自然と世界は廻る

已己已巳己

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第四十五話 笑顔

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相馬 重すぎるー!w
作業員 あの子、足は速くて助かるけど、ちょっと危なっかしいなw
作業員 でも今日の新人は仕事が早くて助かるよ。
岩田 (俺たち2人は土地整備の仕事にいた。理由としては運搬作業において単純にスピードが速い相馬にとって最適勝つ、俺にとっては筋トレとしても都合がよかったからだ。それに…)
作業員 おい!後ろ歩きするな!!
作業員 !?
岩田 (この射程なら間に合う!)
 落とし穴に足を滑らしてしまった作業員を、進は岩を生成することで、何とか救い出すことができた。
作業員 うわっ!!…!?あれ、なんでだ!?!?
岩田 俺の能力です。お怪我はないですか。
作業員 うわ、見たかよ今の。新人の能力らしいぜ。
作業員 彼のおかげで埋め立て作業の効率化に加えて、本日の作業員のケガのリスクも大幅に減少出来ている。ほんとにありがたいよ。
岩田 (そう、何よりは能力を継続的に使用することで限界幅の理解と拡張、応用まで考えられる。)相馬、調子はどう?
相馬 一応、言われた通り実践してみてるけど、これ何の意味があるんだぁ?
岩田 やれてるなら、その調子で頼む。
相馬 分かったー。
岩田 (相馬にはスピードを抑える走り方ができるように呼び掛けた。相馬はスピードの自在コントロールをしていない…というか、する必要がなかった。なぜなら今までは自身の全力スピードだけで相手を翻弄ほんろう、撃破できるほど、そのスピードは十分すぎるほど素早かったからだ。だがここから先、おそらく今まであった奴よりも何倍も強い敵が出てきた際には、相馬と同等、もしくはそれ以上の素早さを兼ね備えた敵や、相馬のスピードを即座に攻略してくる敵が出てくるはずだ。そんな時、相手をあざむくという意味、また小回りを会得えとくしておくだけでも、戦いにおいてかなめになる…俺の見立てでは、スピードの自在のコントロールの会得をするだけで、ランクが上がる可能性…いや、逆だ。それができない限り、相馬のランクは上がらない。)

相馬 なんかなー。
コツン
相馬 あっぶね!こんなとこに石がまだ埋まってたのか。
 石を掘り起こした瞬太はあたりを見渡してから、再び石を見つめた。
相馬 …誰も見てないし、この石吹っ飛ばしてあそぼーwえい!!w
 その瞬間、石は瞬太の予想とは裏腹に砕け散った。
相馬 は!?…もしかして、そういうことなのか…
岩田 お、なんで戻ってきたんだ?
相馬 岩田!俺お前の言ってることわかったぞ!!
岩田 おお、それならよかったんだが…(本人が自覚した方がいいと思って言わなかったが、さすがに理解したようだな。)
相馬 足が速すぎると石って砕けるんだな!つまりは、岩田の岩も壊せちゃってお前は成す術がないから、俺に手加減してほしいってことだろー?w
岩田 …はぁ。
相馬 おい!なんでため息つくんだよ!?w
岩田 (少しでも期待した俺の負けだ…)

萩原 で、うちらって何の仕事するのー?
桜木 んー?まあもう少しでわかるわよ。
店員 じゃあ、後は店のやつに任せる。お前さんはこっちだ。
錫谷 はい。じゃあ、頑張れ。
萩原 そっちも頑張ってねー!
飯塚 君たち、でいいのかな。初めまして。店長の飯塚いいづかです。
桜木 短期ですがお世話になります。桜木と…
萩原 あ、萩原です。よろしくお願いします。
飯塚 本人確認はオッケーです。それでは、行きましょう。

飯塚 それでは、本日からこちらでお仕事をお願いします。内容は、建物屋上でもよもよおされる宴会の…ブライダルスタッフです。
萩原 …!!
桜木 (千聖は昔から、誰よりも人の笑顔が好き。だから私も、そんな千聖と自然と似るようになった。私は昔、鈴音と出会う前まで、人の笑顔が一番嫌いだった。)

((鈴音の母親 いつも村の人に嫌がらせをされて、もう耐えられない。なんであんたなんかが生まれてきたのよ…
桜木 …
近所の人 あら、親子喧嘩かしら?頭に血が上るのはよくないことよねぇw
 その人は2人に向かって能力を使い、2人を水浸しにした。
近所の人 やりすぎだってーww
近所の人 何言ってるのぉ?水で頭を冷やしてあげただけじゃないの~w
近所の人 なんだーやっさしぃ~ww
桜木 …(私は、鋭い目を向けることすら許されなかった。村の人たちにとって能力のない家系は、ゴミ同然だったから。)
近所の人 あっちで射撃大会やってるってよー!!
 遠くから楽しそうな声で呼びかける男の子の指さす先には、別の女の子が2人いた。
??? …
?? いっ…
近所の人 的が喋んなよ!w
?? …
桜木 うわさは聞いていた。私のほかに、能力を持たない家族が2家族いると。
近所の人 そうだ、鈴音ちゃんだっけ?も参加させましょうよ!wもちろん、的役でね?w
桜木 …
鈴音の母親 …すみません。
桜木 …
近所の人 なに?文句?ww
桜木 (私の母親は…)
鈴音の母親 …実にいい案だと思いまして!ぜひ使ってやってください!!鈴音も喜んでますしね!!
桜木 (クズだった。)
近所の人 それなら仕方ないわよねー!wwじゃあ行きましょーw

桜木 …(私は他の2人と同じように縄に縛られ、身動きの取れないようにされた。私は反抗の気力すら起きず、ただひたすらにおもちゃの銃で撃たれ続けた。)
??? っは!?
桜木 (少し時間がたった後、どうやら気絶していたらしい子が目を覚まし、その刹那大声で叫びだした。)
??? おいふっざけんな!!!うちらの縄ほどけ!!やったやつ出てこいくそ野郎!!!
桜木 (私はその子の勇気と気高さに、驚きが隠せなかった。その刹那、その子はがむしゃらに体を動かし、縄をほどいてから近くの人間にとびかかった。)
近所の人 おい!また暴れだすぞ!!頭狙ってぶったたけ!!w
??? う“う”う“う”う“!!
近所の人 フルスイングゥー!!
??? がはッ…
桜木 …!
近所の人 …なんかしけた。射撃大会はまた明日な。じゃあ解散w
??? あ…え…?終わった…?
桜木 (私と同じく縄に縛られていた子が口を開く。)…うん。
?? …前の子は?
桜木 …分かんない。でも、大丈夫じゃないと思う…
 そう口にした瞬間、頭をたたかれた女の子はゆっくりと立ち上がった。
??? 許さないからな…
桜木 え…!?
??? やられたけど…どんだけやられてもうちは奴らに屈しない。2人とも、大丈夫…?じゃないか。
 その瞬間、その女の子はふらつき倒れ掛かる。
桜木 あなたが一番大丈夫じゃないでしょ!
??? いや、みんな一緒、でしょ…今ほどくね縄…

桜木 その子は慣れた手つきで縄をほどき、私たちを開放してくれた。
??? あいつらは縄の結び方を一種類しか知らない。だからがむしゃらに動いてるようにすればほどき方を知ってるとは思われてないはず。
桜木 …ありがとう。
?? ありがとう…!
??? …ひどい出会い方だけどさ、うちの夢は正しい笑顔を作ることなんだ。そのためにさ、よかったらお友達になってくれない…?初めてのお誘いなんだけどさ…
桜木 (断る理由なんかなかった。その日から私は、いや、私達は、ひどい境遇の中でも、何とかやっていこうと思える不思議な安心感があった。でも、初めての友達と次に会えたのは、事態が急変した時だった。)
近所の人 おい!なんか武装した奴らがいっぱい向かって来るぞ!
桜木 私たちの村は、火炎瓶の投げ込みと同時に、謎の軍からの蹂躙じゅうりんが始まった。
近所の人 何がどうなってんだ!?
近所の人 お前らは武器をもってこい!!…戦争だ。やっぱり始まってたんだよ!戦争が!!!
近所の人 デマじゃなかったのかよ!!なら、これからとんでもないことが起こるぞ!!
桜木 (私はその時、初めて世界中で戦争が起きていることを知った。)
近所の人 そういやこの辺に、無能力の家族がいたっけな。そいつらを使えば何とかなるかもしれない!
桜木 …!!
近所の人 そんなゴミやってどうすんだよ!?
近所の人 何が目的かは知らねえが、軍に引き入れるための子どもが欲しいってんなら、くれてやっても得しかないだろ。探せ!!
桜木 …はぁ!?(小声)
桜木 (私はその言葉を聞いた時には、すでに全速力で走りだしていた。でも普段から歩くことすらしていない私の足は、産まれたばかりの小鹿さながらだった。私はこの村からは逃げきれないと確信し、ひそかに物陰に隠れてことが終わるのを待つことしかできなかった。)
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