学校転移﹣ひとりぼっちの挑戦者﹣

23話 調薬③

「よし、それじゃあの飯も食ったしそろそろガチャを見に行こう」
《そうだな。だが、なかった場合はどうするんだ？》
「観測者に話してみて、無理そうなら森に探しに出る」

影門の連続使用で1階に降り、玄関にあるガチャをランクごとにそれぞれ確認する。
低ランクの方も更新されていないか確認してみて、すべて見てみたが、結局果物や菓子類、調味料すらもなかった。

「うーん、これはマズったな。多分、この世界基準なんだよな？」
《ああ、そうだろうな。食文化の違いによる弊害だろう。そこまで重要視されていないのかもな》
「ああ、それに米もラインナップにはどこにもなかった。観測者、これは頼んでいいか？」
『うーん？そんなに重要なものなのかい？』
「菓子類…は、正直嗜好品みたいなところはあるが、調味料は必要だ。果物とかもあった方が役に立つだろうし…観測者は地球の食べ物は食ったことあるのか？」
『ないね。でも、ほとんど同じだろう？』
「それが違うんだなー。1度で良いから食ってみろ、調味料の重要性がすぐに分かる」
『じゃ、神々とそこら辺は審議するよ。果物はとりあえず入れておくね。効果も特にないし、Fランクで良いかな』
「おう、サンキュー」

さて、それじゃあ早速引いていくか。Fランクの魔石はかなり、溜まってきているからな。銃の弾用に多少は残しておくが、30回くらいは引けるだろう。

「…お、早速果物も出てるな。これでポーションの改良をまたしてみよう」

俺たちはガチャを引き終えたあと、早速音楽準備室に戻り、ポーションをもう一度作った。

「さて、とりあえず素材用のポーションは出来たし、スライム溶媒液に、果物の果汁を加えて…」

【スライム溶媒液（りんご味）】
リンゴの果汁により、味が付与されたスライム溶媒液。効果自体は変わらない。

「よし、これにポーションを入れて…」

【HPブルーポーション：C】
品質と味を改良したポーションで、通常のポーションよりも回復量が高い。

「…うん、ちゃんとリンゴ味になってるな。よし、これで飲みやすさも完璧だな」
《明日はレベル上げをするんだろ？今日は早いこと寝ないとな》
「ああ」