自然と世界は廻る

已己已巳己

文字の大きさ
16 / 55

第十六話 進の違和感

しおりを挟む
~1時間後~
村の人 じゃあ、他の子も見つけ次第連れてくるからねー。
 そう言った村の人は、他の6人を呼びに行った。
灰白 分かりましたー。
相馬 みんな今どこいるんだろうね。
灰白 さあねー。でもみんなのことだから、自分の能力に対して何かしらの研究をしてるんじゃないかな。俺みたいにね。
 瞬太の方を向いた時太は、何か見せたそうな顔をしていた。
相馬 おお!時太も何かしてたのか?
灰白 そりゃーねー!俺もみんなみたいに強くなりたいしね!
相馬 えー、じゃあ見せて見せてー!
灰白 いいよー!(時間停止!)
 ニヤニヤしつつ、時太は能力を発動させた。

灰白 さてさてどこに行こうかなー?まあ、後ろとかでいいか…(この辺で、能力解除っと)

相馬 うおおすげーなー!
 瞬太は間髪かんぱつ入れずに真後ろを向いた。
灰白 お!気づかれるもんだね、相馬には分からないと思うんだけど、この1時間で何とか10秒までは持つようになったしね!1秒は長く持つようになったんだよー!?
相馬 それってスゲーのか?
灰白 凄いだろ!w
相馬 あ、でもさっきの温泉でやった時と違ってなんか喋ってたよな!それで後ろに来たの気づいたわ!
灰白 え?
相馬 いや、何言ってるかは聞こえなかったけど、確かにお前の声がしたんだよな。
灰白 ええ、どゆことー?w
相馬 …もしかして、俺の新しい能力か!?
灰白 そんなことあんの!?足と何が関係あるんだよw
相馬 知らねえよ!w
灰白 俺も知らねえよ!w
 そうしていつの間にか、少しずつと仲良くなっていく2人なのであった。

岩田 …ん?
 進は、どこからか声が聞こえ、その元を探そうと周囲を見渡した。
葉月 おおおおお!!!
岩田 …は?
 進は、声のする上空を見ると、月明かりに照らされた彩里が空を飛ぶように、水の上を流れていた。
葉月 助けてー!!w
岩田 は、どういう状況!?ちょ、今休憩中で能力出せないって!
葉月 そう言わずにさ!こっちももう力切れそうなんだよー!!
岩田 えー、じゃあこれで何とかしろ!
 そう言った進は木を元にして斜めに固めの岩を出した。
葉月 ナイス!よいしょっとおおお!!
 空の上を水で流れたいた彩里は、何とか水の軌道を修正して岩にたどり着いたが、滑りつつ勢いが増して、そのまま地面に向かって猛ダッシュしていった。
葉月 ぶつかるーーー!!
岩田 はいよ!
 進は、彩里の着地部分から逆に坂を作り、勢いを殺そうとした。
葉月 再びナイス!!助かったー!!
岩田 こけたらまた服が汚れちまうだろ。
葉月 いやーそうねー。
岩田 それにしても、何をしたらそんな宙に浮きながら水の上を歩くなんて所業できたんだ?
葉月 いや最初はほんの出来心で、操れる水って乗れるのかなーとか冗談半分で乗ってみたらそのまま登ってた木から水移動させちゃって方向変に変えたら質量の変化で落ちちゃうかなって思ってそのままって感じ…w
岩田 馬鹿すぎんだろ…
葉月 …それにしてもさ、いつまでその感じでいくの?
 彩里は、先ほどからずっと何かを気にかけていた。
岩田 その感じって?
葉月 みなもが来た時からさ、そのかたっ苦しいのなんなのよw
岩田 だって…久々の新しい人だったし、緊張して…
 その時、葉月は昔の記憶を思い出していた。
葉月 ははw、まあそんなとこだよねw鈴音と千聖の時もそうだったよね!w懐かしいなー!
岩田 逆になんでそんな簡単に仲良くなれるんだ?
葉月 そんなの感覚でしょー。
岩田 そんなもんなのか?
葉月 現に、進を連れてきた時だって、おんなじ感じだったでしょ?
岩田 まあ、そんなんだったな。

~過去~
敵 クッソどこ行きやがったあのガキども…
葉月 時太ごめーん!
 物陰で彩里は時太に小声でそぉっと言った。
灰白 なんで謝るのさ!w
葉月 だって行く先々なんかしらの紛争に巻き込んじゃうからー!w
灰白 俺のせいかもしれないから言わないでー!!w
敵 いたぞ!こいつらをさっさと捕まえろー!!
葉月 ばれるの早!wだからなんでこっち狙うんだよー!
灰白 うわっ!
敵 1人捕らえたぞ!
灰白 って思うじゃん?(時間停止!)
葉月 残念!
 彩里は時太構わず一定の方向に向かいつつそう言った。
敵 は!?いつのまに消え…
灰白 こっちだよー!!w
葉月 いやなに引き寄せてんねん!w
灰白 あらついやっちゃったw
葉月 いったんあそこ隠れるよ!w
灰白 おっす!

葉月 多分ここなら数分は耐えられるっしょ、今のうちに体力を回復させといて、そのあとこの村を出るよ。
灰白 おっけ…て、誰かいる!?
 彩里の後ろには、同じぐらいの年の子供がいた。
岩田 …!いっ!
灰白 子供!?
葉月 落ち着いて敵じゃないよ!
 彩里は、誤認されないように、時太にかぶさるように言った。
岩田 …信じていいのか?敵軍には、そういって子供を使った捕縛ほばくもあるんだろ?
灰白 あーあん時の…まあ今はそれじゃないよ!
 昔のことを思い出しながら、時太はそう言った。
葉月 とりあえず親の場所分かる?そこまで何とか連れていくね!
灰白 俺はいつでもいけるよ!さっきのが今日初の能力発動だったし、まだ余裕はあるよ!
葉月 よし、じゃあ…
岩田 俺も…
葉月 ?
 早速移動しようとする2人に、進は話しかける。
岩田 俺も、2人について行ってもいいか?
灰白 え、でも、親はいいのかよ!
岩田 親は死んだ、と思う。俺は親の死にざま見たさにこの村に残ってるわけじゃない。この村はいろいろと思い入れはあるが、こうなっちまった現状俺はここからいなくなったっていい。2人がよければの話だが頼む。
灰白 ここは俺は口出しできないぜー?
岩田 ?
灰白 でも彩里なら、俺の期待通りの答えが返ってくるだろうさ。
葉月 もちろん、覚悟があるなら、ついてきなさい!
 彩里は、自信満々にそう言った。
灰白 いや、どこから目線やねーん!w
葉月 さあ?wでも、行くならこの先いろんな紛争地に足を運ぶことになりそうだけど、それでもいい?w
灰白 言い方よ!wそんなん誰でも行きたくないってw俺らは、平和に暮らすのが目的なんだぜ?君は、平和が好きー?
 安直に聞いた時太とは裏腹に、その一言に進の心は動いた。
岩田 …俺も、平和な生活を、送りたい!2人と、一緒に…
灰白 …だってさ!
 時太は、嬉しそうに彩里の方を向いた。
葉月 よしおっけー!じゃあ結託だー!ってことで、走れる体力ある?
岩田 …!もちろん!
葉月 いっくぞー!!
 大声でそう言った彩里に続き、3人で行く当てもなく飛びだした。
敵 ガキが3人出てきたぞ!追えー!
灰白 大声出すなってー!!w
葉月 仲間が増えたんだからそりゃ喜ぶだろーよー!w
岩田 ははは!楽しい旅になりそうだよ、本当に!w

~~~~~
葉月 あんときもう5年とか前なんだー!びっくりよー!
 地面に寝そべった彩里は、嬉しそうにそう言った。
岩田 その時の俺さ、マジで同年代との生活とか憧れてたからマジ嬉しかったよ!w
 続けて進も地面に横たわった。
葉月 お、いつものマシな方の進が戻ってきてくれて嬉しいよー!w
岩田 そうか?w
葉月 まあ、本当の進はこんなんじゃないけどな!w
岩田 それはみんないた時の彩里と、時太にも言えることだろ?w
 2人は3人でいるときの想像をして、少しニヤついていた。
葉月 まあ、あの姿はここ以外に見せたら軽く軽蔑されるだろうしね!w
岩田 そんな変身みたいに言わないでもw
葉月 実質変身みたいなものでしょw
岩田 そうなのか?はたしてw
葉月 最後の変身いつだっけねーw
岩田 知らねーよ!wでも千聖と鈴音がいないとこだから、いつかしらの深夜だろうなw
葉月 またやりたいね!wあれ本当楽しいんだもんw
岩田 まあな!w
葉月 …じゃあ、後で時太呼んでやるか!
岩田 …だな!w
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...