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二章
re.《438》ずっと待ってる
しおりを挟む近づいてきた吐息に、情けないほど身体が震える。
初めてだった。
予感だけでこんなにも期待したのは。
「るし·····っ」
彼のフェロモンだろうか?
存在し得る生き物の中で最も強力な男の牙に当てられれば、勝てっこないだろう。
それとも、これは他になにか理由があるのだろうか?
果たして、すんでのところで顔を背けていた。
これ以上は、取り返しがつかない気がしたのだ。
「ミチル」
そっと握られた手は汗ばんでいる。
うっとりするような真紅からまた目を逸らしてしまった。それなのに子猫を可愛がるように頬を撫でられて、しっぽが出ていたらきっと忙しなく振り回していただろう。
暫くしてそっと手のひらが離れていった。
部屋まで送ると彼が言う。時間が経ったのだ。
もう別れないといけないんだ。
(?)
───次はいつ会えるのか?
身に覚えのある不安に、胸元を握りしめる。
誰かを、ずっと待っていた。
·····誰を?
これは、いつの記憶だろうか。
気がつけば、立ち上がりかけた彼の袖を引っ張っていた。
振り返った男の顔は、やはり胸が痛くなるほど端正だった。
「ぁ·····」
「連れ去ってしまいたくなる」
甘い台詞なのに、とても連れて行ってはくれなさそうだ。
部屋まで。あと少し一緒にいられる。
でもその後は?
また、レイモンドへ託けがあるのを、いつかも分からず待つのだろうか。
こっちから声をかけることは出来ない。
待っいるだけだ。
「ルシ」
名前を呼んだら、彼は思わずというように口元を綻ばせた。
「あ、の」
(あと1回だけ·····)
さっきの、答えを教えてくれるかもしれない口付けを。
普段の自分からはありえないような願い。
───それを口にする機会は、突如開かれた扉の音に抹殺された。
登場したのは、冷ややかな感じのする美男だ。
それがなんだか、今日はいつにもまして刺々しい。唖然としていたミチルは、目が合うと思わず体を強ばらせる。
なぜ、彼がここに?
「·····ダリア?突然どうし───」
「ミチル」
ルシフェルも構わず、ダリアは開口一番告げた。
「
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