自然と世界は廻る

已己已巳己

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第五十一話 できること

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~その夜~
葉月 お、来た来たー。
錫谷 すまん、やっぱり俺が最後か。珍しい能力だって、開放してもらえなくて…すまん。
桜木 全然~むしろ調子よさそうで何より。
岩田 んじゃあ、行くか。
葉月 んふふー、実はいいとこ見つけちゃったんだよねー!
百鬼 マジで彩里のセンス最高だよ!wさっき見に行ったけどね、この街にしては安いしめっちゃきれいなんだよ!
灰白 ちなみにまだ誰が何階になるかは決まってないよー!
錫谷 というと?
灰白 ふふーん、その宿は予約を取っておくだけで部屋を開けてくれる式だから、予定時間をよほどすぎない限りいつチェックインしても大丈夫なんだよー!
葉月 それで空いてる部屋は別々でって言ったからねー。あとで鍵シャッフルで決めようよw
相馬 なんだそれーw
萩原 流石に…
相馬・萩原 めっちゃええやん…w

~ホテル~
受付 百鬼さん御一行ですね。8人のご予約で。それでは、鍵のお渡しをします。こちら、鍵に書かれている左の番号が階数、右の番号が部屋の番号となっております。お客様の希望で、それぞれ隣り合っているものもあれば、分かれている鍵もございますので、ご確認下さい。
相馬 分かりました!
錫谷 分かってないやつね。
葉月 ありがとうございます。
 彩里は8人分のカギを受け取った。
受付 また、お客様は5日間のご宿泊ということで、料金に関しましては、提示金額をチェックアウトと同時にお支払いくださいませ。
灰白 分かりました。
桜木 5日間にしたんだね。
葉月 そーそー、あまり長居するのも諸事情により厳しいからねー。
桜木 なるほど?
受付 それと…あ、またエントランス付近に設置されているアイスクリームに関しては、フリーとなっておりますので、お好きにお使いください。
錫谷・桜木・岩田 待て。
相馬・萩原・百鬼 はい…
受付 入浴施設は屋上と自室に簡易バス、指定された時間に2階大広間にてバイキングが開かれます。よろしければ、ご利用くださいませ。
百鬼 ば!
相馬 い!
萩原 き~ん!
百鬼・相馬・萩原 ぐー!!
葉月・灰白 www
受付 説明は以上です。また困ったことがおありでしたら、いつでもご連絡くださいませ。
葉月 ありがとうございます。
岩田 質問がある人はいるか?
相馬 はいいないいない!
萩原 ある奴は許さん!
百鬼 ふーーー!!
灰白 大丈夫そうです。
受付 …それでは、ごゆっくりお過ごしください。
桜木 …はぁ、どうぞ。
相馬・百鬼・萩原 ふぉおおおおお!!
受付 …(転職しようかな…)

相馬 どうやったら出てくるんだー?
百鬼 ここをひねるんだよ!!
萩原 きたーー!!

相馬 レロレロレロレロ…
萩原 ぎゃははw食べ方汚すぎww
桜木 公共の施設内なんだから静かにしなさい。
 鈴音は軽く2人の頭をたたいた。
相馬 え、俺も!?
百鬼 くぅーー!冷えるぅーーー!!
葉月 はいはい諸君!!お部屋決めの時間だよ!
百鬼 そう言えば忘れてた!w
相馬 お待ちかねその2来た!
葉月 じゃあ自分残った最後の1つにするからみんな目瞑ってー!

葉月 …はい!みんなとったー?よね!ではお部屋にれっつごー!
相馬 バイキングの時間になったら集合なー!
萩原 おけー!

~502号室~
灰白 とりあえずついた。部屋きれいだなー!!って、めっちゃ高い!!景色めっちゃいいじゃん!!
 時太は想像以上の外の景色に脱帽だつぼうしていた。
灰白 さてと、どうせあの辺の人たちは外だろうし、俺も行きますか。
 時太には、行く当てがあった。

百鬼 …うし。
灰白 知ってた。
百鬼 うお!いつの間に!?
岩田 2人もいるのか。
灰白 お!
百鬼 進も!
灰白 進は6階、みなもは3階だったね。俺は5階だったけど、最上階って何階なのかな?
??? ふーー!!
 時太たちが話してる最中、空から声が聞こえた。
岩田 なんだ!?
百鬼 暗くて見えんわ!
葉月 ど-もー!!
灰白 何してんの!?
葉月 まあ見ててってー!
岩田 …それは!
 そう言った彩里は足場代わりに水を斜めに生成し、そのままらせん状に回りながら着地した。
葉月 ねえ!すごくない!!
百鬼 おおおおー!!
岩田 波乗り、取得したんだな。
葉月 そうなんよ!!やっとできるようになった!
灰白 練習なんてしてたっけ!?
葉月 実は水を四六時中出しても大丈夫なように特訓をずっとしてたんだけど、ずっと出してるにつれて水の扱いに慣れてきたんよね!それでできるかなー?wの感覚でやったらできた!ww
灰白 賭けかい!w危険すぎなww
岩田 彩里はそういうとこあるからマジで気を付けた方がいいぞ…
葉月 まあ最悪時太に助けてもらえればよかったしね!w
岩田 (水を四六時中、か。俺もできないことはない…この間にも彩里にはどんどん抜かれてく…俺も実践していかないと…)
百鬼 ところで、皆さんどうしてこちらに?
岩田 俺はとりあえず日課のトレーニングがてら走るつもりだった。
灰白 俺もそれに近いかな。能力を使ってる最中でもどれだけ動けるかのテストをしたかった。
葉月 自分は走るつもりはなかったけど、能力の集大成的なテストをしたかった!
百鬼 なるほどねー…よし決めた!!みんなでゴールを決めて走らない!?
灰白 いいじゃん!w
葉月 能力についてはどうする?
百鬼 私としては2回走りたいいかも!
岩田 能力なしと、ありの2パターンってことか。
百鬼 そゆこと~。
葉月 なんだかんだ初めてなんじゃないのー?w
灰白 そうだね!でもここに相馬がいると勝敗ついちゃうからなーw
百鬼 ってか相馬って能力なしの場合で走れるのかなー?
灰白 それちょっと謎だよねー!
葉月 でももし無意識にできてるなら、めっちゃすごくね!?燃料きれたことも見たことないし!!
岩田 それができるようになるって意味では、相馬を見習わなくちゃな。
百鬼 そうだね!!じゃあ、走ろうか!!ゴールはどうする?
灰白 ここじゃ人がいるかもだし、少し郊外に出よう。
百鬼 それもそうだね!

~307号室~
錫谷 今日やった釘の手助けのおかげで、思ったよりもらえたな…
 勇紀は渡された金額を見てそうつぶやいた。
錫谷 やったことっつっても、釘を生産して渡したり、逆に打ち込んだり…まあ打ち込むときに精密動作の練習もかねてやったりはしたけど…俺ってよく考えたら近接の対抗策ないんだよな…能力が発射される前に射程に入られでもしたら終わりだし…そうだ、金づちでも常備しておこうかな。うわ、アリだな…村から持ってくりゃあよかったー…
 勇紀は布団にダイブしながらそう言った。
錫谷 まあ、結局は武器だよりなんだけどさ…釘の新しい使い方について考えなくちゃ、俺がずっと一番弱い奴だ。

~403号室~
桜木 あー、なんかな…いろいろ思い出す。
((坂又 聞いてよ!!私もそっちの立場だったの!!))
桜木 あの子の身に着けていた装備…私が着こなせられれば、みんなと同じ様に…
 鈴音はずっと感じていた。自分が旅にとっては足手まといであると。
桜木 いっそ…なんて、千聖が許すわけないよね。はあ…
 鈴音は自室のバスルームへ向かった。
桜木 どうせ、みんなはご飯を食べた後に温泉に行くでしょうし。
 バスルームに入った鈴音だったが、当然のごとく水の出し方など知らない。
桜木 そうか、ソフトクリームのように、何かしないと出てこないんだったっけ。
 鈴音は諦めて部屋に戻り、窓際の椅子に腰を掛けた。
桜木 私にできること…それを考えなくちゃね。
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