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1章 新人探索者編
11話 属性魔法の把握
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次の日、早朝から資料室へと向かった。
目的は第四十七迷宮二層、三層のモンスター情報の入手だ。
昨日のチュートリアル講習で、モンスターには効きやすい攻撃と効きにくい攻撃があることがわかった。
相手がスライムクラスの弱小モンスターなら全然平気だけど、もし想定より強いモンスターが現れたなら、即対応できないと追い込まれる恐れがあるのだ。
二層、三層にはどういったモンスターが出るのかわからない状態では、どのような危険があるかわからないのだから。
「ふーん、二層はキャタピランで三層でゴブリンが出てくるんだ」
キャタピランは小型犬くらいの大きさの芋虫で、近づく者に対して体当たりをしてくる。
ゴブリンは人型のモンスターで、大きさ、膂力、体力など、全ての能力が子供くらいであり、よほどのことがない限り負けることはないと言われている。
但し、時折武器を所持している個体がいるので、油断は禁物だという。
四層から先も調べておきたいが、そろそろシェリルと合流する時間になりそうだったので、今日はこの辺にしておこう。
「おはよう、シェリル」
「……おはよ。まだ眠いよ……」
食堂でシェリルと合流したが、まだ半分寝たままっぽい。
昨夜はすぐ寝なかったのかな?
「今日は二層メインで、大丈夫そうなら三層狙ってみようか」
先程調べた限りでは三層でも大丈夫だと思う。
念のため二層で少し様子を見てみるけど。
「うん、それでいいと思うよ。三層はゴブリンだし、その先にもいけるんじゃないかなー」
俺がさっき調べた事をシェリルは既に知っていたらしい。
聞くと、昨夜寝る前に資料室へ行って第四十七迷宮について調べれるだけ調べておいたらしい。
だからこんなに眠そうにしてるんだな。
ありがたいけどこんなに眠そうで大丈夫なのかな……心配だ。
「大丈夫だって。ちょっと体を動かせばシャキっとするから」
「ヤバそうだったら直ぐに言ってよ、たった二人のパーティなんだからさ」
「わかってるって。今夜はすぐ寝るし問題ないから」
シェリルは苦笑しながらそう言う。
この日も最安値の食事で済ませて、昼食用に一番安いパンを買う。
そろそろ一日の食費くらいは稼げるようにならないと本格的にやばくなりそうだ。
一日の食費は今の最安値で計算しても、一人あたり七十Gになる。
二人分で百四十Gだから、スライムだと百四十匹倒さなければならない。
これをキャタピランやゴブリンだと、討伐数がもっと少なくて済むはずだ。
昨日のペースで進んでいくことができれば食費はいけると思う。
今日も魔法のじゅうたん便で第四十七迷宮へと向かう。
他の迷宮行きと比べると随分混んでるが、これは俺たちのようなビギナーが一斉に動いてるからだろう。
今はこの状況を受け入れるしかない。
迷宮入口のゲートから迷宮へと入る。
「一層はもう余裕だよね。だからここらで今使える魔法の確認をしておこうと思うんだ」
俺はシェリルにこんな提案をしてみた。
ここまで俺が使った魔法は時空魔法と火属性魔法だけで、シェリルに至っては全く使っていない。
どの属性でどのような魔法があるのか、しっかり把握しておきたかった。
「そだねー。水属性は把握してるけど、それ以外はわかってなかったし……二層へ行く前に調べといたほうがいいかもね」
各属性初期魔法の効果に関する説明は受けている。
しかし、それがどのように作用されるのかは実際に使ってみなければ把握できないだろう。
なので、安全マージンが確保されている一層で現状で使える初期魔法を一度使ってみてその効果を確認しておこうというわけだ。
というわけで実際に使ってみた。
シェリルが使う風属性魔法が【空気弾】。
空気の塊を相手にぶつける魔法だ。
スライムには弱点に当たるので一撃で倒したのだが、その威力は少し物足りなさを感じた。
光属性が【閃光】で、かなり強い光を放つ魔法だ。
スライム相手では効果がわからなかったが、相手の視覚を奪い命中率を大幅に低下させる効果があるようだ。
三層のゴブリン相手には大きい効果が得られるらしい。
水属性は【生命水】といって敵から受けたダメージを回復させる魔法らしいのだが、まだダメージを受けるに至っていないので試すことはできていない。
次に俺の使う土属性だ。
【土鎧】は対象者の防御を強化させるという。
これもスライム相手では効果がわかりづらい。
一応使ってみたが、黄色い光が身体を包み込んだだけで、それ以外の目に見える効果はなかった。
火属性は既に何度か使っていて理解しているから試す必要はない。
なので残りは闇属性だけだ。
闇属性は俺の適性で唯一及第点だった属性になる。
とびきり抜けて凄いわけではないけど、人並みには育っていくので、その効果をしっかりと把握しておきたい属性だ。
この闇属性の初期魔法は【黒球】だ。
威力は低いがダメージを与えて、地下効果として命中率を僅かに下げる効果がある。
これも付属効果についてはスライム相手ではさっぱりわからなかった。
結果としてスライム相手ではわからないままのことがかなり多かったけど、使う感覚などの使ってみなければわからないことを理解できただけでも良しとしよう。
現状使える魔法を把握し、いよいよ二層へと入る。
目的は第四十七迷宮二層、三層のモンスター情報の入手だ。
昨日のチュートリアル講習で、モンスターには効きやすい攻撃と効きにくい攻撃があることがわかった。
相手がスライムクラスの弱小モンスターなら全然平気だけど、もし想定より強いモンスターが現れたなら、即対応できないと追い込まれる恐れがあるのだ。
二層、三層にはどういったモンスターが出るのかわからない状態では、どのような危険があるかわからないのだから。
「ふーん、二層はキャタピランで三層でゴブリンが出てくるんだ」
キャタピランは小型犬くらいの大きさの芋虫で、近づく者に対して体当たりをしてくる。
ゴブリンは人型のモンスターで、大きさ、膂力、体力など、全ての能力が子供くらいであり、よほどのことがない限り負けることはないと言われている。
但し、時折武器を所持している個体がいるので、油断は禁物だという。
四層から先も調べておきたいが、そろそろシェリルと合流する時間になりそうだったので、今日はこの辺にしておこう。
「おはよう、シェリル」
「……おはよ。まだ眠いよ……」
食堂でシェリルと合流したが、まだ半分寝たままっぽい。
昨夜はすぐ寝なかったのかな?
「今日は二層メインで、大丈夫そうなら三層狙ってみようか」
先程調べた限りでは三層でも大丈夫だと思う。
念のため二層で少し様子を見てみるけど。
「うん、それでいいと思うよ。三層はゴブリンだし、その先にもいけるんじゃないかなー」
俺がさっき調べた事をシェリルは既に知っていたらしい。
聞くと、昨夜寝る前に資料室へ行って第四十七迷宮について調べれるだけ調べておいたらしい。
だからこんなに眠そうにしてるんだな。
ありがたいけどこんなに眠そうで大丈夫なのかな……心配だ。
「大丈夫だって。ちょっと体を動かせばシャキっとするから」
「ヤバそうだったら直ぐに言ってよ、たった二人のパーティなんだからさ」
「わかってるって。今夜はすぐ寝るし問題ないから」
シェリルは苦笑しながらそう言う。
この日も最安値の食事で済ませて、昼食用に一番安いパンを買う。
そろそろ一日の食費くらいは稼げるようにならないと本格的にやばくなりそうだ。
一日の食費は今の最安値で計算しても、一人あたり七十Gになる。
二人分で百四十Gだから、スライムだと百四十匹倒さなければならない。
これをキャタピランやゴブリンだと、討伐数がもっと少なくて済むはずだ。
昨日のペースで進んでいくことができれば食費はいけると思う。
今日も魔法のじゅうたん便で第四十七迷宮へと向かう。
他の迷宮行きと比べると随分混んでるが、これは俺たちのようなビギナーが一斉に動いてるからだろう。
今はこの状況を受け入れるしかない。
迷宮入口のゲートから迷宮へと入る。
「一層はもう余裕だよね。だからここらで今使える魔法の確認をしておこうと思うんだ」
俺はシェリルにこんな提案をしてみた。
ここまで俺が使った魔法は時空魔法と火属性魔法だけで、シェリルに至っては全く使っていない。
どの属性でどのような魔法があるのか、しっかり把握しておきたかった。
「そだねー。水属性は把握してるけど、それ以外はわかってなかったし……二層へ行く前に調べといたほうがいいかもね」
各属性初期魔法の効果に関する説明は受けている。
しかし、それがどのように作用されるのかは実際に使ってみなければ把握できないだろう。
なので、安全マージンが確保されている一層で現状で使える初期魔法を一度使ってみてその効果を確認しておこうというわけだ。
というわけで実際に使ってみた。
シェリルが使う風属性魔法が【空気弾】。
空気の塊を相手にぶつける魔法だ。
スライムには弱点に当たるので一撃で倒したのだが、その威力は少し物足りなさを感じた。
光属性が【閃光】で、かなり強い光を放つ魔法だ。
スライム相手では効果がわからなかったが、相手の視覚を奪い命中率を大幅に低下させる効果があるようだ。
三層のゴブリン相手には大きい効果が得られるらしい。
水属性は【生命水】といって敵から受けたダメージを回復させる魔法らしいのだが、まだダメージを受けるに至っていないので試すことはできていない。
次に俺の使う土属性だ。
【土鎧】は対象者の防御を強化させるという。
これもスライム相手では効果がわかりづらい。
一応使ってみたが、黄色い光が身体を包み込んだだけで、それ以外の目に見える効果はなかった。
火属性は既に何度か使っていて理解しているから試す必要はない。
なので残りは闇属性だけだ。
闇属性は俺の適性で唯一及第点だった属性になる。
とびきり抜けて凄いわけではないけど、人並みには育っていくので、その効果をしっかりと把握しておきたい属性だ。
この闇属性の初期魔法は【黒球】だ。
威力は低いがダメージを与えて、地下効果として命中率を僅かに下げる効果がある。
これも付属効果についてはスライム相手ではさっぱりわからなかった。
結果としてスライム相手ではわからないままのことがかなり多かったけど、使う感覚などの使ってみなければわからないことを理解できただけでも良しとしよう。
現状使える魔法を把握し、いよいよ二層へと入る。
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