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6月5日(月)
窓の外は、昨夜から猛烈な雨が降り続いている。朝方、亜衣を幼稚園に送り出す頃には少しマシになっていたけど、一人で留守番している間に雨脚は再び強まってきた。旦那と下の娘は、亜衣を送り出すタイミングで一緒に外に出て、今、自宅にいるのは私だけ。
電気も点けず、寝室に一人、ベッドの上で横になっている。家の中に響くのは、外で降っている雨の音と、遠くの方で仕事をしてくれている冷蔵庫の音だけ。時々、ブブブッとスマホのバイブレーションが短めに鳴る。通話じゃなくて、何かの通知。いちいち内容を確かめるのも億劫で、そのままほったらかしにして天井を見つめている。
梅雨時だから、雨も降る。強めの雨が夜通し降ることもある。でも、よりによってヘトヘトなタイミングで、強烈な低気圧を持ってこなくてもいいのに。家中に仕掛けた吸湿剤の働きも虚しく、高い湿気が肌に張り付いて息苦しさに拍車がかかる。
子供を連れ出す方が楽だろうと気を回してくれたんだろうけど、ありがたい反面、一人きりになる寂しさ、孤独さもある。とはいえ、もうそろそろお昼過ぎ。亜衣が幼稚園から帰ってくる前には、旦那も映美も戻ってくるだろう。
もう少し横になって、グダグダしながらママをやるためのパワーを捻り出そう。気怠い女のままで、家族の前に、娘たちの前に姿を見せたくない。
試しに目を閉じてみる。微かな眠気はあるものの、寝入るだけの眠さじゃない。仰向けになったまま、しばらくゴロゴロしてみる。スマホのブブブも気になるけど、ここで画面を見てしまうと寝れなくなる。グッと堪えて、力を抜く。あ、いい感じに寝れそうな気がするーー。
ガレージに車が止まる音で、意識が呼び戻される。一瞬意識が飛んだ気がするけど、少しは寝れたんだっけ? 枕元のスマホに手を伸ばし、時間を確かめる。午後1時を少し過ぎたところ。20分ちょっとぐらい、気絶するように寝てたのか。
ベッドの上で体を起こし、電気を点ける。三面鏡の前まで行って、自分の顔を確かめる。少々むくんでいるような気はするけど、寝ぼけ眼と髪が膨れ上がっている程度。今日は外に出ないだろうし、顔を洗えば何とかなるか。
洗面所に向かって階段を降りると、帰宅済みの旦那と映美とが、リビングでアンパンマンを再生していた。まだ目はよく開かないけど、声だけかけておく。
「おかえり」
我ながらひどい声だと思ったけど、康徳さんは微塵も嫌そうな顔をしないで、こちらを振り返って「ただいま」と言ってくれた。
「お昼、食べた?」
「まだだけど」
「母さんがお昼作ってくれたから、冷蔵庫から出して食べてよ」
彼は冷蔵庫の方を指した。扉を開けると、確かにビニール袋に包まれたタッパーが入っている。
「亜衣のお迎えも僕が映美と行ってくるし、ゆっくりしててよ」
彼は私の「ありがとう」を待たず、目の前のタブレットに視線を戻した。映美と一緒に、アンパンマンの世界を楽しんでいる。体調が悪い時に、自分以外の人が家にいる。煩わしいこともあるけど、やっぱりコレがいい。
私はとりあえず洗面所に足を運んだ。顔を洗って、お昼を食べよう。できる範囲で、ママをやろう。冷たい水を滴らせながら、鏡の中の自分に笑いかけてみた。
電気も点けず、寝室に一人、ベッドの上で横になっている。家の中に響くのは、外で降っている雨の音と、遠くの方で仕事をしてくれている冷蔵庫の音だけ。時々、ブブブッとスマホのバイブレーションが短めに鳴る。通話じゃなくて、何かの通知。いちいち内容を確かめるのも億劫で、そのままほったらかしにして天井を見つめている。
梅雨時だから、雨も降る。強めの雨が夜通し降ることもある。でも、よりによってヘトヘトなタイミングで、強烈な低気圧を持ってこなくてもいいのに。家中に仕掛けた吸湿剤の働きも虚しく、高い湿気が肌に張り付いて息苦しさに拍車がかかる。
子供を連れ出す方が楽だろうと気を回してくれたんだろうけど、ありがたい反面、一人きりになる寂しさ、孤独さもある。とはいえ、もうそろそろお昼過ぎ。亜衣が幼稚園から帰ってくる前には、旦那も映美も戻ってくるだろう。
もう少し横になって、グダグダしながらママをやるためのパワーを捻り出そう。気怠い女のままで、家族の前に、娘たちの前に姿を見せたくない。
試しに目を閉じてみる。微かな眠気はあるものの、寝入るだけの眠さじゃない。仰向けになったまま、しばらくゴロゴロしてみる。スマホのブブブも気になるけど、ここで画面を見てしまうと寝れなくなる。グッと堪えて、力を抜く。あ、いい感じに寝れそうな気がするーー。
ガレージに車が止まる音で、意識が呼び戻される。一瞬意識が飛んだ気がするけど、少しは寝れたんだっけ? 枕元のスマホに手を伸ばし、時間を確かめる。午後1時を少し過ぎたところ。20分ちょっとぐらい、気絶するように寝てたのか。
ベッドの上で体を起こし、電気を点ける。三面鏡の前まで行って、自分の顔を確かめる。少々むくんでいるような気はするけど、寝ぼけ眼と髪が膨れ上がっている程度。今日は外に出ないだろうし、顔を洗えば何とかなるか。
洗面所に向かって階段を降りると、帰宅済みの旦那と映美とが、リビングでアンパンマンを再生していた。まだ目はよく開かないけど、声だけかけておく。
「おかえり」
我ながらひどい声だと思ったけど、康徳さんは微塵も嫌そうな顔をしないで、こちらを振り返って「ただいま」と言ってくれた。
「お昼、食べた?」
「まだだけど」
「母さんがお昼作ってくれたから、冷蔵庫から出して食べてよ」
彼は冷蔵庫の方を指した。扉を開けると、確かにビニール袋に包まれたタッパーが入っている。
「亜衣のお迎えも僕が映美と行ってくるし、ゆっくりしててよ」
彼は私の「ありがとう」を待たず、目の前のタブレットに視線を戻した。映美と一緒に、アンパンマンの世界を楽しんでいる。体調が悪い時に、自分以外の人が家にいる。煩わしいこともあるけど、やっぱりコレがいい。
私はとりあえず洗面所に足を運んだ。顔を洗って、お昼を食べよう。できる範囲で、ママをやろう。冷たい水を滴らせながら、鏡の中の自分に笑いかけてみた。
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