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第2章エクスプレス グランドプロローグ
サイドBプロローグ 道化師は嗤う/捜査会議開始
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大石に命じられて管理官の一人が立ち上がる。そして、手元の小型マイクを用いて発声する。
「それではこれより、有明1000mビル襲撃事件における容疑アンドロイドの逃走事件の捜査会議を始める!」
柊木管理官の宣言により会議室に緊張が走る。もはや雑談はもとより咳すらもためらわれるだろう。そして間をおかずに柊木管理官により事件状況の確認が行われた。
「まずは事件状況の確認から始める!」
場の視線が一気に壇上へと集中する。その隣で女性職員が大型のディスプレイスクリーンに表示される資料や画像を操作していた。
「まず第1の事件は昨年の11月3日に江東区有明の通称・有明1000mビルにて発生した国際サミット襲撃テロ事件である。本襲撃事件では通称マリオネット・ディンキー、本名ディンキー・アンカーソン率いるアンドロイドテロ集団により大規模なビル破壊テロ行為が行われ、サミット来賓が襲われている。なお、同事件は本庁警備1課課長の指示の下、機動隊、武装警官部隊、情報機動隊、ならびに全特攻装警の卓越した連携により、サミット来賓の一人の死亡者も発生させることなく事件を集結させることに成功している」
管理官の言葉から、場の視線の一部がアトラスとエリオットに向けられている。あの事件では特攻装警たちの能力の高さと重要性が改めてクローズアップされることとなった。壇上席からは近衛が満足気にアトラスたちに視線を向けているのが判る。
「事件終結後、襲撃犯首謀者集団であるディンキー・アンカーソン1名と配下のアンドロイドの6体が緊急避難行為として撃破・破壊され残骸が証拠物件として確保されている。なお、ディンキー・アンカーソンはすでに死亡しており、当事件を引き起こした時点でダミーのアンドロイドに置き換えられていることが判明した。これについてはICPOを通じてイギリスのスコットランド・ヤード等の各国警察諸機関に事実確認を行っている段階である」
ディスプレイには収容された破壊済みのアンドロイド体の参考映像が表示されている。解体され偽装アンドロイドであったことが判明したディンキー本人をはじめ、アンジェ、マリー、ジュリアの残骸、ディアリオに撃破されたガルディノ、センチュリーにより破壊されたコナンが映しだされていた。
「その後、事件現場から逃走を図った3体のうち、個体名メリッサが特攻装警第6号のフィールによって確保されているが、証拠隠滅機能を正体不明の第3者に実行されたことにより自壊・炎上しており、現時点まで重要な証拠となる情報はメリッサからは得られていない状態である」
当然ながらメリッサの燃え残った残骸も映しだされた。残念ながらメリッサが首謀者だとは考えにくい。それだけに彼女が炎上してしまったのは痛恨だった。
「のこる2体のうち、女性形の1体、個体名ローラは無傷のまま逃走に成功、現時点に至るまでその身柄は補足できていない。なお、ローラの追跡については別の捜査本部にて追跡捜査が続行されている。これについては後ほど改めて説明する」
ローラ――、全くの無傷のままに逃走に成功したマリオネットの一体。決して戦闘能力は高いとは言えなかったが、放置していい存在ではない。
「さて、残る1体の個体名ベルトコーネだが、これは事件現場において全特攻装警による総力戦の末、見事撃破された。極めて高い戦闘能力を保持しており、武装警官部隊にも多数の殉職者が発生している。そして、現場にて機能停止が確認された後、厳重警備の上で東京拘置所付属の犯罪性アンドロイド収容施設にて確保・分析が行われた。その際、完全機能停止が所定の分析装置により確認され、そののち48時間を経過してもなお全機能の停止が確認されているため、分析を担当した警視庁科捜研では完全機能停止と破壊完了を宣言、詳細な分解調査のため、警視庁科捜研へと搬送が行われることとなった。葛飾区小菅の東京拘置所から練馬区石神井の科捜研へと移送途中、完全停止していたはずのベルトコーネが突如再起動。首都高速中央環状線の新板橋ランプ付近を走行中に、移送任務についていた護送職員2名を殺害、移送車両を破壊した後に車両運転手1名も殺害し逃走した」
ついで表示されたのはベルトコーネ逃走時に破壊された移送車両と同乗していた4名の警察職員の顔写真である。3名の命が失われ1名がかろうじて助かっていた。何の罪もないのに無残に殺害されたのである。だが、事件はそれで終わったわけではなかった。
「この時、移送車両の破壊により、追突事故が誘発され民間人に死亡者が1名、重軽傷者が7名発生している。この追突事故の発生とそれにともなう大規模渋滞の発生により事件現場へと到達するのが遅れる事態が発生した。これにより容疑アンドロイド・通称名ベルトコーネの確保と追跡に支障が発生し、池袋付近にて消息を断たれる結果となった。その後、本日に至るまでベルトコーネと認められる違法アンドロイドの確認と確保に至ってない。事件経過については以上である」
柊木管理官の説明が終れば、大石がさらに言葉を続ける。
「事件の経過については以上だ。続いて、各部署からの現時点での確認情報について報告してもらう。まずは警備部」
大石がそう告げれば、呼びかけに応じて警備部代表として近衛が立ち上がった。
「警備部、警備1課の近衛です。警備部からの確認情報について説明します」
一呼吸間を置いて近衛は説明を始めた。
「警備部では事件当時、事件発生の知らせを受けて警備部で保有する特攻装警5号機エリオットを待機させると共に事件発生現場周辺に機動隊数十名を展開、一般市民を保護すると同時にベルトコーネとの接触を警戒しました。その後、現場である高速道路の軌道から離脱し、一般道路沿いに逃走を開始したベルトコーネを数名の隊員が視認しますが、その後の追跡に失敗、その脚力による逃走を許してしまい、現時点に至るまで未確認です。なお、目撃した機動隊員からの報告では、有明での機能停止時点での破壊状況より変化が見られており、ある程度の自己修復が行われたと判断すべきだと考えます。警備からは以上です」
近衛の報告が終わると、再び大石が告げる。
「では続いて、組織犯罪対策部」
大石に求められて立ち上がったのは組織犯罪対策部4課の理事官である大下警視だ。霧旗課長の下で4課の陣頭指揮を執る人物だ。
「組織犯罪対策部4課の大下です。ここでは2課と4課での調査結果を同時に報告させていただきます」
暴対の人間だと言ってもさすがに理事官クラスとなると端正に背広を着こなしている。その辺は最前線で捜査活動を行う荒真田とは大きく異なっている。
「事件発生後、我々組織犯罪対策4課では、捜査対象であるベルトコーネが密入国時に広域暴力団組織・緋色会の援助を受けて上陸したという事実を考慮して、緋色会とその下部組織の動向をマークしました。その結果、最終的にベルトコーネが消息を絶った北池袋地区周辺にて、緋色会の1次傘下団体の関連フロント企業が活発に活動していたとの情報を掴みました。また2課の調査により緋色会以外の各種海外系組織――具体的には中華系の台湾幇・香港18K・トライアド、ロシアン・マフィア、アフリカ系組織、イスラム極左支援団体もベルトコーネ逃走以後に活発に動いていたとの情報を得ています。いずれもがベルトコーネの捕獲・懐柔を目的としていたのは間違いありません。ですが、現時点で何処かの組織がベルトコーネの捕捉に成功しているとの情報は得られていないため、今なお調査活動を続行しております。組織犯罪対策よりは以上です」
大下理事官の報告を受けて大石が答える。
「では次に情報機動隊」
大石のその声に応じたのはディアリオを擁する情報機動隊だ。まず先だって立ち上がったのは隊長の鏡石である。
「情報機動隊隊長鏡石です。こちらからの情報については我が隊の特攻装警ディアリオから報告いたします」
そして、ディアリオは鏡石からの目配せを受けて立ち上がる。
「情報機動隊所属、特攻装警4号のディアリオです。これまでに当隊で把握した情報について報告させていただきます」
ディアリオがそう告げながらディスプレイに画像を表示していく。はじめに映しだされたのはそれまでにディアリオや特攻装警たちが確認したベルトコーネの姿だった。
「まず、今回の案件で追跡対象となるベルトコーネですが、先の有明事件において特攻装警第7号機グラウザーとの格闘戦により打撃による大規模なダメージを受けており、一時は完全に機能停止までいたっております。ですが、今回の暴走逃走事件に至ったことにより判明しましたが、かなり高度な自己回復能力を有しており、ほぼメンテナンスフリーで活動を続行出来るものと推測されます。また、有明事件やそれ以前の南本牧埠頭事件でのデータから、その打撃能力は単なる物理的な格闘戦闘能力に限らず、何らかの手段で打撃能力を強化している物と推測されます。その能力詳細と原理は残念ながら情報不足で確定はできませんが、これはベルトコーネとの戦闘が単なる機械白兵戦にとどまらず大規模な破壊戦闘を伴うことを示唆しています。今後、ベルトコーネを発見しても有効な戦闘手段が無いのであれば、追跡と詳細把握のみに務めるべきだと判断します」
そして、さらにディスプレイの映像は変わって行く。
「続いて逃走事件以後のベルトコーネの動向について情報機動隊での追跡結果についてです。我々情報機動隊ではネット空間上の情報や、都市内の様々な防犯カメラなどを通じてベルトコーネの存在を追跡してきました。その動向から足跡が北池袋付近にて途絶えたことは判明しています。しかし問題はそこからです」
ディアリオはディスプレイに北池袋での最終目撃データを中心にベルトコーネの様々な消息情報を時系列に基づいて表示させていく。
「通常、この様な逃亡案件では肉眼での目撃情報が途絶えても、それ以外の様々な手段やメディアを通じて何らかの足跡や消息情報が追跡できるはずです。物理的な足跡が全く消え失せてしまうことはありえず、何らかの手がかりが残されている筈だからです。ですが、今回のベルトコーネのケースに関してはこの北池袋での足跡の途絶以後、手がかりとなる情報は何もつかめていません。これは、この情報化された大都市東京においてはありえない状況であると言わざるを得ません。しかしながら、我々情報機動隊ではこの状況を生み出し得る唯一の存在にすでに遭遇しております。その資料映像がこちらです」
そして、ディアリオはとある人物の画像を表示させる。
それはピエロともいう、ジェスターともいう、アルルカンと呼ばれることもある。
赤い衣、黄色いブーツ、紫の手袋に、金色の角付き帽子、角の数は2つで角の先には柔らかい房状の球体がついていた。襟元には派手なオレンジ色のリボン――、派手な笑い顔の仮面をつけた道化者。彼の名は――そう、クラウンと名乗っていた。
「それではこれより、有明1000mビル襲撃事件における容疑アンドロイドの逃走事件の捜査会議を始める!」
柊木管理官の宣言により会議室に緊張が走る。もはや雑談はもとより咳すらもためらわれるだろう。そして間をおかずに柊木管理官により事件状況の確認が行われた。
「まずは事件状況の確認から始める!」
場の視線が一気に壇上へと集中する。その隣で女性職員が大型のディスプレイスクリーンに表示される資料や画像を操作していた。
「まず第1の事件は昨年の11月3日に江東区有明の通称・有明1000mビルにて発生した国際サミット襲撃テロ事件である。本襲撃事件では通称マリオネット・ディンキー、本名ディンキー・アンカーソン率いるアンドロイドテロ集団により大規模なビル破壊テロ行為が行われ、サミット来賓が襲われている。なお、同事件は本庁警備1課課長の指示の下、機動隊、武装警官部隊、情報機動隊、ならびに全特攻装警の卓越した連携により、サミット来賓の一人の死亡者も発生させることなく事件を集結させることに成功している」
管理官の言葉から、場の視線の一部がアトラスとエリオットに向けられている。あの事件では特攻装警たちの能力の高さと重要性が改めてクローズアップされることとなった。壇上席からは近衛が満足気にアトラスたちに視線を向けているのが判る。
「事件終結後、襲撃犯首謀者集団であるディンキー・アンカーソン1名と配下のアンドロイドの6体が緊急避難行為として撃破・破壊され残骸が証拠物件として確保されている。なお、ディンキー・アンカーソンはすでに死亡しており、当事件を引き起こした時点でダミーのアンドロイドに置き換えられていることが判明した。これについてはICPOを通じてイギリスのスコットランド・ヤード等の各国警察諸機関に事実確認を行っている段階である」
ディスプレイには収容された破壊済みのアンドロイド体の参考映像が表示されている。解体され偽装アンドロイドであったことが判明したディンキー本人をはじめ、アンジェ、マリー、ジュリアの残骸、ディアリオに撃破されたガルディノ、センチュリーにより破壊されたコナンが映しだされていた。
「その後、事件現場から逃走を図った3体のうち、個体名メリッサが特攻装警第6号のフィールによって確保されているが、証拠隠滅機能を正体不明の第3者に実行されたことにより自壊・炎上しており、現時点まで重要な証拠となる情報はメリッサからは得られていない状態である」
当然ながらメリッサの燃え残った残骸も映しだされた。残念ながらメリッサが首謀者だとは考えにくい。それだけに彼女が炎上してしまったのは痛恨だった。
「のこる2体のうち、女性形の1体、個体名ローラは無傷のまま逃走に成功、現時点に至るまでその身柄は補足できていない。なお、ローラの追跡については別の捜査本部にて追跡捜査が続行されている。これについては後ほど改めて説明する」
ローラ――、全くの無傷のままに逃走に成功したマリオネットの一体。決して戦闘能力は高いとは言えなかったが、放置していい存在ではない。
「さて、残る1体の個体名ベルトコーネだが、これは事件現場において全特攻装警による総力戦の末、見事撃破された。極めて高い戦闘能力を保持しており、武装警官部隊にも多数の殉職者が発生している。そして、現場にて機能停止が確認された後、厳重警備の上で東京拘置所付属の犯罪性アンドロイド収容施設にて確保・分析が行われた。その際、完全機能停止が所定の分析装置により確認され、そののち48時間を経過してもなお全機能の停止が確認されているため、分析を担当した警視庁科捜研では完全機能停止と破壊完了を宣言、詳細な分解調査のため、警視庁科捜研へと搬送が行われることとなった。葛飾区小菅の東京拘置所から練馬区石神井の科捜研へと移送途中、完全停止していたはずのベルトコーネが突如再起動。首都高速中央環状線の新板橋ランプ付近を走行中に、移送任務についていた護送職員2名を殺害、移送車両を破壊した後に車両運転手1名も殺害し逃走した」
ついで表示されたのはベルトコーネ逃走時に破壊された移送車両と同乗していた4名の警察職員の顔写真である。3名の命が失われ1名がかろうじて助かっていた。何の罪もないのに無残に殺害されたのである。だが、事件はそれで終わったわけではなかった。
「この時、移送車両の破壊により、追突事故が誘発され民間人に死亡者が1名、重軽傷者が7名発生している。この追突事故の発生とそれにともなう大規模渋滞の発生により事件現場へと到達するのが遅れる事態が発生した。これにより容疑アンドロイド・通称名ベルトコーネの確保と追跡に支障が発生し、池袋付近にて消息を断たれる結果となった。その後、本日に至るまでベルトコーネと認められる違法アンドロイドの確認と確保に至ってない。事件経過については以上である」
柊木管理官の説明が終れば、大石がさらに言葉を続ける。
「事件の経過については以上だ。続いて、各部署からの現時点での確認情報について報告してもらう。まずは警備部」
大石がそう告げれば、呼びかけに応じて警備部代表として近衛が立ち上がった。
「警備部、警備1課の近衛です。警備部からの確認情報について説明します」
一呼吸間を置いて近衛は説明を始めた。
「警備部では事件当時、事件発生の知らせを受けて警備部で保有する特攻装警5号機エリオットを待機させると共に事件発生現場周辺に機動隊数十名を展開、一般市民を保護すると同時にベルトコーネとの接触を警戒しました。その後、現場である高速道路の軌道から離脱し、一般道路沿いに逃走を開始したベルトコーネを数名の隊員が視認しますが、その後の追跡に失敗、その脚力による逃走を許してしまい、現時点に至るまで未確認です。なお、目撃した機動隊員からの報告では、有明での機能停止時点での破壊状況より変化が見られており、ある程度の自己修復が行われたと判断すべきだと考えます。警備からは以上です」
近衛の報告が終わると、再び大石が告げる。
「では続いて、組織犯罪対策部」
大石に求められて立ち上がったのは組織犯罪対策部4課の理事官である大下警視だ。霧旗課長の下で4課の陣頭指揮を執る人物だ。
「組織犯罪対策部4課の大下です。ここでは2課と4課での調査結果を同時に報告させていただきます」
暴対の人間だと言ってもさすがに理事官クラスとなると端正に背広を着こなしている。その辺は最前線で捜査活動を行う荒真田とは大きく異なっている。
「事件発生後、我々組織犯罪対策4課では、捜査対象であるベルトコーネが密入国時に広域暴力団組織・緋色会の援助を受けて上陸したという事実を考慮して、緋色会とその下部組織の動向をマークしました。その結果、最終的にベルトコーネが消息を絶った北池袋地区周辺にて、緋色会の1次傘下団体の関連フロント企業が活発に活動していたとの情報を掴みました。また2課の調査により緋色会以外の各種海外系組織――具体的には中華系の台湾幇・香港18K・トライアド、ロシアン・マフィア、アフリカ系組織、イスラム極左支援団体もベルトコーネ逃走以後に活発に動いていたとの情報を得ています。いずれもがベルトコーネの捕獲・懐柔を目的としていたのは間違いありません。ですが、現時点で何処かの組織がベルトコーネの捕捉に成功しているとの情報は得られていないため、今なお調査活動を続行しております。組織犯罪対策よりは以上です」
大下理事官の報告を受けて大石が答える。
「では次に情報機動隊」
大石のその声に応じたのはディアリオを擁する情報機動隊だ。まず先だって立ち上がったのは隊長の鏡石である。
「情報機動隊隊長鏡石です。こちらからの情報については我が隊の特攻装警ディアリオから報告いたします」
そして、ディアリオは鏡石からの目配せを受けて立ち上がる。
「情報機動隊所属、特攻装警4号のディアリオです。これまでに当隊で把握した情報について報告させていただきます」
ディアリオがそう告げながらディスプレイに画像を表示していく。はじめに映しだされたのはそれまでにディアリオや特攻装警たちが確認したベルトコーネの姿だった。
「まず、今回の案件で追跡対象となるベルトコーネですが、先の有明事件において特攻装警第7号機グラウザーとの格闘戦により打撃による大規模なダメージを受けており、一時は完全に機能停止までいたっております。ですが、今回の暴走逃走事件に至ったことにより判明しましたが、かなり高度な自己回復能力を有しており、ほぼメンテナンスフリーで活動を続行出来るものと推測されます。また、有明事件やそれ以前の南本牧埠頭事件でのデータから、その打撃能力は単なる物理的な格闘戦闘能力に限らず、何らかの手段で打撃能力を強化している物と推測されます。その能力詳細と原理は残念ながら情報不足で確定はできませんが、これはベルトコーネとの戦闘が単なる機械白兵戦にとどまらず大規模な破壊戦闘を伴うことを示唆しています。今後、ベルトコーネを発見しても有効な戦闘手段が無いのであれば、追跡と詳細把握のみに務めるべきだと判断します」
そして、さらにディスプレイの映像は変わって行く。
「続いて逃走事件以後のベルトコーネの動向について情報機動隊での追跡結果についてです。我々情報機動隊ではネット空間上の情報や、都市内の様々な防犯カメラなどを通じてベルトコーネの存在を追跡してきました。その動向から足跡が北池袋付近にて途絶えたことは判明しています。しかし問題はそこからです」
ディアリオはディスプレイに北池袋での最終目撃データを中心にベルトコーネの様々な消息情報を時系列に基づいて表示させていく。
「通常、この様な逃亡案件では肉眼での目撃情報が途絶えても、それ以外の様々な手段やメディアを通じて何らかの足跡や消息情報が追跡できるはずです。物理的な足跡が全く消え失せてしまうことはありえず、何らかの手がかりが残されている筈だからです。ですが、今回のベルトコーネのケースに関してはこの北池袋での足跡の途絶以後、手がかりとなる情報は何もつかめていません。これは、この情報化された大都市東京においてはありえない状況であると言わざるを得ません。しかしながら、我々情報機動隊ではこの状況を生み出し得る唯一の存在にすでに遭遇しております。その資料映像がこちらです」
そして、ディアリオはとある人物の画像を表示させる。
それはピエロともいう、ジェスターともいう、アルルカンと呼ばれることもある。
赤い衣、黄色いブーツ、紫の手袋に、金色の角付き帽子、角の数は2つで角の先には柔らかい房状の球体がついていた。襟元には派手なオレンジ色のリボン――、派手な笑い顔の仮面をつけた道化者。彼の名は――そう、クラウンと名乗っていた。
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