【完結】僕らの関係─好きな人がいるのに、学園の問題児に目をつけられて─

亜依流.@.@

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口内を撫でながら、翔の唇がリップ音を落とし、優介の唇を吸った。

怯えるようにあとずさると、翔の手が首元へ回される。


「ん、ン·····っ」


優介の背を、ゾクゾクと甘い痺れが駆けて行った。

酸素を求め、息を吸う。逃げ場を塞ぐように、翔の舌が更に奥へと侵入してきた。

あたたかくて、気持ちがいい。この温もりが翔だと思うと、口内は可笑しいくらい敏感になった。

唇が離れ、二人の吐息が重なる。

力の入らない身体は簡単に押し倒され、大きな手がシャツの中へ滑り込んできた。


「あ·····っ先輩·····」


舐め上げるような、いやらしい手つきだった。優介の身体は、淫らな熱を閉じ込め湿ってゆく。

こちらを眺めた艶やかな瞳に、優介はギクリと体を強ばらせる。


「待って·····」


優介の言葉を無視して、翔が首元へ顔をうずめた。


「あ····っ!」


何度も、何度も、首筋へ強く吸い付かれた。


「好きだよ·····」


見つめ合い、再び唇を塞がれる。

味わうような口付けは、また啄むようなものへと変わった。

静かなリップ音に、淫らな吐息が混じる。少しずつ息の仕方を覚えた優介の服を、翔はゆっくりと脱がせていった。

その先を期待して、優介の身体が震える。

翔が、自分を好き。甘い低音が告げた言葉を思い出す度、鼓膜さえ甘く疼くようだった。


(俺も、中篠先輩が、好き·····)


脳内で反芻する言葉は、驚きのせいで紡ぐことが出来ない。

不安気に揺れる優介の瞳から、熱いものが零れ落ちた。

ぼやけた視界の先で、翔が驚いたように目を見開いた。

彼の手は、行き場をなくしたように握りしめられる。


「·····ごめん、入谷」


「ちが·····」


否定しようとした優介は、立ち上がった欲望を隠すため、慌ててシャツを手繰り寄せる。

伏せられた翔の瞳は、胸が締め付けられるほど切なげに揺れていた。


「困らせてごめん」




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