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「な·····え?!」
優介は叫びかけ、慌てて口を閉じる。隣のクラスメイトは「お?」と、愉快気な声を上げた。
「会長と、ラブラブ」
「わああああ」
隼人の言葉を遮り、優介は赤面する。
彼は、すでに何かを知っているようだ。優介は両手で顔を隠し、指の隙間から目をのぞかせた。
「まず、なんで俺が先輩とペアになったこと知ってるの?」
「はは、お前、本当馬鹿」
セリフに似合わず、爽やかな笑顔だ。優介は顔を顰めた。
「まあ、優介は中篠先輩に手取り足取り教えてもらえば良いんじゃね?イロイロと」
「やだよ!ていうか、そんな迷惑かけらんないし、嫌われたくないし…」
「いや、むしろ喜ぶと思うけど」
隼人はあっけらかんとして言い、再びゲームに没頭し出す。
優介は、不貞腐れたようにため息をついた。
窓の向こうを眺める切れ長の目は、時折、何かを考えるように伏せられた。
「どうしたんだ、あいつ」
「ほっとけって。話しかけてもガン無視」
いつにも増して近寄り難い雰囲気の司を、クラスメイト達は遠巻きに見ていた。
司の脳内を占領しているのは、昨日の優介だった。
力でねじ伏せてしまえば良かったのに、それを躊躇したせいで階段から落ち、挙げ句集団に殴られるはめになった。
しかし、目の前に現れた優介に抱いたのは、怒りや苛立ちとは程遠い感情だった。一度犯したはずの肌にさえ、触れ方に戸惑う始末だ。
2年の頃から、妙に目につくやつだった。
腑抜けた笑顔が、なぜか視線を奪うのだ。
あの日屋上で会ったのは、偶然だった。助けるつもりなんてなかったのに、気がつけば身体が動いていた。
「·····」
自分と居る時の優介を思い出す。
浮かんでくるのは、怯えた表情と拒絶する言葉だけだった。
「てか、あの傷どうしたんだ?」
「知らね。聞いても無視だって言っただろ」
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