YONAOSHI シリーズ for CONSUMPTION TAX

田中葵

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スリーピース 第2章

第41波 ― メディアと言論の翻訳ー情報をどう市民に届けるか

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第41波 ― メディアと言論の翻訳

1. 記者クラブで

 国会の記者クラブ。
 政策説明を終えた三笠勢津子(総務相秘書官)が、記者たちに囲まれていた。

「専門用語が多いと記事に落としづらいんですが」
 若い記者が口にすると、三笠はにっこり微笑んだ。
「でしたら、“子どもの未来を支える仕組み”と書いてください。それが本質ですから」

 言葉が解かれる瞬間、記者たちのペンが一斉に走り始めた。



2. 報道番組の編集室

 報道ディレクターの鈴木亜湖(デジタル相の広報担当でもある)が、編集スタッフに指示を出していた。
「大臣のスピーチ、カタカナばかりじゃ伝わらない。
“デジタル・ガバナンス”は“暮らしの安全を守る仕組み”に言い換えて」

 ベテランスタッフは「甘くしすぎじゃないか」と首をひねったが、亜湖は揺るがなかった。
「視聴者が理解できなければ、意味が届かないんです」



3. コミュニティFM

 地方都市のコミュニティFM局。
 元山財務相の会見が中継された後、パーソナリティが語った。
「難しい言葉が並んでたけど、要するに“家計簿を赤字にしない努力を国でもする”ってことですよね」

 電話を寄せたリスナーが笑って言う。
「それなら分かる! うちの財布と同じだ」



4. SNS空間

 ネット上でハッシュタグが盛り上がっていた。
 #政策を読み換えてみた
 市民が難しい政策用語を自分たちなりに言い換えて拡散していた。

「少子化対策→“子どもが笑顔で育つ社会づくり”」
「カーボンニュートラル→“地球に息継ぎをさせる”」

 その流れを見た長瀬裕 厚労相が思わずつぶやいた。
「市民の言葉のほうが、ずっと強く届く」



5. 野党の立場から

 四ツ角エリデジタル相(青空党党首)は、自身の党のSNSで発信した。
「政策は難しく語られるほど市民から遠ざかります、確実に。
 読み換えの責任は、政治とメディア、両方です」

 そのメッセージは一晩で数万件のシェアを集めた。



6. 小山内総理のコメント

 記者会見で総理は静かに言った。
「委員会や本会議で議論が複雑になるのは自然なことです。
 でも最終的に、国民が“自分の生活の言葉”にして、活用してくれる。
 ……それこそがやり取り、そして、政治になっています」
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