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《246》ゲームの行く末
突如、扉が開け放たれる。
二人はやってきたレイゲルとロイドに連れられ、ものの数秒で部屋を退出した。まさに光のスピードだ。
一人になったノワは、しばらく狐につままれたような思いで立ちすくんでいた。
複数人の夫に、聖女の慈悲。夜の世話までする近衛騎士、そして二年後、護衛騎士として王宮へやってくる、黒いシルエットのサブキャラクター。
《全てのキャラクターの好感度が90パーセント以上で解禁》
前世に、予告PVで見たアレだ。
シナリオは全く知らないが、設定が酷似している。
(これは·····)
ノワの脳内で、ある予感が渦巻く。
そしてすぐ却下した。
ついでで、自身の頬を強くひっぱたく。もうゲームのシナリオはエンディングを迎えたのだ。これ以上波風が経つはずがない。そうに決まっている。
この世界はシナリオ通りにならなかった。
一応のハッピーエンドを迎えたということは──。
(僕は、みんなを幸せに出来たってこと?)
ゲーム内で、ルートに選ばれなかった他の攻略対象は、殆どが不幸を辿っていた。
前世のノワはゲームをクリア出来ていない。しかし、"イケロマはクリアキャラ以外のその後が酷い"と有名だった。
気になって少し調べたことがある。
例えばロイドは、主人公を守って刺殺される。アレクシスは無理心中をはかるも実行できず自害し、ユージーンは親が決めた婚約者と結婚し沢山の側室に溺れるも、愛を知らずに生涯を終える。キースは忽然と姿を消したという。
フィアンだけが、どのルートでも立派な皇帝として描写されていた───らしい。
初めて知った時はとんでもない胸糞ヤンデレゲームだと思った。乙女ゲームなんだから、せめて攻略対象は殺さないでくれと思ったが、その頃は既にフィアンにどっぷり「沼って」いたため、途中で辞める気にもなれなかった。
もう、心配することは何もないんだ。
胸の中に漠然とくすぶっていた不安を拭う。
そして、はたと立ち止まった。
一人だけ、怪奇な存在がいることに気づいた。
シュテルン大公爵──フィアンの義弟、イアードだ。
彼の纏うオーラを思い出し、ノワは身震いした。
やはりフィアンの言いつけ通り、彼とは関わら無い方が良い。
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