【完結】悪役令息に転生した社畜は物語を変えたい。

亜依流.@.@

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《251》触れ合う治療

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「僕?」


「というのが八割で、あとの二割は、できるだけ兄さんに会えるようにする為です」 


アレクシスは涼しい顔で言った。


「他の者には任せられませんから」


「アレク~!」


ノワは堪らずアレクシスに抱きついた。
頼もしくなった彼が、同じくらい愛おしい。伸びてきた大きな両手がノワを抱き締め返した。


「そんなこと言われたら、なんでもなくても具合悪いフリして、呼んじゃうかも」


悪戯心から言う。
「忙しいので控えてください」なんていう返答が来ると思った。


「代価には、兄さんの愛を下さい」


返ってきた言葉は、予想とは違っていた。


「兄さんの体調が全開した頃、頂きに参りますので」
 

長い指が、スリーパー越しに背をなぞる。
不意打ちのそれに飛び上がる。こめかみに鼻を擦り付けられた。


「良いですか?」


昔より、声が低くなったように思う。
耳元で囁かれると、良くない刺激が身体を駆けた。


「わ、分かんない」

「分かりませんか」


彼から離れようとして暴れると、不意に身体を突き放された。


「え?」


ノワは軽い衝撃とともにベットへ押し倒されていた。
頬を白銀の髪が撫でる。真上に、氷を彷彿とさせる美青年の顔があった。


「では、さっき、俺が何をしてると思ったのですか?」

「!」

「あれは、人の温もりを近くに感じることにより神経的な不調を緩和する治療法だったのですが」
 

そんなの知ったことか。
起きたら、弟が鼻息を荒くして身体のあちこちを嗅ぎ回っていた。それも息を殺すように名前を呼んで、熱い吐息を吹きかけるのだ。

いくら美形だからって、完全にアウトだろう。
こっちからしたら、とんでもない変質者だったんだ。


「し、知らない·····」


あれは絶対に確信犯だった。
逃げるようにして顔を逸らす。


「まだ治療は終わっていません」


顎に添えられた人差し指が、ノワを呼び戻した。
無感情な唇が僅かに微笑む。


「身体に優しく触ることにより、脳の神経伝達物質が分泌されます。これをオキシトニンと言います」


すごく魅力的な笑顔だが、言っていることは全くもって理解できない。


「お、おちしと·····?」


「オキシトニンには、脈拍や血圧を安定させる作用があります。試してみましょう」


試さなくて良い。
ノワが断るより先に、大きな手が頬を包んだ。

















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