須今 安見は常に眠たげ

風祭 風利

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体調不良

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「げほっ、げほっ。 ・・・あーっ、どっちが原因だろう? げほっ。」


 時刻は7時半、本当なら学校に向かうために電車に乗っている時間なのだが、僕は今自分の布団で横になっている。


 昨日林間学校から帰ってきて、その後に母さんと一緒にご飯を食べた後にお風呂に入ろうと思って、椅子から立った時に帰ってくる前よりもふらつきが酷くなり、今日の朝起きたときに、体調が優れるどころか、まともに歩くことも出来なくなっていたので、母さんが学校に連絡をして休みをもらった。


「学校には言ったから、今はゆっくり休みなさい。 なにかあったら連絡しなさいね。 母さんもなるべく早くに帰れるようにはするから。」


 母さんは僕の部屋に薬と朝御飯を置いていってくれた。 食欲は無いのでそのまま寝ている。


「我ながら情けない・・・かな? ちょっとはしゃぎすぎてる気がする。」


 高校に入ってから元々外に出なかった質だったのに、柄にもなくはしゃいでいる気がしなくもない。 そんなにはっちゃけるような性分でも無かったのになぁ。

 しかし体調管理も出来ないほどに自分のからだの変化に気が付けないとは。 こりゃ少し自重しなければいけないかも・・・


「・・・着替えよう・・・」


 多分昨日から布団に潜りっぱなしだったので汗が尋常じゃない。 気持ち悪くなる前に着替えようと思った。 ついでにシャワーも浴びて、ベタつき感も無くそう。 正直歩くのも辛いがそうも言ってられないので、なんとか壁伝いで歩いていった。


 ――――――――――――――――


 何時もいるはずの人がいないというだけで、ここまで寂しくなることはないと思っていましたが、なんといいますか、違和感というか心の中にぽっかりと穴が開いたような、そんな雰囲気におそわれていました。


 館君が体調を崩したと報告が朝のHRで伝わり、私はとても申し訳無い気持ちになりました。


 お昼になったときにいつも一緒に食べていた人がいないので、いつもの場所で食べても喋る相手もいないので、1人寂しかったです。


「私、彼に対して何を想っているのでしょうか?」


 孤独に感じている訳ではないのに、何故か彼がいないだけで胸の奥から、なにか不思議な気持ちが浮かんて来ます。


 午後も授業に集中出来なかったですし、(珍しく起きていられたのに、見てくれている人がいなかったのを忘れていました。)部活でも、材料の分量を間違えてしまう始末です。


 何故だか色々な事に支障が出てしまって、しっかりしなければと自分自身に言い聞かせていた事もありました。


「・・・そうです。 お見舞いに行きましょう。 もしかしたら館君の顔を見ていないからおかしくなっているのかもしれないです。」


 自分でも訳の分からない理論をペラペラと喋りながら、部活終わりにお見舞いの品を買いにいかなければと思い、母に帰りが遅くなると連絡を入れて、早足でスーパーへと向かうのでした。


 ―――――――――――――――――


「・・・んぁ・・・ 今何時だろう?」


 シャワーを浴びて着替え終わった後、シーツを入れ替え後にまたダルさが襲い、変えたばかりの布団にそのまま横になり眠ってしまったようだ。


 携帯の時間を見ると4時になりそうになっていた。 朝から多分寝てしまっていたので8時間は最低でも寝ていたのか。 我ながらこんな時間までよく寝れたものだなと関心をしてしまう。


 そんな携帯から着信音が鳴る。 「母さん」と書かれているので、すぐに出る。


「もしもし?」

『もしもし、光輝? 起きたみたいね? どう? 気分は?』

「うん。 少し良くなったような気がする。 まだ体がダルいけど。 というか仕事は? まだこの時間は仕事でしょ?」

『私が育てた部下が優秀でね。 先に帰してくれたのよ。 まあ、あれくらいならちゃんと終われるでしょ。』


 それは良かったことで。 ということは今は帰っている途中なのかな?


『どう? 食欲はある?』

「んー。 お腹は空いてるから、なにか食べたいかな。」

『そう。 ならなにかお腹に優しいもの買って帰るから、もう少し待ってて。 まだ体調が優れないなら、もう一回寝てなさい。 治ったと思ったときが一番危険だからね。』

「分かった。」


 そう言って電話が切られる。 寝ていなさいと言われても先程まで寝ていたので正直今は眠くはないのだ。 なにか適当に時間を潰しておこう。



「・・・・・・あれ?」


 いつの間に寝てしまっていたのだろう? 携帯を手に持っているということは、ネットサーフィンしていたかなにかだろう。 携帯の電源をつけると、編みぐるみの画像が見えていた。


「母さん、帰ってきたかな?」


 時間を見ると6時を差していた。 僕は寝ることもなくただただベッドに横になっていた。 下からは何も聞こえては来ない。 外は夏に向かっている為、太陽が出ているため明るい。


「階段を降りて・・・ いったっ・・・・・・」


 起きようとして体を動かすと頭痛が起きて、またベッドに倒れてしまった。 もう少し目を瞑っていよう。 まだ体が安定していないのかもしれない。 もう一度寝れば、治ってるかも・・・しれないし・・・

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