自然と世界は廻る

已己已巳己

文字の大きさ
40 / 55

第四十話 実験の進展

しおりを挟む
~とある基地~
??? 新しい実験って、結局どうなったんですかね。
?? どうせ失敗、よくて施設半壊だろ。
? 追いお前ら大変だ!やばすぎる!!
?? おいどうした急にw
??? まさかお前またやらかしたんか?そろそろまずいんじゃねーの?w
? ちげーよ!いや違わないけど今はそれどころじゃねーんだ!
?? 余罪あんじゃねーか!w
? まあ一旦聞けって、弊中隊隊長へいちゅうたいたいちょうからの伝言だ。藤原がついに成功させたらしい。
??? 言ってるそばからまた…は!?マジで言ってんの!?
?? 座ろう、詳しく頼む。
? ああ…具体的には、毎回失敗していた能力と固体の合致の部分の改良でついに正解を見つけ出したそうだ。つまり厳密に言えばまだ完成はしてない。だがここから先の問題がなければ莫大ばくだいな自陣の戦力になるってことだ。
??? 改良か。その内容ってわかるか?
? 全部聞いたわけじゃないが、大まかには例の神様融合事件の神と子のつながりの失敗例が1番成功に近しかったことが判明して、そこをどういじったのかは知らないが、各々の能力に適合させていくことができるようになったと。
?? 分かんねーよそんな言われてもって感じだなぁ。
??? だがおそらく課題は出てくると思うぜ。ひどい場合、この実験の最終関門に、世界がひっくり返る可能性すら感じる。
?? 証拠は?
??? それは紛れもない未解決事件、幼子蹂躙事件の犯人だ。俺の予想としては、固体と能力値が適応しない場合、どちらかの自我が強くなると思う。だが藤原が固体を優先するかって話だ。
?? あー、催眠説が噂のやつか。
? でも、たしかにそう考えれば事件の二の前になる可能性があるな。
??? だがあいつらは止まらないと思うぜ。そりゃなぜかって強力な奴がそばにいるからなんだよ。
?? そんなのいたっけ。ただ得さえ百増戦争と3大事件だけでさえランク4はおろか2と3持ちも馬鹿みたいに持って逝かれてるってのに。
??? それはあの幼子事件の終止符を打った重要人物の1人、邦弘がいるんだから。
?? あれ、そいつって音信不通になった奴じゃなかったっけ?
??? それは小路だ。だが2人は親友って言われてるほど仲が良かったらしいから、間違えるのも無理はない。
? あああともう1つそれにつながると思うが、おそらくランクの調整が新規の個体にのみ可能らしい。
?? ランク9を経由しないってことか。訓練をする必要がない状態でその程度の実力を持てるのであれば余計に暴走説が現実味を帯びてくる。
??? 結局は量次第ってとこだな。その問題が生じなければ少なくとも2年以内に、かつて以上の戦力を上げて最終戦争へ持っていくだろうな。
?? ただ、伊集院側が動かなければ、の話だがな。
? いやそこ、正味マジでわからねえな。増田の息子が失踪したとはいえど、それを鵜呑うのみに進行してこない以上は向こうも今までで相当な消費をしてるってことだ。まあ、捨て身でない以上はまだ勝機は何かしらあるんだろうけど。百鬼組が全滅して実質ナンバー2同士の完全消滅に等しい現状で、外部からも船はないだろうし。
??? いやまて、伊集院は梵の家系がまさに外との関係を繋ぐカギだろ。その点実験で外交貿易に走らない、いわば船がないこっちは相当まずいだろうな。本当にお偉いさんは何をしてるんだか。
?? まあその船用の資源の代わりを開発が上回ればいいって判断なんだろうけどな。結局ギャンブルには変わりないんだけどな。
? 関係ないけど、戦前の頃は梵産のワインめっちゃ飲んでたなー懐かしい。あれマジでうまいんだよな。
?? まあ関係なくつぶしに行くだろうけどな。
??? 上に掛け合えば貿易市場要員として確保って判定になる可能性はあるかもしれん。
? 戦争、速く終わんねーかなー。
?? 金と自由、どっちが欲しいんだお前は。
? 懸賞金の話か。無理無理生きてたら15歳だろ。十代が1番能力値上がりやすいんだから今頃3くらいある奴と戦いたくないって。
?? それだけど、藤原の計画が完了して最終戦争に持ち込めたら、階級によって殺したやつ全員に違った配給が出るんだと。
? それ、マジか。
??? まあ、俺はそれでも自由をとりてえよ。小路について行きたかったぐらいだしな。現実、知らん間に消えたから今奴が何してるかなんて知らねえけど。2人はどうする?
?? 情勢次第ってところかな。正直、どっちも敵に回したくないってのが本音かな。
? 同感。のらりくらりかわして終戦後の世界で梵の赤ワインが飲めれば十分よ。
坂又 (なるほどねぇ。固体と単体能力の融合実験ねぇ。単体ってことは手数の豊富さで勝負をするつもりってことかぁ。いいこと聞いちゃったぁ!帰ろっと!)
 会話を隠れて聞いていたあやなはニヤ付きながらその場を離れていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...