【完結】僕らの関係─好きな人がいるのに、学園の問題児に目をつけられて─

亜依流.@.@

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全寮制の男子校、私立掟聖学園には、学力向上を目的としたある特殊制度が存在した。

 通称、掟聖ペア制度。三年と二年の生徒が二人一組のペアを作り、三年は二年の学業の面倒を、二年は三年の身の回りの手伝いをする。

ペアになる方法は至ってシンプルだ。新学期と共に、二年の生徒には全員にペンダントネックレスが支給される。ペアを申し込む三年がそのペンダントに指紋をかざし名乗れば、申請が完了する。

審査の上ペアが認められれば、これは三年が卒業を迎えるまで有効とされる。


   翌朝、優介は目を覚ますや否や、洗面所に駆け込んだ。

寝衣を脱ぎ捨て、姿見へと身を乗り出す。

ペンダントには緑の光が点滅している。司とのペアが正式に認められた証拠だった。


「あああああ」


優介は叫んで、がっくりと肩を落とした。

家事は苦手で、成績は下の下。唯一まともな運動神経なんて、ペア制度においてなんの価値も持たない。


「おい!まだ洗面所使ってるのか?」


同室の生徒の声にもう終わると言い返し、優介はのそのそと身支度に取りかかる。

戦場へ行くかの如く重苦しい表情の優介に、脳天気なルームメイトは大きな欠伸をしてみせた。










「今日の授業はここまで。しっかりと復習して今度の定期テストに備えるように」


ホームルーム担任兼数学科担当の山下が小言を挟む。

生徒たちは口々に不平不満をもらした。

「えー、それから」


中指で眼鏡を持ち上げ、山下は教室を見渡す。

優介は、蛇のような目と一瞬視線が合った気がし、慌てて明後日の方向を見た。


「入谷」


 案の定、名前を呼ばれた。


「放課後、職員室に来なさい」


容赦なく告げた山下が教室を出ていき、チャイムを合図に、生徒たちはワラワラと動き出す。


「お前、何したの」


さっそくやってきたのは、クラスメイトの大輝と隼人だ。

職員室への呼び出しをからかうつもりなのだろう。


「別に」


優介は不愛想に返答した。


「心当たりが多すぎて分からないんだろ」


大輝が間髪入れず嫌味を言う。快活に笑う褐色の青年をじろりと睨みつけ、優介は歯をむき出した。


「大輝だって赤点だったくせに」


「一桁と一緒にされたくありませーん」


大樹とは、顔を合わせれば言い合いばかりだ。二人のやり取りを笑っていた隼人は、そういえば、と思い出したように話題を変えた。


「お前ら、ペア決まった?」


優介の耳に痛い話題だった。


今日から、あの恐ろしい先輩にこき使われる。

2人がペアの話で盛り上がっているのを横目に、優介は机に突っ伏した。

 

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