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第1章ルーキーPartⅠ『天空の未来都市』
第5話 リクエスト/最終チェック
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一方で、ディアリオは、英国のアカデミーの者たちを連れてビルのメイン管理センター内を散策していた。――とは言っても見せれるところはたかが知れている。
この管理センター区画にあるのは、ブロック毎に独立したビルの管理システムのメインシステムと、各ブロックやビル全体をコントロールする事の出来るオペレート端末室だけである。だいたいからして、一般の人間に自由に見せれる場所ではない。第3者の見学を考慮しては作られていないのである。
ディアリオは、彼らを先程、鏡石隊長とデバッグ作業を行なっていたオペレーター室へと案内した。あそこなら大形のディスプレイはあるし、ビル全体を解説するには問題の無い場所である。
オペレーター室へと全員が入ってくるが、そこは見学される事を想定していないため、座る場所はそう多くはない。アカデミーの面々は思い思いに自らの居場所を確保した。
その中でも、もっとも積極的にディアリオの説明をきいていたのはカレルである。この管理センターの見学を希望したのは、他でもない彼である。
ディアリオは、オペレーター室の中央端末を操作する。無論、情報処理能力に優れる特攻装警である。キーボードを叩くなどと言う不粋な真似はしない。腹部側面から多芯タイプの超高速仕様の光ケーブルを引出すと中央端末の外部インタフェースのコネクターに接続した。
部屋の奥には、壁一面をかざる巨大な液晶プロジェクターパネルが存在する。そこを通じて、ビル全体を見渡したり、ビル全体の管理システムをモニターする事が可能なのだ。
ディアリオは管理システム本体を触る事はさけた。まだ最終チェックが終わっていないため、うかつにアクセスできないためである。管理システム本体からは独立した上級レベルのモニター回線へとアクセスする。
そのモニター回線は、システム本体とはまったく独立して存在しており、現在のビル内全ての情報処理システムをチェック・監視する事が出来るのである。
ディアリオは、そのモニター回線から、現在の1000mビル全体の情報処理ネットワークの作動模式図を引き出してくる。そしてそれをテキストに見立てて、このビルのシステムについて解説を始めた。無論、防犯上、あたりさわりの無いレベルまでの話である。
そこには、1000mビルの血管や神経とも言える、通信ネットワーク網があった。
このビル内の通信ネットワーク網は原則として環状のLAN網を同心円状に重ねたものである。それが各ブロック毎に存在し、それを縦方向に垂直にバイパス回線を幾重にも設置、ちょうど節のある竹の様な筒状構造が多重に入り込んだ入れ子構造に作り上げている。
さらに、その筒状構造の「節」にあたるのが、各ブロックの人工地盤である。この人工地盤の上には、ビル内空間の建築物にて使用される枝線の通信ネットワーク網が設置されている。
青い線で示される通信回線の中に、様々な色で示された立方体がある。これは、ビル内通信ネットワーク網の中に設けられた様々な情報システムである。例えば、赤い立方体はビルの管理システムのオペレーターシステムを現し、各ブロックの人工地盤の中に数十基ほど存在している。白い立方体は、ビル内の一般向けに使用される汎用コンピューターユニットで、商・工業ビジネスはもちろん学術からパソコン通信、あるいは娯楽目的のものに至るまで、ビルの制御や管理に直接関係しない一般向けの物が基幹システム側から把握されている端末の全てが無数に表示されている。
ディアリオはモニター映像を操作すると、今度は碧の小さな立方体が映し出した。ビル内部の移動体通信である。ディアリオは淡々と解説を続けていた。そんな解説がすすむとカレルが口を開いた。
「未完成部分である、第5ブロックへの拡張はどう言う体制になっているのかね?」
カレルは、この1000mビルのこれから作られる部分に関して尋ねている。当然だすでに出来ている部分だけで完結していたのでは、これからの1000mビルの増築に支障をきたすだろう。だが、それはまったく問題無かった。
「現在、第1ブロックから第4ブロックまでで完結した構造となっておりますが、第4ブロックの最上端には仮設の情報管理センターが設けられています。そこは現在、停止しており稼働しておりませんが、第5ブロック完成時にそなえていつでも使用可能となっていおります」
ディアリオは解説をひと区切りすると、やや思案して皆に告げる。
「実は、ここだけの内密な話ですが――、現在このビルの管理システムはまだ最終チェックが終わっていません。臨時のメンテナンスが今朝に発生したのです。皆様のビル内への入場が遅れたのはそのためです。ですが、これからその最終チェックが開始されます。こちらのディスプレイをごらん下さい」
ディアリオが告げると、ネットワーク網の模式図の中の例の赤い立方体から無数のパラメータやメッセージが描かれている。そして、そこからビル内の至る所へ向けて、最終チェック用のプログラムファイルとその実行メッセージが送られていた。
微細なネットワーク網の模式図の上を、ひとしきり無数のデータやプログラムが走り回る。そして、次々に管理システムの最終チェック結果が報告されてくる。
【 情報各員Bユニット、チェック完了 】
【 情報各員Cユニット、チェック完了 】
【 情報各員Fユニット、チェック完了 】
【 ………
ユニットとは情報機動隊が二人一組で動く際の呼び名である。ちなみに鏡石とディアリオはAユニットである。やがて、全てのチェック結果が届くと、ディスプレイの上に大きくとある一文が表示された。
【 システム・オールグリーン 】
それを視認すると、ディアリオは淡々と告げる。
「最終チェック完了」
エラーメッセージは出ない。全システムにて異常が確認されたというような通報もなかった。
ディアリオは1つの任務の完了に安堵しつつ、英国アカデミーメンバーの方へと振り向き視線を向けてこう宣言したのである。
「それでは、これより有明1000mビルを全面開放し正式な入場を開始致します。皆様をこれより最上部・第4ブロックへとご案内致します」
この管理センター区画にあるのは、ブロック毎に独立したビルの管理システムのメインシステムと、各ブロックやビル全体をコントロールする事の出来るオペレート端末室だけである。だいたいからして、一般の人間に自由に見せれる場所ではない。第3者の見学を考慮しては作られていないのである。
ディアリオは、彼らを先程、鏡石隊長とデバッグ作業を行なっていたオペレーター室へと案内した。あそこなら大形のディスプレイはあるし、ビル全体を解説するには問題の無い場所である。
オペレーター室へと全員が入ってくるが、そこは見学される事を想定していないため、座る場所はそう多くはない。アカデミーの面々は思い思いに自らの居場所を確保した。
その中でも、もっとも積極的にディアリオの説明をきいていたのはカレルである。この管理センターの見学を希望したのは、他でもない彼である。
ディアリオは、オペレーター室の中央端末を操作する。無論、情報処理能力に優れる特攻装警である。キーボードを叩くなどと言う不粋な真似はしない。腹部側面から多芯タイプの超高速仕様の光ケーブルを引出すと中央端末の外部インタフェースのコネクターに接続した。
部屋の奥には、壁一面をかざる巨大な液晶プロジェクターパネルが存在する。そこを通じて、ビル全体を見渡したり、ビル全体の管理システムをモニターする事が可能なのだ。
ディアリオは管理システム本体を触る事はさけた。まだ最終チェックが終わっていないため、うかつにアクセスできないためである。管理システム本体からは独立した上級レベルのモニター回線へとアクセスする。
そのモニター回線は、システム本体とはまったく独立して存在しており、現在のビル内全ての情報処理システムをチェック・監視する事が出来るのである。
ディアリオは、そのモニター回線から、現在の1000mビル全体の情報処理ネットワークの作動模式図を引き出してくる。そしてそれをテキストに見立てて、このビルのシステムについて解説を始めた。無論、防犯上、あたりさわりの無いレベルまでの話である。
そこには、1000mビルの血管や神経とも言える、通信ネットワーク網があった。
このビル内の通信ネットワーク網は原則として環状のLAN網を同心円状に重ねたものである。それが各ブロック毎に存在し、それを縦方向に垂直にバイパス回線を幾重にも設置、ちょうど節のある竹の様な筒状構造が多重に入り込んだ入れ子構造に作り上げている。
さらに、その筒状構造の「節」にあたるのが、各ブロックの人工地盤である。この人工地盤の上には、ビル内空間の建築物にて使用される枝線の通信ネットワーク網が設置されている。
青い線で示される通信回線の中に、様々な色で示された立方体がある。これは、ビル内通信ネットワーク網の中に設けられた様々な情報システムである。例えば、赤い立方体はビルの管理システムのオペレーターシステムを現し、各ブロックの人工地盤の中に数十基ほど存在している。白い立方体は、ビル内の一般向けに使用される汎用コンピューターユニットで、商・工業ビジネスはもちろん学術からパソコン通信、あるいは娯楽目的のものに至るまで、ビルの制御や管理に直接関係しない一般向けの物が基幹システム側から把握されている端末の全てが無数に表示されている。
ディアリオはモニター映像を操作すると、今度は碧の小さな立方体が映し出した。ビル内部の移動体通信である。ディアリオは淡々と解説を続けていた。そんな解説がすすむとカレルが口を開いた。
「未完成部分である、第5ブロックへの拡張はどう言う体制になっているのかね?」
カレルは、この1000mビルのこれから作られる部分に関して尋ねている。当然だすでに出来ている部分だけで完結していたのでは、これからの1000mビルの増築に支障をきたすだろう。だが、それはまったく問題無かった。
「現在、第1ブロックから第4ブロックまでで完結した構造となっておりますが、第4ブロックの最上端には仮設の情報管理センターが設けられています。そこは現在、停止しており稼働しておりませんが、第5ブロック完成時にそなえていつでも使用可能となっていおります」
ディアリオは解説をひと区切りすると、やや思案して皆に告げる。
「実は、ここだけの内密な話ですが――、現在このビルの管理システムはまだ最終チェックが終わっていません。臨時のメンテナンスが今朝に発生したのです。皆様のビル内への入場が遅れたのはそのためです。ですが、これからその最終チェックが開始されます。こちらのディスプレイをごらん下さい」
ディアリオが告げると、ネットワーク網の模式図の中の例の赤い立方体から無数のパラメータやメッセージが描かれている。そして、そこからビル内の至る所へ向けて、最終チェック用のプログラムファイルとその実行メッセージが送られていた。
微細なネットワーク網の模式図の上を、ひとしきり無数のデータやプログラムが走り回る。そして、次々に管理システムの最終チェック結果が報告されてくる。
【 情報各員Bユニット、チェック完了 】
【 情報各員Cユニット、チェック完了 】
【 情報各員Fユニット、チェック完了 】
【 ………
ユニットとは情報機動隊が二人一組で動く際の呼び名である。ちなみに鏡石とディアリオはAユニットである。やがて、全てのチェック結果が届くと、ディスプレイの上に大きくとある一文が表示された。
【 システム・オールグリーン 】
それを視認すると、ディアリオは淡々と告げる。
「最終チェック完了」
エラーメッセージは出ない。全システムにて異常が確認されたというような通報もなかった。
ディアリオは1つの任務の完了に安堵しつつ、英国アカデミーメンバーの方へと振り向き視線を向けてこう宣言したのである。
「それでは、これより有明1000mビルを全面開放し正式な入場を開始致します。皆様をこれより最上部・第4ブロックへとご案内致します」
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