10 / 50
第二章 馬鹿王子、巻き込まれる
第10話 馬鹿王子、巻き込まれる その四
しおりを挟む
「鎌蜥蜴」というのは、長い尾で均衡を取りながら後脚で二足歩行し、前脚は爪が長く伸びて鋭利な鎌状になった蜥蜴の魔物だ。
最下等の竜種に分類する人もいれば、竜の範疇には含めない人もいる。
いずれにしても、獰猛な肉食の魔物なので、村の近くに巣を作って繁殖しているのなら、放置するわけにはいかない。
――それが本当の話ならば、だが。
「それはギルドに正式な依頼が出ているものですか?」
僕は男に尋ねた。
「ああ、もちろんだ。俺の名はジャック。まだまだ駆け出しの身でね。引き受けてはみたものの、思ったより巣の規模が大きそうで、助っ人を探していたんだ」
ジャック氏は冒険者の登録証を提示してみせた。
白銅製のそれは、確かに王都の冒険者ギルド発行の、第六等級登録証に間違いない。
登録日時は割りと最近で、駆け出しだという申告とも符合してはいるが――。
「でも、あなたが受けた依頼を僕たちが手伝うとなると、ギルドの承認を得る必要がありますよね?」
僕が首を傾げながらそう言うと、ジャック氏は慌てた様子で弁明した。
「そ、それはそうだが、王都まで往復してギルドに話をつけるのは時間が掛かり過ぎる。黙っていればバレやしないさ」
なるほどね。よくわかったよ。
僕が納得して頷いていると、そこへレニーが割り込んで来た。
「うんうん。そうだよね。村の人たちが困っているのに、余計な時間は掛けていられないよね。じゃあ早速、案内してくれるかい?」
え? ちょ、ちょっと待ってくれよ!
「駄目だよ、レニー。僕たちにはまだ早い。すみません、ジャックさん。僕たちじゃあ足手まといになるだけだと思いますので、せっかくのお誘いですが失礼します」
レニーを抱きかかえるようにして、僕はその場を離れた。
「マグ、そろそろ離してくれるかな?」
「ご、ごめん」
僕は慌ててレニーから手を放した。
「ねえマグ。気を悪くしないでほしいんだけど……」
少し顔を赤らめたレニーが、躊躇いがちに言う。
「何だい?」
「他の冒険者が受けた依頼を手伝うのにギルドの承認が要る、っていうのは、もちろん鎌掛けだよね?」
嫌だなぁ。本気で言っていると思ったのかい?
「ああ、もちろんだよ。そんな規則なんて存在しない。自分の手に余ると判断したら、報酬の中から分け前を用意して、手伝ってもらえばいいだけの話――っていうのは、君から聞かせてもらったから知っているさ」
つまり、そんなことも知らないあのジャックという男は、登録証自体は本物だとしても、まともに冒険者として活動してなどいない似非冒険者だということだ。
「で、君も当然あいつが偽冒険者だっていうのは見抜いてたんだろ? 何だって口車に乗ろうとしたんだよ」
そう、レニーだってあんなやつに騙されるほど愚かではない。にもかかわらず、何故あいつの話に乗ろうとしたのだろう。
「父さんたちから聞いてた話なんだけどさ。少なくないらしいんだよね、ああいう手合い。まだ慣れてなさそうな駆け出し冒険者を騙して、金目の物を奪ったり、奴隷として売り飛ばしたりする輩だよ。マグの育ちが良いのを見抜いたのか、それともあたしの体に目を付けたのか……」
自分で口にして嫌な気分になったのか、レニーはその豊かな胸を両手で抱えるようにして、身をよじった。
あー、なるほど。レニーはあの男の正体をそう解釈したのか。
「ひょっとして、わざと騙されたふりをして退治するつもりだったのかい?」
「そういうこと。あんな輩を根絶やしにするのは無理っていうのはわかってるけど、目の前にいるやつを野放しにして、犠牲者が出たら寝覚めが悪いからね。あんたとあたしなら、他に何人か待ち伏せしていたとしても、遅れを取ることはないだろうしさ」
自信満々にレニーは言うが、敵は君が思っているよりずっと危険な連中だよ。
「いや、残念ながらそう簡単にはいかないよ。あのジャックって男の身ごなし、騎士団の教練を受けたことがある人間のものだった。それも、骨身に染み込むくらいにね。そういう人物が身を持ち崩したっていう線も皆無とは言わないけれど、十中八九、あれは僕の命を狙った刺客の一人だ」
「えっ!?」
「可能性としては、父上の追っ手か、義母上の実家・ボルト伯爵家の手の者かだけど、前者ならさすがにいきなり謀殺しようとはしないだろうし、後者の線が濃厚だろうね。――僕の力量も、おそらくは同行者が“天魔の再来”であることも、十分に承知している連中だ。罠に飛び込むのは危険すぎる」
「げっ、マジか。そんなヤバいやつだったんだ」
「おそらく、ね。ごめん、君を巻き込んでしまって」
「いやいや、それは気にしないでよ。マグの敵はあたしにとっても敵さ」
「ありがとう」
しかし、それにしてもあまりに手回しが早すぎるな。
パーティーの一件が三日前で、父上に廃嫡されたのが一昨日。その日のうちに王宮を抜け出して、夜は城下の宿屋に泊まり、翌日には王都を発った。それなのに、もう捕捉されてしまうとはね。
異母弟のロジャーを王位に就けるため、僕が隙を見せるのを虎視眈々と待ち構えていた、ということなのだろうか。
僕としたことが、迂闊だったな。
とにかく、さっさとこの村を発つとしよう。
レニーとも話し合った上で、僕たちは予定通りシャロ―フォードを目指すことにした。
追っ手を撒いてしまうのはおそらく不可能だろうから、それなら変に遠回りしても意味は無い。
村を出る前に、近くにいた男性に話を聞いてみた。魔物の被害が出ていると聞いたが本当か、と。
彼が答えて言うには、魔物はしばしば出没するが、最近は大きな被害が出るような状況は起きていない、とのことだった。
やはり鎌蜥蜴うんぬんの話は出まかせだったようだ。
ラークヒルの村を出て、昼過ぎにはタンベリーの町に着いた。
まだ時間は早いけれど、今夜はこの町に宿を取ろう。
「油断は禁物だけれど、連中、宿を襲撃して騒ぎを大きくするつもりはなさそうだ。問題は、野宿しているところを襲われる可能性だな」
「タンベリーを出たら、次のウィンザーの町に行くにはヒースリー山地を越えないといけないんだよね。まあ、朝早めに発てば夜までにはウィンザーに着けるけど」
「山越えの時も、襲撃に気を付けた方がいいだろうな」
「そうだね」
今夜は早めに休んで英気を養っておきたいところだけれど、宿に泊まっているからといって完全に警戒を解くことも出来ないからなぁ。
「マドラに番をしてもらった方がいいかな」
僕は荷物の中から、50cm四方ほどの布を取り出し、宿屋の床に広げた。
キラキラと光る糸で刺繍されているのは、召喚魔方陣。そしてその刺繍糸は、レニーの使い魔である魔道蜘蛛・プリコピーナの糸を紡いだ特製の魔道糸だ。
「――我との盟約に従い、疾く来たれ。召喚魔法」
召喚魔方陣が淡い光を放ち、一頭の黒犬が姿を現した。
言うまでもなく、普通の犬ではない。僕の使い魔、黒妖犬のマドラだ。
「わー、マドラ久しぶりー」
「わぅん!」
レニーにモフられて尻尾を振っている姿は、完全にただの犬にしか見えないが、一流どころの魔道騎士に引けを取らない程度には強い。十分戦力になってくれるだろう。
「じゃ、早速だけど部屋の番を頼むよ」
例によってプリコピーナに結界を張らせた上で、マドラに留守番を任せ、僕たちは町に出た。
タンベリーは宿場町としてそれなりに栄えており、小規模ながら冒険者ギルドも存在する。
「まあ、タンベリーで冒険者をしているのって、ヒースリー越えの旅人の護衛を専門にしている人たちが多いんだけどね」
レニーが教えてくれた。
ヒースリー山地を越える峠道は、街道として整備されてはいるものの、山中に潜む魔物たちが出没する危険性は高い。
それで、タンベリー~ウィンザー間の護衛を専門に請け負う人たちがいるのだ。
「でも、護衛を無条件に信用できるものなのかな?」
僕たちは護衛を雇うつもりもないのだけれど、仮に雇ったとして、いきなり山中で追い剥ぎに早変わりされたら堪ったものじゃないだろう。
「ここのに限らず、護衛を専らにしているギルドの結束は固くってね。相互に助け合う反面、面汚しはとことん追い詰めて制裁するんだよ。自分たちの信用を守るために。それでも、質の悪いのを引いてしまうリスクが全く無いわけじゃないけど、そこは自分たちだけで峠越えをするリスクと天秤だね」
「なるほど。勉強になるな」
などと話をしつつ、冒険者ギルドを見学する。
雇うつもりも雇われるつもりも無いのにこんなところに来たのは、見聞を広めるためというのもあるのだけれど、昨日から試してみている、魔力の波動を感知する練習でもあった。
ギルドの建物の中には数人の冒険者がおり、それなりの使い手も混じっているようだ。目を閉じて、それらの人たちと、レニーの魔力を識別する。
「あのー、護衛のご用命ですか? それとも、ご登録ですか?」
受付の女性が躊躇いがちに声を掛けてきた。
うん、ちょっと怪しく見えるかもしれないな。
「すみません。検討中なんです」
そう言い訳して、もうしばらく魔力感知の練習を続ける。
「おっ、新人かい? よかったらうちのパーティーに入らないか?」
「馬鹿、そんな気軽に誘ったら胡散臭く思われるでしょ」
「まったくだ」
僕たちに――というかレニーに、声を掛けてきたのは、中々に強力な魔力を有する三人だった。
声からして、男二人に女一人。おそらくはタンベリーを拠点にしている冒険者パーティーだろう。
最下等の竜種に分類する人もいれば、竜の範疇には含めない人もいる。
いずれにしても、獰猛な肉食の魔物なので、村の近くに巣を作って繁殖しているのなら、放置するわけにはいかない。
――それが本当の話ならば、だが。
「それはギルドに正式な依頼が出ているものですか?」
僕は男に尋ねた。
「ああ、もちろんだ。俺の名はジャック。まだまだ駆け出しの身でね。引き受けてはみたものの、思ったより巣の規模が大きそうで、助っ人を探していたんだ」
ジャック氏は冒険者の登録証を提示してみせた。
白銅製のそれは、確かに王都の冒険者ギルド発行の、第六等級登録証に間違いない。
登録日時は割りと最近で、駆け出しだという申告とも符合してはいるが――。
「でも、あなたが受けた依頼を僕たちが手伝うとなると、ギルドの承認を得る必要がありますよね?」
僕が首を傾げながらそう言うと、ジャック氏は慌てた様子で弁明した。
「そ、それはそうだが、王都まで往復してギルドに話をつけるのは時間が掛かり過ぎる。黙っていればバレやしないさ」
なるほどね。よくわかったよ。
僕が納得して頷いていると、そこへレニーが割り込んで来た。
「うんうん。そうだよね。村の人たちが困っているのに、余計な時間は掛けていられないよね。じゃあ早速、案内してくれるかい?」
え? ちょ、ちょっと待ってくれよ!
「駄目だよ、レニー。僕たちにはまだ早い。すみません、ジャックさん。僕たちじゃあ足手まといになるだけだと思いますので、せっかくのお誘いですが失礼します」
レニーを抱きかかえるようにして、僕はその場を離れた。
「マグ、そろそろ離してくれるかな?」
「ご、ごめん」
僕は慌ててレニーから手を放した。
「ねえマグ。気を悪くしないでほしいんだけど……」
少し顔を赤らめたレニーが、躊躇いがちに言う。
「何だい?」
「他の冒険者が受けた依頼を手伝うのにギルドの承認が要る、っていうのは、もちろん鎌掛けだよね?」
嫌だなぁ。本気で言っていると思ったのかい?
「ああ、もちろんだよ。そんな規則なんて存在しない。自分の手に余ると判断したら、報酬の中から分け前を用意して、手伝ってもらえばいいだけの話――っていうのは、君から聞かせてもらったから知っているさ」
つまり、そんなことも知らないあのジャックという男は、登録証自体は本物だとしても、まともに冒険者として活動してなどいない似非冒険者だということだ。
「で、君も当然あいつが偽冒険者だっていうのは見抜いてたんだろ? 何だって口車に乗ろうとしたんだよ」
そう、レニーだってあんなやつに騙されるほど愚かではない。にもかかわらず、何故あいつの話に乗ろうとしたのだろう。
「父さんたちから聞いてた話なんだけどさ。少なくないらしいんだよね、ああいう手合い。まだ慣れてなさそうな駆け出し冒険者を騙して、金目の物を奪ったり、奴隷として売り飛ばしたりする輩だよ。マグの育ちが良いのを見抜いたのか、それともあたしの体に目を付けたのか……」
自分で口にして嫌な気分になったのか、レニーはその豊かな胸を両手で抱えるようにして、身をよじった。
あー、なるほど。レニーはあの男の正体をそう解釈したのか。
「ひょっとして、わざと騙されたふりをして退治するつもりだったのかい?」
「そういうこと。あんな輩を根絶やしにするのは無理っていうのはわかってるけど、目の前にいるやつを野放しにして、犠牲者が出たら寝覚めが悪いからね。あんたとあたしなら、他に何人か待ち伏せしていたとしても、遅れを取ることはないだろうしさ」
自信満々にレニーは言うが、敵は君が思っているよりずっと危険な連中だよ。
「いや、残念ながらそう簡単にはいかないよ。あのジャックって男の身ごなし、騎士団の教練を受けたことがある人間のものだった。それも、骨身に染み込むくらいにね。そういう人物が身を持ち崩したっていう線も皆無とは言わないけれど、十中八九、あれは僕の命を狙った刺客の一人だ」
「えっ!?」
「可能性としては、父上の追っ手か、義母上の実家・ボルト伯爵家の手の者かだけど、前者ならさすがにいきなり謀殺しようとはしないだろうし、後者の線が濃厚だろうね。――僕の力量も、おそらくは同行者が“天魔の再来”であることも、十分に承知している連中だ。罠に飛び込むのは危険すぎる」
「げっ、マジか。そんなヤバいやつだったんだ」
「おそらく、ね。ごめん、君を巻き込んでしまって」
「いやいや、それは気にしないでよ。マグの敵はあたしにとっても敵さ」
「ありがとう」
しかし、それにしてもあまりに手回しが早すぎるな。
パーティーの一件が三日前で、父上に廃嫡されたのが一昨日。その日のうちに王宮を抜け出して、夜は城下の宿屋に泊まり、翌日には王都を発った。それなのに、もう捕捉されてしまうとはね。
異母弟のロジャーを王位に就けるため、僕が隙を見せるのを虎視眈々と待ち構えていた、ということなのだろうか。
僕としたことが、迂闊だったな。
とにかく、さっさとこの村を発つとしよう。
レニーとも話し合った上で、僕たちは予定通りシャロ―フォードを目指すことにした。
追っ手を撒いてしまうのはおそらく不可能だろうから、それなら変に遠回りしても意味は無い。
村を出る前に、近くにいた男性に話を聞いてみた。魔物の被害が出ていると聞いたが本当か、と。
彼が答えて言うには、魔物はしばしば出没するが、最近は大きな被害が出るような状況は起きていない、とのことだった。
やはり鎌蜥蜴うんぬんの話は出まかせだったようだ。
ラークヒルの村を出て、昼過ぎにはタンベリーの町に着いた。
まだ時間は早いけれど、今夜はこの町に宿を取ろう。
「油断は禁物だけれど、連中、宿を襲撃して騒ぎを大きくするつもりはなさそうだ。問題は、野宿しているところを襲われる可能性だな」
「タンベリーを出たら、次のウィンザーの町に行くにはヒースリー山地を越えないといけないんだよね。まあ、朝早めに発てば夜までにはウィンザーに着けるけど」
「山越えの時も、襲撃に気を付けた方がいいだろうな」
「そうだね」
今夜は早めに休んで英気を養っておきたいところだけれど、宿に泊まっているからといって完全に警戒を解くことも出来ないからなぁ。
「マドラに番をしてもらった方がいいかな」
僕は荷物の中から、50cm四方ほどの布を取り出し、宿屋の床に広げた。
キラキラと光る糸で刺繍されているのは、召喚魔方陣。そしてその刺繍糸は、レニーの使い魔である魔道蜘蛛・プリコピーナの糸を紡いだ特製の魔道糸だ。
「――我との盟約に従い、疾く来たれ。召喚魔法」
召喚魔方陣が淡い光を放ち、一頭の黒犬が姿を現した。
言うまでもなく、普通の犬ではない。僕の使い魔、黒妖犬のマドラだ。
「わー、マドラ久しぶりー」
「わぅん!」
レニーにモフられて尻尾を振っている姿は、完全にただの犬にしか見えないが、一流どころの魔道騎士に引けを取らない程度には強い。十分戦力になってくれるだろう。
「じゃ、早速だけど部屋の番を頼むよ」
例によってプリコピーナに結界を張らせた上で、マドラに留守番を任せ、僕たちは町に出た。
タンベリーは宿場町としてそれなりに栄えており、小規模ながら冒険者ギルドも存在する。
「まあ、タンベリーで冒険者をしているのって、ヒースリー越えの旅人の護衛を専門にしている人たちが多いんだけどね」
レニーが教えてくれた。
ヒースリー山地を越える峠道は、街道として整備されてはいるものの、山中に潜む魔物たちが出没する危険性は高い。
それで、タンベリー~ウィンザー間の護衛を専門に請け負う人たちがいるのだ。
「でも、護衛を無条件に信用できるものなのかな?」
僕たちは護衛を雇うつもりもないのだけれど、仮に雇ったとして、いきなり山中で追い剥ぎに早変わりされたら堪ったものじゃないだろう。
「ここのに限らず、護衛を専らにしているギルドの結束は固くってね。相互に助け合う反面、面汚しはとことん追い詰めて制裁するんだよ。自分たちの信用を守るために。それでも、質の悪いのを引いてしまうリスクが全く無いわけじゃないけど、そこは自分たちだけで峠越えをするリスクと天秤だね」
「なるほど。勉強になるな」
などと話をしつつ、冒険者ギルドを見学する。
雇うつもりも雇われるつもりも無いのにこんなところに来たのは、見聞を広めるためというのもあるのだけれど、昨日から試してみている、魔力の波動を感知する練習でもあった。
ギルドの建物の中には数人の冒険者がおり、それなりの使い手も混じっているようだ。目を閉じて、それらの人たちと、レニーの魔力を識別する。
「あのー、護衛のご用命ですか? それとも、ご登録ですか?」
受付の女性が躊躇いがちに声を掛けてきた。
うん、ちょっと怪しく見えるかもしれないな。
「すみません。検討中なんです」
そう言い訳して、もうしばらく魔力感知の練習を続ける。
「おっ、新人かい? よかったらうちのパーティーに入らないか?」
「馬鹿、そんな気軽に誘ったら胡散臭く思われるでしょ」
「まったくだ」
僕たちに――というかレニーに、声を掛けてきたのは、中々に強力な魔力を有する三人だった。
声からして、男二人に女一人。おそらくはタンベリーを拠点にしている冒険者パーティーだろう。
1
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
本当の外れスキルのスロー生活物語
転定妙用
ファンタジー
「箱庭環境操作」という外れスキルしかないエバンズ公爵家の長男オズワルドは、跡継ぎの座を追われて、辺境の小さな土地を与えられて・・・。しかし、そのスキルは実は・・・ということも、成り上がれるものでもなく・・・、スローライフすることしかできないものだった。これは、実は屑スキルが最強スキルというものではなく、成り上がるというものでもなく、まあ、一応追放?ということで辺境で、色々なことが降りかかりつつ、何とか本当にスローライフする物語です。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
ダンジョンで同棲生活始めました ひと回り年下の彼女と優雅に大豪邸でイチャイチャしてたら、勇者だの魔王だのと五月蝿い奴らが邪魔するんです
もぐすけ
ファンタジー
勇者に嵌められ、社会的に抹殺されてしまった元大魔法使いのライルは、普通には暮らしていけなくなり、ダンジョンのセーフティゾーンでホームレス生活を続けていた。
ある日、冒険者に襲われた少女ルシアがセーフティゾーンに逃げ込んできた。ライルは少女に頼まれ、冒険者を撃退したのだが、少女もダンジョン外で貧困生活を送っていたため、そのままセーフティゾーンで暮らすと言い出した。
ライルとルシアの奇妙な共同生活が始まった。
『追放された底辺付与術師、実は【全自動化】のチートスキル持ちでした〜ブラックギルドを追い出されたので、辺境で商会を立ち上げたら勝手に世界規
NagiKurou
ファンタジー
「お前のような、一日中デスクに座って何もしない無能はクビだ!」
国内最大のギルド『栄光の剣』で、底辺の付与術師として働いていたアルスは、ある日突然、強欲なギルドマスターから追放を言い渡される。
しかし、彼らは知らなかった。ギルドの武器の自動修復、物流の最適化、資金管理に至るまで、すべてアルスの固有スキル【全自動化(ワークフロー構築)】によって完璧にシステム化され、回っていたことを。
「俺がいなくなったら、あの自動化システム、全部止まるけど……まあいいか」
管理権限を解除し、辺境へと旅立ったアルス。彼は自身のスキルを使って、圧倒的な耐久力を誇る銀色の四輪型重装ゴーレムを作り出し、気ままな行商を始める。
一度構築すれば無限に富を生み出す「全自動」のチートスキルで、アルスの商会は瞬く間に世界規模へとスケールしていく!
一方、すべてを失ったギルドは、生産ラインが崩壊し、絶望のどん底へと突き落とされていくのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる