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ビンタ
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女の人と見つけてしまった赤ん坊を警察署へ連れて行くことにした。赤ん坊を抱き上げるとぬいぐるみ犬も付いてくる。ついでに犬も警察署へ連れて行くことにしたのだが、まだ子犬なのでチョロチョロ動き回る。飛んでいるハエを追いかけてみたり、水たまりに突っ込んでは水を飛び散らしたり、しまいには反対側から歩いてくる散歩中の犬に飛びかかったり。幸いにも相手の犬も威嚇したりせずに一緒に遊んでくれたが、これが喧嘩にでもなっていたらどうなっていたことやら。そんなこんなでなかなか前に進まないので結局僕が抱っこして連れて行くことになった。まだ捨てられたばかりなのか子犬も、赤ん坊も綺麗なままで、見たところ怪我もなく、オムツもまだ無事のようだった。
公園を出てから200メートルほど歩いただろうか、女の人が急に立ち止まった。その視線の先には一人の男が立っていた。厳密には歩いているのだが女の人の引きつった表情からから空気が、世界が凍りついて見える。そんなことを考えているうちに男が僕の目の前まで迫ってきていた。僕よりも背が高く、怒っているかのように無口で怖い顔をしている。僕の隣に立っている女の人と、女の人の腕の中にいる赤ん坊を一瞬眺めたかと思うと、僕の顔めがけて手が飛んできた。そろそろ状況がわかった人もいるだろう。そう、僕は女の人の親父さんにビンタされたのだ。
公園を出てから200メートルほど歩いただろうか、女の人が急に立ち止まった。その視線の先には一人の男が立っていた。厳密には歩いているのだが女の人の引きつった表情からから空気が、世界が凍りついて見える。そんなことを考えているうちに男が僕の目の前まで迫ってきていた。僕よりも背が高く、怒っているかのように無口で怖い顔をしている。僕の隣に立っている女の人と、女の人の腕の中にいる赤ん坊を一瞬眺めたかと思うと、僕の顔めがけて手が飛んできた。そろそろ状況がわかった人もいるだろう。そう、僕は女の人の親父さんにビンタされたのだ。
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