8 / 10
8話 ヒュドラ退治(中編)
「うわぁぁぁぁぁぁん!! 行かないでぇぇぇぇ、ミリアンナたーーーん!!」
「え、だって、エンが行くのに私が行かないとかないし――」
私達と一緒に九頭巨大毒蛇退治に行こうとしているミリアンナを、ハザンが必死に止めようとしていた。
……私への依頼が決まった時は、ニヤって笑みを浮かべていたのに、あからさまに差別してない?
九頭巨大毒蛇退治の依頼を受けてから、小人妖精のダッフルに装備を作ってもらう素材集め等々、半月ほどの準備期間を経て、今日、ようやく討伐の日を向かえた。
「だったら、じーじも行くーーーー!!」
「おじいちゃんはギルドから離れられないから私達が行くんでしょ!!」
「だって、だって、ミリアンナたんが心配なんだもん……」
ハザンが急に乙女のようになった。
「もう、いい加減にして!!」
ドカッ!!
「はぐわぁ!!」
ミリアンナがハザンに回し蹴りをくらわせた。
「ちょっと、さすがにそれはやり過ぎなんじゃ……」
いくらギルドマスターとはいえ年も年だし――
勇者であるミリアンナの回し蹴りをまともに受けたら怪我をしてしまうのでは……
「うーん、大丈夫だと思うよ、おじいちゃん、元勇者だったし」
「――今なんて?」
聞き間違いだろうか……
「え? だから、おじいちゃんは先代の勇者だから大丈夫って……、あれ、言ってなかったかな?」
それは初耳だった。
「世の中には、色々な勇者がいるんだね……」
私はしみじみと呟いた。
「でも、確かにやり過ぎだったかも――。ごめんね、おじいちゃん……」
「ありがとう、ミリアンナたーーーーん!!」
ガシッ!
「うっ……」
ハザンに抱き上げられたが、ミリアンナは蹴り飛ばすのを我慢している。
「まあ、いっか――」
そう言って諦めた顔をしつつも、本音はそんなに嫌ではないのだろう。
ミリアンナも最後には微笑していた。
◇
「もう少しで九頭巨大毒蛇がいると言われている沼にたどり着くから、作戦の確認をしておいた方がいいわよね」
「その方がよいと思います」
「まずは倒し方について、九頭巨大毒蛇の首は、はねても次々に再生してしまう。ただ、切り口を焼くと新しい首ははえてこないので、首を切った後は火属性の魔法や雷属性の魔法で切り口を焼く必要がある。また、九頭巨大毒蛇の中央の首だけは切っても死ぬことのない不死の首のため、その首を切り落とした後は、巨岩の下敷きにして潰すなどしなければならない――以上」
みんな内容を理解し頷いた。
「前衛は作戦通り私とエンとドルグラとオムガで行くわ」
「ガハハハハ! 俺が前衛なのは当然だな!!」
オムガはやる気満々なようだ。
「そして次に、身を護る方法だけど、九頭巨大毒蛇の吐き出す毒を吸い込むと、身体に毒が回り、最悪の場合は死に至ってしまう。その猛毒を防ぐために、ユーリスの瘴気遮断という補助魔法を全員にかけておくことが必須になるわ」
逆に言えば、万が一ユーリスが不測の事態で補助魔法を使えなくなった時には、全ての作戦が困難になる。
そのため、ミリアンナには、ユーリスの専属護衛をお願いした。
まあ、あの後、ハザンにこっそりと土下座をされて、九頭巨大毒蛇から遠い後方に、ミリアンナを配置したというのが本当のところなんだけど……
私はその時のハザンの必死な姿を思い出しながら苦笑した。
「後衛はユーリスとミリアンナでお願いね」
「わかりました」
「はい」
二人は素直に声を合わせて返事をした。
「いよいよね……」
九頭巨大毒蛇がよく目撃されているという沼地へとたどり着いた。
「九頭巨大毒蛇!! 早く出てこーーーーい!!」
――オムガのその闘争力はどこから出てくるの?
私なんかは、できれば戦いたくないとか思っちゃうんだけどなぁ……
ヌボォォォォォォォォォ!!
オムガが呼んだから出て来たというわけではないのだろうが――
広大な沼地から九頭巨大毒蛇が姿を現した。
『人間の匂いがしたから出てきてみたのだが……。人間は二人だけか……』
「え? 何か、声が聞こえるんだけど……」
「あ、それは、魔王の力の一つですね。魔に属する者の声を、直接、脳で聞き取れるようです」
さすが古代竜のドラグラ。
しっかりと説明をしてくれた。
『まあいい、久しぶりの人間だ。二人だけだったとしても、おいしく食べさせてもらおう――』
うげっ!
聞こえない方がよかったかもしれない……
炎竜みたいに、本来は害がない存在であれば、倒すのにも躊躇したかもしれないが、どうやらその心配はなさそうだ。
今まで一体何人の人間を食べてきたのか……
でも――
それも今日でお終い。
「全力で退治するわよ!!」
「うん!」
「はい!」
「おう!」
エン、ドラグラ、オムガは、三者三様に返事をした。
「瘴気遮断!!」
ユーリスが全員に補助魔法を唱えた。
「うっひょーーーい!! 俺が一番乗りだーーーーー!!」
「あ、ちょっと!」
オムガが我慢できずに、九頭巨大毒蛇に突っ込んで行った。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「もう、仕方がないわね……。じゃあ、いつもみたいに、みんなでオムガをフォローするわよ!」
『こざかしい!! 猛毒息!!』
九頭巨大毒蛇が、突っ込んで来たオムガに向かって毒の息
を吐いた。
瘴気遮断で九頭巨大毒蛇の周囲に広がっている毒は防ぐことができるが、猛毒息はどこまで防げるか分からないので、直撃は避けてほしいとユーリスは言っていた。
「やれやれ、その勇気は称えますが、無茶はよくありませんね……。古代魔法消滅!!」
ドラグラの古代魔法によって、九頭巨大毒蛇が放った猛毒息が無効化されていく。
『なに?!』
……さりげなく、凄い魔法使ってない?
さすがの九頭巨大毒蛇も驚愕している。
「狂戦士ーーーー!!」
ズシャッ!
「グアァァァァァァァァァァ!!」
オムガが大剣で九頭巨大毒蛇の首の一つを切り裂いた。
ドスッ!
「稲妻!!」
九頭巨大毒蛇の首が地面に落ちたのを確認して、エンが雷属性の魔法を使って切り口を焼いた。
「闇沼手!!」
ドゴーーン!!
私は闇属性の魔法を使って、沼でできた巨大な手を作り出し、九頭巨大毒蛇をぶん殴った。
「グッ!」
「どおぉぉぉぉぉぉりゃーーーーー!!」
グシャッ!
九頭巨大毒蛇が怯んだその隙をついて、オムガが新たに首を切り落とす。
「稲妻!!」
すかさず、エンが雷属性の魔法を使って切り口を焼く。
――強い。
王国が手をこまねいている案件なのだから、九頭巨大毒蛇が弱いはずはない。
このパーティのメンバーが強すぎるのだろう……
しかし、慢心は身を滅ぼすという言葉を、この後、私は身をもって体験することになる。
この時に、もっと気を引き締めていれば、あんな悲惨な結末を迎えることはなかったのだから――
「え、だって、エンが行くのに私が行かないとかないし――」
私達と一緒に九頭巨大毒蛇退治に行こうとしているミリアンナを、ハザンが必死に止めようとしていた。
……私への依頼が決まった時は、ニヤって笑みを浮かべていたのに、あからさまに差別してない?
九頭巨大毒蛇退治の依頼を受けてから、小人妖精のダッフルに装備を作ってもらう素材集め等々、半月ほどの準備期間を経て、今日、ようやく討伐の日を向かえた。
「だったら、じーじも行くーーーー!!」
「おじいちゃんはギルドから離れられないから私達が行くんでしょ!!」
「だって、だって、ミリアンナたんが心配なんだもん……」
ハザンが急に乙女のようになった。
「もう、いい加減にして!!」
ドカッ!!
「はぐわぁ!!」
ミリアンナがハザンに回し蹴りをくらわせた。
「ちょっと、さすがにそれはやり過ぎなんじゃ……」
いくらギルドマスターとはいえ年も年だし――
勇者であるミリアンナの回し蹴りをまともに受けたら怪我をしてしまうのでは……
「うーん、大丈夫だと思うよ、おじいちゃん、元勇者だったし」
「――今なんて?」
聞き間違いだろうか……
「え? だから、おじいちゃんは先代の勇者だから大丈夫って……、あれ、言ってなかったかな?」
それは初耳だった。
「世の中には、色々な勇者がいるんだね……」
私はしみじみと呟いた。
「でも、確かにやり過ぎだったかも――。ごめんね、おじいちゃん……」
「ありがとう、ミリアンナたーーーーん!!」
ガシッ!
「うっ……」
ハザンに抱き上げられたが、ミリアンナは蹴り飛ばすのを我慢している。
「まあ、いっか――」
そう言って諦めた顔をしつつも、本音はそんなに嫌ではないのだろう。
ミリアンナも最後には微笑していた。
◇
「もう少しで九頭巨大毒蛇がいると言われている沼にたどり着くから、作戦の確認をしておいた方がいいわよね」
「その方がよいと思います」
「まずは倒し方について、九頭巨大毒蛇の首は、はねても次々に再生してしまう。ただ、切り口を焼くと新しい首ははえてこないので、首を切った後は火属性の魔法や雷属性の魔法で切り口を焼く必要がある。また、九頭巨大毒蛇の中央の首だけは切っても死ぬことのない不死の首のため、その首を切り落とした後は、巨岩の下敷きにして潰すなどしなければならない――以上」
みんな内容を理解し頷いた。
「前衛は作戦通り私とエンとドルグラとオムガで行くわ」
「ガハハハハ! 俺が前衛なのは当然だな!!」
オムガはやる気満々なようだ。
「そして次に、身を護る方法だけど、九頭巨大毒蛇の吐き出す毒を吸い込むと、身体に毒が回り、最悪の場合は死に至ってしまう。その猛毒を防ぐために、ユーリスの瘴気遮断という補助魔法を全員にかけておくことが必須になるわ」
逆に言えば、万が一ユーリスが不測の事態で補助魔法を使えなくなった時には、全ての作戦が困難になる。
そのため、ミリアンナには、ユーリスの専属護衛をお願いした。
まあ、あの後、ハザンにこっそりと土下座をされて、九頭巨大毒蛇から遠い後方に、ミリアンナを配置したというのが本当のところなんだけど……
私はその時のハザンの必死な姿を思い出しながら苦笑した。
「後衛はユーリスとミリアンナでお願いね」
「わかりました」
「はい」
二人は素直に声を合わせて返事をした。
「いよいよね……」
九頭巨大毒蛇がよく目撃されているという沼地へとたどり着いた。
「九頭巨大毒蛇!! 早く出てこーーーーい!!」
――オムガのその闘争力はどこから出てくるの?
私なんかは、できれば戦いたくないとか思っちゃうんだけどなぁ……
ヌボォォォォォォォォォ!!
オムガが呼んだから出て来たというわけではないのだろうが――
広大な沼地から九頭巨大毒蛇が姿を現した。
『人間の匂いがしたから出てきてみたのだが……。人間は二人だけか……』
「え? 何か、声が聞こえるんだけど……」
「あ、それは、魔王の力の一つですね。魔に属する者の声を、直接、脳で聞き取れるようです」
さすが古代竜のドラグラ。
しっかりと説明をしてくれた。
『まあいい、久しぶりの人間だ。二人だけだったとしても、おいしく食べさせてもらおう――』
うげっ!
聞こえない方がよかったかもしれない……
炎竜みたいに、本来は害がない存在であれば、倒すのにも躊躇したかもしれないが、どうやらその心配はなさそうだ。
今まで一体何人の人間を食べてきたのか……
でも――
それも今日でお終い。
「全力で退治するわよ!!」
「うん!」
「はい!」
「おう!」
エン、ドラグラ、オムガは、三者三様に返事をした。
「瘴気遮断!!」
ユーリスが全員に補助魔法を唱えた。
「うっひょーーーい!! 俺が一番乗りだーーーーー!!」
「あ、ちょっと!」
オムガが我慢できずに、九頭巨大毒蛇に突っ込んで行った。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「もう、仕方がないわね……。じゃあ、いつもみたいに、みんなでオムガをフォローするわよ!」
『こざかしい!! 猛毒息!!』
九頭巨大毒蛇が、突っ込んで来たオムガに向かって毒の息
を吐いた。
瘴気遮断で九頭巨大毒蛇の周囲に広がっている毒は防ぐことができるが、猛毒息はどこまで防げるか分からないので、直撃は避けてほしいとユーリスは言っていた。
「やれやれ、その勇気は称えますが、無茶はよくありませんね……。古代魔法消滅!!」
ドラグラの古代魔法によって、九頭巨大毒蛇が放った猛毒息が無効化されていく。
『なに?!』
……さりげなく、凄い魔法使ってない?
さすがの九頭巨大毒蛇も驚愕している。
「狂戦士ーーーー!!」
ズシャッ!
「グアァァァァァァァァァァ!!」
オムガが大剣で九頭巨大毒蛇の首の一つを切り裂いた。
ドスッ!
「稲妻!!」
九頭巨大毒蛇の首が地面に落ちたのを確認して、エンが雷属性の魔法を使って切り口を焼いた。
「闇沼手!!」
ドゴーーン!!
私は闇属性の魔法を使って、沼でできた巨大な手を作り出し、九頭巨大毒蛇をぶん殴った。
「グッ!」
「どおぉぉぉぉぉぉりゃーーーーー!!」
グシャッ!
九頭巨大毒蛇が怯んだその隙をついて、オムガが新たに首を切り落とす。
「稲妻!!」
すかさず、エンが雷属性の魔法を使って切り口を焼く。
――強い。
王国が手をこまねいている案件なのだから、九頭巨大毒蛇が弱いはずはない。
このパーティのメンバーが強すぎるのだろう……
しかし、慢心は身を滅ぼすという言葉を、この後、私は身をもって体験することになる。
この時に、もっと気を引き締めていれば、あんな悲惨な結末を迎えることはなかったのだから――
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。