世界樹の管理人～なぜ彼は異世界でモテるのか？～（仮）

獣人国グエン

２１４．ルシアおこ

自分の考えなしのせいで起こった天変地異に対応するためにメアと二人で対処をすることにした俺。

「我主よ。それでどうするんじゃ。」

魔法で一気に雷雲なんかを散らしたいところだけどそれをやったらまた思わぬ結果になるかもしれない。

今起きている現象を少しづつ解消するしかないかな。

「メアは時魔法であの竜巻の動きを小さくしてもらえるかな。」

おそらく俺みたいに《プログラム》がないと魔法で細かいコントロールをするのは難しいと思うんだよね。

それに時魔法なら動きが遅くなって相対的に被害が減ると思う。

「うむ、任された。」

メアの発する魔力が膨れ上がると竜巻の動きがゆっくりになる。

これで時間稼ぎができた。

俺は《プログラム・素粒子操作》で分子の運動を活性化することで熱エネルギーを溜め空気の温度をゆっくりと上昇させることで温度差を無くし上昇気流のゆっくりと終息に向かわせる。

合わせてメアが時魔法で動きを鈍らせている竜巻にも干渉して少しずつ終息に向かうように誘導する。

そうしている間にも強風や竜巻で巻き上げられて大岩や巨木や雹が降ってくるのを避け、空間を切り裂く落雷を避ける。

１０分ほど経つと風が弱まり３つもあった竜巻も無くなった。

あとはただの雷雲があるだけで異常な稲妻も発生しなくなりただの雨と雷が発生しているだけだ。

「あとは自然に雨が止むのに任せてみんなのところに戻ろうか。」

「うぬ、なかなか興味深い現象をしれたのじゃ。」

メアが何度もせがむのでどうしてこうした現象になったのかを俺の分かる範囲で説明したのが一番疲れたかもしれない。

プライベートルームへの入り口を開けてみんなも元に向かった。







コテージの前の草原に獣王騎士団の面々が思い思いの格好で休息をとっている。

「お帰りなさいませ。旦那さま。」

今日の一番の挨拶は我執事ロボットだった。

「ただいま、セバス。特に問題はなさそうだな。」

「はい。」

「婿殿、無事に戻られたようだな。外の様子はどうなのだ？」

俺に気が付いたライオネル将軍がこちらにやってきた。

他の獣王騎士団の団員とも挨拶を交わす。

「風は止みましたがまだ雨がひどいの止むまでここで寛いでいてください。食事も用意しますので。」

「それは有り難い。」

プライベートワールドについて誰かが説明してくれたのだろうか？

特に何も聞かれないな。

他のみんなの様子を確認しようとコテージのドアに手をかけると内側から扉が開いてエナちゃんとリーネさんが飛び出してきた。

「うお、びっくりした。二人ともただいま。」

とっさのことだったがこの世界に来て上がったステータスのおかげでしっかり抱き留めることができてよかった。

「「おかえりなさいお養父さん（おじちゃん）」」

二人の手を取って一緒にコテージの中に入る。

「ソラ、やっと帰ってきたか。腹が減ったぞ。」

「ブヒブヒ」（主がいないからお預けだったんだぞ）

「すまんな。それじゃすぐに食事にしようかって。食事の用意は終わってるのかな？」

「ええ、もちろん終わってるわよ。」

さすがエリナ。

俺はこんなできる妻を持てて幸運だな。

「そんなことよりもソラここに座りなさい！」

ルシアが怒気を放ちながらそんな言葉を発した。