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1章

クライスの街 下編

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私は風呂と美味しい御飯を食べ、警戒するとは言いつつも眠気に襲われていた。
アルザ「撮らなきゃ…でも…眠すぎる…」
ジーン「早く寝たほうがいい。私は寝なくても大丈夫だから何かあったら起こすよ。」
アルザ「そうする~…」
ジーン「何なら私は灯りなくても見えるから消しちゃっていいよ。」
アルザ「ありがとう…」
「おやすみ…」
ジーン「おやすみ。」
スヤァ…
「寝るの早いな~この子。すっかり寝付いているよ。」
(しっかし、こんなホイホイ私についてきていいのかねぇ。素顔すら見せない私についてきた。いくら恩があってもここまでするのか?それともこれで人生逆転しなければ未来が無いと分かっているのか。)
「まぁどちらにしろついてきてくれただけありがたいね。さて、やること終わらせるか」
動画用カメラ設置型を2つ設置し、動画用手持ちカメラを一つ用意した。
(これで別視点も色々撮れるな。これで合成も論破できるし何より証人がいる。
これなら記事のネタになるだろう。あの人の言ってることが本当ならな。
流石にここまでボロボロなら事実だろう。誰だってボロボロのところには居たくないだろうし)
~数十分後~
突然、空気の流れが変わった。肌寒い風が吹く…
(なにか来る!)
「起きろ!来たぞ!」
「録画開始!」
用意したカメラ3つを起動する
部屋のあらゆる物が飛び、壁に当たる。壁が何かが当たったように凹んだりする。
ハンドカメラで写真を撮りつつ飛んでくるものを避ける。
ユージン入のバッグも飛んで壁に当たったりしていた。
アルザ「まるでポルターガイストのようだわ。」
と伏せながら言う。
アルザ「ポルターガイスト…」
数分して、この現象は収まった。その頃には部屋の中はぐちゃぐちゃだった。
「こりゃ酷いね。これじゃあ恐れて逃げるわけだわ。」
ジーン「自分自身が飛ばされてわかった。飛ばされているときにも重力がかかってた。誰かに持ち上げられたようだった。」
「そして私はこの現象を知ってる。」
アルザ「どういうこと?」
ジーン「多分こいつはマジカ・スピリットによる攻撃の可能性が高い。」
アルザ「マジカ・スピリット?」
ジーン「マジカ・スピリットっていうのは属性魔力を分解したときにできる高濃度の純魔力にエレメントと人とかの思念がくっついた存在だ。主に夜に活動する。昼にも活動することがあるが夜ほどではないけど。
死んだ動物の思念をまるごと取り込んだマジカ・モンスターってのもいる。こいつは元になった生物が強化されたような感じになる、99%のやつは理性が殆どない」
「スピリットもモンスターも元の思念に左右されて行動する。元になった思念が破壊衝動を持っているなら破壊の限りを尽くすだろう。でもスピリット自身の力は建物を簡単に破壊できるほど強くない。だが攻撃自体は強いから気をつけなきゃならない。そういう存在。」
アルザ「じゃあそういうスピリットがポルターガイストみたいなことしてたわけね。」
ジーン「あいつは緑のエレメントによってできたようだった。」
「で、スピリットが生まれるぐらいの魔力が生まれるのは大規模な施設でも作らない限り不可能。」
「なはずなのに大きな建物が見つからない、と。」
アルザ「この周辺には何か隠されている、ってことね。」
ジーン「そう。」
「明日はこの街を中心に探そう。スピリットの発生地点を探せばきっと見つかる。
だが、魔力センサーが使えなくてなあ。直るのが明日ぐらいになるから直るまでは自力で探さないといけない。
とりあえずしっかり寝て明日に備えよう」
~翌日~
しっかり睡眠を取ったあと、金を払ってお礼を言ってチェックアウトした。魔力センサーはまだ直っていない
ジーン「さて、スピリットを探そう。昨日風が吹いてきた方向を探せばきっといる。」
車で移動して探すことにした
街からでて20分ぐらい立った頃
体長が4mありそうなやつが寝ている
「モンスターがいたな…イノシシが元のようだ。だいぶ大きいし気性が荒そうだ。枯れ木が明らかに壊されたあとがある。攻撃されたら車とはいえただでは済まなそうだな。」
アルザ「どうするの?通るなら確実にバレて攻撃してくると思うわ。」
ジーン「ぶっ倒してしまったほうが早い。というわけでこれを託す。」
大きめの腕時計みたいな物と銃らしきものを渡された。
アルザ「なあにこれは。」
ジーン「腕時計型攻撃補助ユニット「アシスタ」とマジク・ブラスター「アトリビュート」だ。こいつであのスピリットをぶっ倒せ!あ、アシスタは左腕につけといてくれ。」
「こいつは魔力をチャージして撃つタイプの銃だ。腕時計に銃をかざしてくれ。魔力をチャージができる。こいつはチャージする魔力によって攻撃属性を変えられる。
あいつは緑属性っぽいな。赤の炎属性をチャージしてくれ。」
fire  Charge 100%
アルザ「できたわ。これで打てばいいのね」
ジーン「待ってくれ、左腕に付けたアシスタに乗せることで精密に狙えるからそれでやってくれ。」
fire shooting crash
モンスターは一発で消し飛び、魔力の塊になった。
「っしゃオラァ!」
ジーン入のバッグが魔力の塊に近づく。
「マジカ系は倒したら魔力になる。が、しばらくしたら倒す前に戻る可能性がある。だから倒したら魔力は回収したほうがいい。」
アシスタが起動し、魔力を回収した。
「さあ、魔力源を探しに行こう。緑魔力を回収できたおかげで魔力センサーが起動できる。まあ、範囲が小さいんだけど。」
車に乗りつつマジカ・スピリット、モンスターをそれぞれ10体ほど倒したが、緑魔力と水属性の青魔力のマジカ系がほとんどだった。
幸いなことに緑魔力が多かったため魔力センサーの範囲はだいぶ大きくなった。
そしてマジカ系の出現率も多くなってきた。
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