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「傷口の、絆創膏取り替えないと」
「はぁ?」
眉をひそめた司は、端正な顔立ちが相まって、更に威圧的だ。
司は、昨日のようにベッドへ腰を下ろした。
どうやらそれが、彼なりの承諾の合図らしい。
優介は司の隣に腰掛け、しかし彼の額に手が届かなくて、また立ち上がる。
腫れは引き、血は止まっていた。
薬を塗り、絆創膏を貼る。立ち上がろうとする司から半歩引いて、優介は頭を下げた。
「あの、昨日、ごめんなさい」
あの時、司の話を聞いていれば、彼が傷を負う事態は防げていた。
沈黙の後、司が口にしたのは、その話とは全く無関係な事だった。
「お前中篠が好きなの?」
「··········えっ」
優介は驚いて司を見上げる。
全くもって意図の読めない質問だ。
口ごもっていると、司は物を持ち上げるように、優介を膝の上に座らせた。
「ちょっ····」
「あいつの何が良いんだ?」
こちらを覗き込んできた司に躊躇い、優介は彼の胸を押す。
「お、降ろして····」
両手に力を入れるが、硬い身体は、びくともしなかった。
狼狽えた優介を、冷めた瞳が眺める。
「またそれかよ」
「え?」
ボソリと呟かれた声は聞き取れなかった。
「あいつとは、もうしたのか?」
「あ····!」
がしりと腰を掴まれる。シャツをまくり上げられ、素肌があらわになった。
「·····なんだよ、コレ」
優介の身体には、赤い斑点が散りばめられていた。
行為中、翔が執拗に吸い付いた印だった。
「お前って、案外股緩いんだな」
司が、嘲笑するように言った。
「·····っ」
優介の顔は、耳の付け根まで真っ赤に染まる。
初めては、大好きな人と。しかし、目の前の相手は、それを許してはくれなかった。
(なんで、怒ってるの?)
首筋に唇が当てられる。
強く噛みつかれ、一瞬気が遠のくほどの痛みが走った。
優介の悲痛な叫び声は、司の掌に塞がれた。
「忘れたんじゃねぇだろうな?」
光をともさない黒目に、ふっと笑みが浮かんだ。
「お前は俺の物だ。誰を好きだろうと、関係ない」
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