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「そんなに辛いなら、辞めちまえよ」
大輝は、ぶっきらぼうに言った。
「お前がウジウジしてんの、見てらんねんだよ···そんなんなら、最条先輩なんて糞食らえだ」
「·····そうだよね」
優介がむくりと起き上がる。
あっさりと肯定されたことに驚きつつ、大輝は、そうだともと強く首を振った。
「お前と会長は、合わない!お前の事よく知ってて、誰よりも愛してる奴がもっと近くに·····」
「俺がいつまでも曖昧だからいけないんだ」
「·····ん?」
ウジウジと言ったが、それは別に優介の態度を「曖昧だ」と責めたかった訳では無い。
今一度覗き込んだ優介の瞳には、何やら決意の念が込められていた。
「大輝ありがとう。俺もっとしっかりしないと」
「は··········え?」
優介は端末を取りだし、文字を打ち込み始める。
何が何やらさっぱりだが、どうやら、生気を取り戻したようだ。
大輝は諦めるように頬杖を着いた。
翔は、第二校舎の図書室に向かっていた。
優介が指定した待ち合わせ場所だ。彼の方からコンタクトを取ってきたのは、嬉しい誤算だった。
野暮用で少し遅くなってしまった。
教室に着いた翔は、本棚を縫って進む。優介は、机の上で、すやすやと規則正しい寝息をたてていた。
大きな瞳は閉じられ、長く細い睫毛が空気を纏うようにそれをふちどっている。
優介は自分を拒んだ。
想像さえしていなかった事だった。
『好きじゃなくなった』
ただその一言で、生涯忘れることのできないこの気持ちを、どうしろと言うのだろうか?
「ん·····」
優介の睫毛が震える。
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