えた。
水緒は指をさす。
「アイツらだよッ」
「よくぞ見つけました水緒さま!」庚月丸が飛び跳ねた。
「狙いが二匹ならなんてこたねェ」
「さんざおちょくってもろうた礼じゃ、受け取れ!」
と吼えて、翠玉と朱月丸は吽龍の背を駆け上がる。
銀色髪の女はビクッと肩を揺らし、周囲の野干をけしかける。が、吽龍が吐き出す龍気によってそれらはふたりに届かない。うつくしい顔に似合わず、となりに立つ金色髪の女はチッと大きな舌打ちをした。
「──これだから狸は野蛮で困るわ。恥をお知りッ」
手を横に払う。その合図で、女の周囲を固めていた鎌鼬や野干が一斉に飛びかかってきた。
「んなっ」
「しゃらくせェ!」
朱月丸と翠玉は間一髪で身をひるがえす。なんとか吽龍の背に足をつけ、互いににらみ合った。金色髪の女は溌剌とした顔でこちらを見下げ、銀色髪の女は鬱々とした顔でこちらを見上げる。
阿龍の背上で見守る水緒、そのとなりで傍観する庚月丸はぼそりとつぶやいた。
「こりゃあ、手こずりそうじゃ」
「どうしてよ」
「あの女狐どもは、稲荷族よりも上位です。おそらくは族長の玉藻さまもかないますまい」
「えっ──?」
水緒は不安げに眉をしかめた。
「……ひとつお教えしましょう」銀色髪の女がつぶやいた。
「長生きしたいのなら、身の程を知ることです」
「ちょっとなあに。化け狸と鎌鼬の裏切り者が相手なの? わたくしたちもずいぶんとナメられたものね」
「あァ?」
と面を頭上へあげた朱月丸の目の色が変わった。対して翠玉は、挑発には微塵も興味がないようだ。片手間に自分の薬壺の薬を指ですくい、朱月丸の背中に塗り込んでいる。
「なんつった、化け狸?」
「あら違った? ごめんなさいね──このダキニさま直下眷属の金狐と銀狐には、たかが龍族長の眷属なんて目にも入らないのよ」
「…………」
意外にも、朱月丸は怒らなかった。銀色髪の女──銀狐の挑発を聞くまでは。
「…………うしろのサルと、木偶のお嬢さんは見物人かしら。せいぜい巻き添え食わないようおのれの身を守ることですね」
直後のことである。
朱月丸がものすごい速さで鉾を振りかざし、銀狐めがけて振り下ろす。銀狐はたやすく身をひるがえしてそれを交わした。が、そのうしろから詰めていたのは鉾をすでに振り上げていた庚月丸だった。
朱月丸の鉾よりも幾分か重いその鉾。見えぬ速さで振り下ろす。
銀狐は避けられずに左肩から腕にかけての肉をざっくりと斬り落とされた。
「ぁあっ」
「銀狐ッ」
金狐がぐるると牙を剥く。
「ひとつ教えてやろうか」うしろから声がした。
吽龍の背上。
高みの見物をして余裕の笑みを浮かべた翠玉である。
「長生きしてえなら、大龍眷属と合間見えた際、注意すべきことがあるんでさァ」
「────」
金狐と銀狐はカッと目を見開く。
「大龍一家の悪口を言わねえことだよ」
ふたたび鉾を振り上げる。
庚月丸と朱月丸の顔に、もはや笑みはない。ぽつんとひとり置いてけぼりな水緒が「やめてふたりとも」と声をあげたときであった。
ごう、と風の音がした。
なにかが水緒の背後を駆け抜ける。なんだ、いまのは。なにが──。
水緒が風のゆく先をちらと見る。
「……あ」
見て、水緒のからだは固まった。
天狗の鬼女。──
白くうつくしい狐に腰かけた彼女の膝元に、ぐったりと抱えられたそれは、いまこの場でもっともあってはならぬものだった。
「だ、」
大地。
さけぶ水緒の声は、風にかき消されて、彼には届かない。
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※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
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