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1章 新人探索者編
17話 ドロップアイテム換金
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迷宮から帰還した俺たちはそのまま帰ったりはせず、再度第四十七迷宮へと入っていった。
シェリルはそのまま迷宮管理局へ帰ろうとしていたんだけど、それを俺が止めた。
いやだって、このまま帰ったって次の迷宮へ行く時間があるわけでもないし、それなら時間いっぱいまでこの迷宮で稼がせてもらったほうが効率的だと思ったんだ。
というわけで、二週目に突入した。
もちろん昼食後にね。
道中は楽勝だった。
流石にスライムやゴブリンなんかじゃ相手にもならない。
とはいえ、五層のマルマジロにはそこそこ気を遣う。
それでも従来の戦い方でやればなんの問題もなく倒すことができる。
そしてそのままボス戦へ。
この日二度目のボス戦だ。
結果として楽勝だった。
最初よりも気持ちに余裕があったからなのか、シェリルも初戦よりも攻撃頻度が多く、俺の魔法の使用回数も少なく済ませることができた。
そして二度目もドロップがあった。
それも初戦とは違うドロップアイテムだ。
落としたのは、ちゃんと見ておかなければ見落とすくらいの白くて小さい珠だ。
淡く光っているような気がする。
これはなんだろう。
「シェリル、これって何かわかる?」
「どれ?え、なんかすごく綺麗じゃない?宝石みたい」
宝石か、言い得て妙だ。
そう言われたらそんな気がしてきた。
でもさすがにそれはないだろう。
ここは第四十七迷宮。
最も難易度の低いHランク迷宮なのだ。
そんな迷宮から宝石なんかがドロップされるわけがないのだから。
「宝石だったらいいんだけどね。さすがにそれはないでしょ。もしかしたら装飾系の装備品かもしれないよ」
「……そういえばボスの項目に『希少ドロップあり。自分の目で確かめよう』って書いてあったかも。これが希少ドロップかもしれないわよ」
「まあ、戻ってから聞けばいいよ。もういい時間だし、今日はここまででいいよね」
この日はこれで探索終了だ。
まだ日が沈む前だったが、タイミング的にも丁度いいんだし終わりでいいだろう。
探索三日目にして、初めて魔法のじゅうたん便で帰ることができた。
迷宮管理局へ戻ると、まずは魔石の換金から始める。
それが終わると初めてのドロップアイテムの売却だ。
「お疲れ様です。ドロップ・トレジャーアイテム買取所へようこそ」
魔石の買取所と違ってこちらのアイテム買取所は、全て鑑定士によって鑑定したうえで買い取ってくれる。
なので間違った価格になることはなく、探索者からもさる事ながらその後の販売先の卸売業者にまで、絶大な信頼があるらしい。
なので受付や魔石買取所のように綺麗な女性ではなく、ちゃんとした職人といった装いの男性がここでは対応していた。
「えーと、初めてなんだけどここに出せばいいの?」
「今年の新人探索者の方ですね。お売りになりたい品をこちらのボックス、入らないような巨大な品は言って頂ければ専用ルームで査定させていただいております」
専用ルームなんかがあるのか。
でも今の俺たちにはまだまだ利用することがなさそうだ。
「じゃあここに入れればいいんだね」
職員に指示されたボックスにドロップアイテムを入れていく。
キャタピランの糸に暴れうさぎの白い毛皮、マルマジロの硬い攻殻に、ボスからドロップした剣先スコップと光り輝く珠。
これらを全て売却する。
スライムとゴブリンからドロップした薬草は全て残しておく。
シェリルの水属性魔法、生命水で回復できるけど、万が一に備えて回復アイテムは出来るだけ常備しておきたいからね。
「は、初めてなのに素晴らしい成果ですね。おや?これは……真珠ですか?ミニブタ兵のドロップの真珠とは……久しぶりに拝見しましたよ。あ、失礼しました。では査定させていただきます」
ミニブタ兵からドロップした光り輝く珠は真珠だったようだ。
職員の様子からしてかなりレアな品なのかもしれない。
少し興奮気味だった職員だったけど、すぐに気を引き締めて業務に戻る。
さすがプロだ。
鑑定持ちの職員が査定していくので、アイテム一つにつき数秒で終われせていく。
なので全然待つことなくすぐに査定は終了した。
「お待たせしました。こちらが今回売却されるアイテムの査定額になります。ご確認のうえ、よろしければ買取とさせていただきます」
明細書を提示される。
『糸...10G×7=70G 白い毛皮...20G×8=160G 硬殻...50G×3=150G 剣先スコップ...50G×1=50G ミニ真珠...500G×1=500G』
真珠の値段が凄いことになってる。
一気に借金を減らせそうだ。
「だ、大丈夫……です。それでお願い……」
「かしこまりました。では総額九百三十Gになります。ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」
あまりの金額にうまく言葉が出なかったけど、職員の方はしっかりと対応してくれた。
売却金は全てリーダー登録してある俺のライセンスに振込まれる。
魔石も同様なんだけど、シェリルも今はそれでいいと言っているからそのままだ。
とりあえずこれで迷宮管理局からの借金は返済できるんだけど、返済したら残りのお金が心持たないので今回はまだ返済せずに貯めておこう。
まずはHランク迷宮一つ目は攻略完了だ。
次のGランク昇格資格はHランク迷宮攻略数四つなので、あと三つの迷宮を攻略すればいいんだ。
なので明日からは違う迷宮になる。
環境は変わるけど、やることは変わらないのでまたしっかり頑張っていこう。
シェリルはそのまま迷宮管理局へ帰ろうとしていたんだけど、それを俺が止めた。
いやだって、このまま帰ったって次の迷宮へ行く時間があるわけでもないし、それなら時間いっぱいまでこの迷宮で稼がせてもらったほうが効率的だと思ったんだ。
というわけで、二週目に突入した。
もちろん昼食後にね。
道中は楽勝だった。
流石にスライムやゴブリンなんかじゃ相手にもならない。
とはいえ、五層のマルマジロにはそこそこ気を遣う。
それでも従来の戦い方でやればなんの問題もなく倒すことができる。
そしてそのままボス戦へ。
この日二度目のボス戦だ。
結果として楽勝だった。
最初よりも気持ちに余裕があったからなのか、シェリルも初戦よりも攻撃頻度が多く、俺の魔法の使用回数も少なく済ませることができた。
そして二度目もドロップがあった。
それも初戦とは違うドロップアイテムだ。
落としたのは、ちゃんと見ておかなければ見落とすくらいの白くて小さい珠だ。
淡く光っているような気がする。
これはなんだろう。
「シェリル、これって何かわかる?」
「どれ?え、なんかすごく綺麗じゃない?宝石みたい」
宝石か、言い得て妙だ。
そう言われたらそんな気がしてきた。
でもさすがにそれはないだろう。
ここは第四十七迷宮。
最も難易度の低いHランク迷宮なのだ。
そんな迷宮から宝石なんかがドロップされるわけがないのだから。
「宝石だったらいいんだけどね。さすがにそれはないでしょ。もしかしたら装飾系の装備品かもしれないよ」
「……そういえばボスの項目に『希少ドロップあり。自分の目で確かめよう』って書いてあったかも。これが希少ドロップかもしれないわよ」
「まあ、戻ってから聞けばいいよ。もういい時間だし、今日はここまででいいよね」
この日はこれで探索終了だ。
まだ日が沈む前だったが、タイミング的にも丁度いいんだし終わりでいいだろう。
探索三日目にして、初めて魔法のじゅうたん便で帰ることができた。
迷宮管理局へ戻ると、まずは魔石の換金から始める。
それが終わると初めてのドロップアイテムの売却だ。
「お疲れ様です。ドロップ・トレジャーアイテム買取所へようこそ」
魔石の買取所と違ってこちらのアイテム買取所は、全て鑑定士によって鑑定したうえで買い取ってくれる。
なので間違った価格になることはなく、探索者からもさる事ながらその後の販売先の卸売業者にまで、絶大な信頼があるらしい。
なので受付や魔石買取所のように綺麗な女性ではなく、ちゃんとした職人といった装いの男性がここでは対応していた。
「えーと、初めてなんだけどここに出せばいいの?」
「今年の新人探索者の方ですね。お売りになりたい品をこちらのボックス、入らないような巨大な品は言って頂ければ専用ルームで査定させていただいております」
専用ルームなんかがあるのか。
でも今の俺たちにはまだまだ利用することがなさそうだ。
「じゃあここに入れればいいんだね」
職員に指示されたボックスにドロップアイテムを入れていく。
キャタピランの糸に暴れうさぎの白い毛皮、マルマジロの硬い攻殻に、ボスからドロップした剣先スコップと光り輝く珠。
これらを全て売却する。
スライムとゴブリンからドロップした薬草は全て残しておく。
シェリルの水属性魔法、生命水で回復できるけど、万が一に備えて回復アイテムは出来るだけ常備しておきたいからね。
「は、初めてなのに素晴らしい成果ですね。おや?これは……真珠ですか?ミニブタ兵のドロップの真珠とは……久しぶりに拝見しましたよ。あ、失礼しました。では査定させていただきます」
ミニブタ兵からドロップした光り輝く珠は真珠だったようだ。
職員の様子からしてかなりレアな品なのかもしれない。
少し興奮気味だった職員だったけど、すぐに気を引き締めて業務に戻る。
さすがプロだ。
鑑定持ちの職員が査定していくので、アイテム一つにつき数秒で終われせていく。
なので全然待つことなくすぐに査定は終了した。
「お待たせしました。こちらが今回売却されるアイテムの査定額になります。ご確認のうえ、よろしければ買取とさせていただきます」
明細書を提示される。
『糸...10G×7=70G 白い毛皮...20G×8=160G 硬殻...50G×3=150G 剣先スコップ...50G×1=50G ミニ真珠...500G×1=500G』
真珠の値段が凄いことになってる。
一気に借金を減らせそうだ。
「だ、大丈夫……です。それでお願い……」
「かしこまりました。では総額九百三十Gになります。ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」
あまりの金額にうまく言葉が出なかったけど、職員の方はしっかりと対応してくれた。
売却金は全てリーダー登録してある俺のライセンスに振込まれる。
魔石も同様なんだけど、シェリルも今はそれでいいと言っているからそのままだ。
とりあえずこれで迷宮管理局からの借金は返済できるんだけど、返済したら残りのお金が心持たないので今回はまだ返済せずに貯めておこう。
まずはHランク迷宮一つ目は攻略完了だ。
次のGランク昇格資格はHランク迷宮攻略数四つなので、あと三つの迷宮を攻略すればいいんだ。
なので明日からは違う迷宮になる。
環境は変わるけど、やることは変わらないのでまたしっかり頑張っていこう。
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