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あったいちゃんbot

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人魚が泡と消えるまで。(男1:女1)ラブストーリー?

人魚が泡と消えるまで。

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翔馬しょうま
「あっつい…。ちょっとコンビニに行こうと思っただけなのにこの汗か…」
 夏の盛り、軽い気持ちで家を出た僕は、コンビニまでのその短い距離の中でかなりの回数の後悔をしていた。
 照りつける太陽、蝉の合唱、道路を昇る蜃気楼しんきろう。大きな入道雲。夏のオーケストラって感じ。

「ん…?」

 道路の端におちている何かが目に入る。何気なしに近づくと、それは子猫の轢死体れきしたいだった。

「うわっ…」

 嫌なものを見た…。ここは田舎町だから月に一度ぐらいはこんな感じで動物の轢死体れきしたいを見かける。そのたびに僕はどうしようもない無力感にさいなまれる。

「…、ごめんな」

 そう言葉だけ吐き出して、コンビニへと急いだ。一抹の罪悪感を抱えながら…。
 効きすぎの冷房、その涼を求めてたむろする学生たち、店員の気の抜けた挨拶。ああ、夏のコンビニってこういうところだよな。

***

葵依あおい
「あら…?」

 理由もなく外に出て、目的もなくぶらぶらしていると、道路の端に落ちている猫に気づく。
 車にかれたのだろう。道路の端に落ちているソレは、小さな血だまりを作り、その血は夏の照りつける太陽の前に、渇き、地面にこびりつき始めている。

「かわいそうに…。車にかれたのね…。痛かったでしょう」

 私はその場に座り込み、猫の背中を撫でる。目を閉じて思い出せない何かのことを思い出す。次第に私は悲しみに染まり、涙がひとすじ、頬を伝う。その涙を手の甲ですくい上げ、そっと猫に垂らす。
 途端に、地面にこびりついていた血に潤いが戻り、ひとりでに動き始める。毛にこびりつく血がすこしずつ退いていき、毛がすこしずつ白に戻っていく。赤が完全になくなると、鼻が、耳が、ピクリと動き、2.3度まばたきをする。体を起こし、きょろきょろと周りを見る。
 車に引かれた記憶が残っているのだろうか、少ししてからぺろぺろと身体を舐めて確認をし始める。

「もうかれるんじゃないよ」

 それだけ言って立ち去ろうとすると、後ろからニャアニャアと鳴く声が聞こえる。その声に振り向くと、子猫が走って寄ってきて、私の足に体をこすりつけている。足を進めると、その距離だけ猫もついてきて、変わらず体をこすりつける。

「あら…どうしましょう」

翔馬:
「えっ…、その猫は…」

葵依:
「えっ?」

 声に気づいて振り向くと、歳は16.7程度だろうか、コンビニ袋を携えた男の子がこちらをびっくりした顔で眺めている。

翔馬:
 その猫…、さっきそこで死んで――…、そう言いかけてめる。なんだよ、死んでなかった?って。

「あ、いや…、かわいいなって、思って」

葵依:
「ええ、そうですね」

翔馬:
「首輪してないね…」

葵依:
「…そう、ですね」

翔馬:
「野良…じゃ、ないよね?」

葵依:
「そうなんですか?」
 
翔馬:
 猫の近くにしゃがみこみ、そっと手を伸ばすとグルグルと喉をならしながら手にじゃれてくる。

「こんなに人馴れしてる野良っているのかな…」

葵依:
「じゃあ、飼い主さん、探してるかもしれないですね」

翔馬:
「ああ、うん。そうだね。チラシでも作って飼い主を探してみよう。その間はうちで面倒見るよ」

 先ほどの罪悪感をぬぐうように、あるいは衝動的に、俺はそう申し出ていた。

葵依:
「いいんですか?」

翔馬:
「うん。どうせ元から家に3匹居るからね。1匹増えても同じさ」

葵依:
「あ、あの!私もお手伝いしたいです!飼い主探し!」

翔馬:
「本当に?じゃあ…、今から家に来る?まずは張り紙作りだ」

葵依:
「はい」

***

翔馬:
 とぼとぼと細い道を歩く。先週から主要道路の工事が始まり、その影響で迂回路に車が流れて来ている。この道もその1つで、いつもの数倍の車だけでなく、大型のトラックもビュンビュンと走り抜けていく。

「あっぶないなぁ…」

 歩道はあるけれど、トラックまでは1メートルもなく、車が横を通ると風を全身で感じる程だ。心なしか彼女の手の中にいる猫もおびえているようにも見える。

「えーっと、こっち歩いて」

葵依:
 そういうと男の子は私が歩く車道側と、なかば無理やり位置を交換した。

「私は大丈夫ですのに」

翔馬:
「いいのいいの、こういうのは――…」

 男の甲斐性だから…、そう言いかけてなんとなく気恥ずかしくてやめた。

「…ほら、猫がおびえてるでしょ」

葵依:
「ふふ。はい。じゃあそういうことにしておきますね」

翔馬:
「ぐ…。あ、そういえば、名前は?」

葵依:
「さぁ…今会ったばかりですし…」

翔馬:
「あ、いや、そうじゃなくって、君の名前」

葵依:
「あっ、ええっと…、あ、葵依あおいです」

翔馬:
「俺、翔馬しょうま。よろしくね」

葵依:
「はい。よろしくお願いします」

翔馬:
「猫、大丈夫?」

葵依:
「少しおびえてる」

翔馬:
「だよね…、ま、もう大丈夫」

葵依:
「え?」

翔馬:
「あれ。俺の家」

翔馬:
 曲がり角の一軒手前、木造の家屋かおく、少し浮いた青い屋根、劣化したネジはもうなくなって、雨樋あまどいは壁から離れて、ブロックでできたへいはところどころ欠けてしまっている。

「いらっしゃい」

葵依:
 翔馬君がドアを開けると、匂いか、音か、先住せんじゅうねこ達が玄関でお出迎えをしていた。

「…、大丈夫でしょうか…」

翔馬:
「こいつらは大丈夫。もともと多頭飼たとうがいだから」

 彼女が恐る恐る猫を降ろすと、のしのしと先住猫二匹が近づいてきた。もう一匹は警戒しているのか、まだ少し離れた場所から眺めているだけだ。

葵依:
「……」

翔馬:
「大丈夫…」

葵依:
 翔馬くんが私の不安をくみ取るように、優しく声を出す。その言葉の通り、猫たちは二分と待たずにお互いの体を舐めて毛づくろいを始めた。

「よかったぁ…」

翔馬:
「言ったでしょ。こいつらは大丈夫だって。さ、て、と…、チラシを作る作戦会議だ。上がって上がって。アイスぐらいしか出せないけど」

葵依:
「あ…いす…?」

翔馬:
「えっ…?」

葵依:
「…え?」

翔馬:
「アイス…知らないの?」

葵依:
「あー…、えーっと…」

翔馬:
「上がって上がって!」

葵依:
「え!えっ!?」

翔馬:
 彼女を強引に居間に押し上げ、冷凍庫から特売の棒アイスを二本取り出してきびすを返す。持ってきたアイスを見ても彼女はぴんと来ていないみたいだ。

翔馬:
「本当に食べたことないの?」

葵依:
「んー、多分初めてではないと思うんですけど…、私、忘れっぽくって。昨日のこともよく思い出せなかったりするんです…」

翔馬:
「あー、俺も、昨日の晩御飯とかは思い出せないかも…。その時は嬉しかったりするんだけどなぁ」

葵依:
「そう…ですね」

翔馬:
「……?」
「ま、いいや。食べて食べて。溶けちゃうから」

葵依:
「あ、はい。……んー!冷たくておいしいです!」

翔馬:
「そう?よかった。特売の安物だけど」

 アイスに口をつけた瞬間、彼女の目が爛々らんらんと輝く。それは、本当に初めて食べたんだということがはたから見ても伝わってくるほどだった。

葵依:
「はい。とっても美味しいです!」

翔馬:
「よし。じゃあ食べ終わったら作戦会議だな…」

葵依:
「どんなことをするんですか?」

翔馬:
「そうだなぁ…。まず真ん中に写真を置いて、周りには…拾った今日の日付と、特徴だな…。鳴き声とか、あとは模様とかに特徴があれば…、もうちょっと書きやすいんだけど…」

葵依:
「この、真っ白ですもんね」

翔馬:
「うん…。あ、でもこの鍵しっぽはかけるな。他…、他…」

葵依:
「すっごく人懐っこかったです!」

翔馬:
「そうだね。あとは先住せんじゅうねこと仲良くできてるし、こいつも猫がいっぱいいるところで育ったんじゃないかなって思うんだけど…、うーん。曖昧あいまいなことは書かない方がいいか…。えーっと、だから…」

***

翔馬:
「こんなもん…かな」

葵依:
「写真はどうします?」

翔馬:
「ちょっと抱いてて」

葵依:
「こう、ですか?」

翔馬:
「そうそう。そのままそのままー…」

翔馬:
彼女に抱かれている猫を捉える。ピピっという電子音が数回なり、画面の猫が切り取られていく。

翔馬:
「えぇっと…、どれがいいかな…」

葵依:
「んー、これ!これがいいです!これが一番かわいいです」      

翔馬:
「よし。じゃあこれにしよう」

葵依:
「はい。…で、これをどうするんですか?」

翔馬:
「またちょっとコンビニいくけど、来る?」

葵依:
「…?行きます」

 先ほどとは逆に、翔馬しょうまくんの家からコンビニへの道をく 。今度は凄く自然に翔馬くんに道路側を歩かれてしまった。多分これは…、玄関を出る前から道路側に行けるように考えて位置取っていたんだ。少しだけど、胸がじんわりと暖かくなる。

翔馬:
 狭い歩道は、二人で並ぶとそれだけでいっぱいいっぱいで、何度か肩や手が彼女に当たり、その場所が驚くほど熱をもって感じる。
 コンビニにつく頃にはシャツも少し汗ばんでいて、効き過ぎの冷房が急激に体を冷やす。

葵依:
 翔馬くんが入り口の近くにある四角い機械をトントンと操作をする。二人で作った紙を挟むと、ピピピという短い電子音のあとに、別の口から同じ紙が大量に吐き出された。

翔馬:
「…?もしかして…、コピー機も知らなかった?」

葵依:
「………、はい。あ、あの!凄い機械ですね!なにかどうなってるんですか!?」

翔馬:
「え………、あ、いや、ごめん。使い方はわかるけど…、どういう技術かはわからないや」

 ***

翔馬:
 彼女が猫と出会ったと言う場所を中心に、周囲の家々にコピーを配って回った。先ほど見た猫の轢死体れきしたいは、血のあとまでもが綺麗さっぱりなくなっていた。

「……」

葵依:
「どうかしましたか?」

翔馬:
「ん?あぁ、いや。なんでもないよ」

葵依:
「…?」

翔馬:
「…飼い主、見つかるといいなぁって思って」

葵依:
「そうですね!」

翔馬:
「うん」

葵依:
「あの…」

翔馬:
「ん?」

葵依:
「もし、見つからなかったら…」

翔馬:
「その時は、ちゃんと家で飼うよ」

葵依:
「本当ですか!」

翔馬:
「勿論。ここまでやって保健所に…、なんて、出きるわけないよ」

葵依:
「よかったぁ…。あ…、でも、私は…、そっちの方が嬉しいかも…」

翔馬:
「ん?」

葵依:
「そしたら、いつでも会いに行けますよね?」

翔馬:
「なるほどね…」

 その時、二人の会話を裂くように、17時を知らせる地域放送が鳴る。

葵依:
「あ…、もうこんな時間。そろそろ帰らないと…」

翔馬:
「そっか。送るよ」

葵依:
「あ…、いえ。近くですから、大丈夫ですよ。それより…」

翔馬:
「ん?」

葵依:
「明日また、猫ちゃんに会いに行ってもいいですか?」

翔馬:
「勿論。待ってるよ」

葵依:
「やった!じゃあ、また明日、翔馬しょうまくん」

翔馬:
「しょ…、うん。また明日」

葵依:
「…んー?」

翔馬:
「…?」

葵依:
翔馬しょうまくんは、名前、呼んでくれないんですか?」

翔馬:
「えっ…」

 そういった彼女は、とても楽しそうにこちらの顔を覗き込んでいる。

「あー、おい、さん」

葵依:
「あーおーい」

翔馬:
「…。あ…おー…い…」

葵依:
「はい、なんでしょう」

翔馬:
「また、…明日」

葵依:
「ふふふ。はい。では翔馬しょうまくん。また明日」

翔馬:
「う、うん」

 ***

葵依:
「それにしても美味しかったなぁ…。あいす、とか言ったっけ」

 明日会った時、覚えていたら翔馬しょうまくんに色々聞いてみよう。どこに売ってるのかな?

「あら?」

 視界のはしに何かがうつる。それは道路のはしに、まるでゴミ袋のように、潰れたペットボトルのように、雑に打ち捨てられた鳩の死体だった。

「あらあらあら…」

 首は明後日の方を向き、体は妙に平べったく変形し、辺りには血と羽が散らばっている。今日はよく動物がかれるのね。

「かわいそうに…。痛かったでしょう」

 鳩の体をすくい上げ、右手で体を優しく撫でながら思い出せないことを思い出す。次第に体は悲しみに染まり、大粒の涙が頬を伝う。
 その涙が鳩の体に触れた時、地面に散らばる血と羽がひとりでに宙に浮き、鳩の体へ戻っていく。首が戻り、体が柔らかく膨らんでいく。手のひらの中から鼓動を感じる。
 何度もみた光景だ。何度もした行為だ。
 それでも昼の猫と違ったのは、鳩はそのまま驚いたようにどこかへ飛んでいってしまったことか。

(つぶやく様に)「もうかれるんじゃないよ」

 すでに空に帰っていった鳩の背中に、私は小さく語りかけた。
 それにしても、美味しかったなぁ。………あれ?何が…美味しかったんだっけ…。えーっと……、だめだ、忘れちゃった。まぁでもいつか、きっとまた巡り会える。 明日も翔馬しょうまくんの家に行って猫と遊ばせてもらおうっと。

 ***

翔馬:
 家でぼーっとしていると、仔猫が急に耳をぴくつかせ、玄関の方に走る。

「お。来たかな」

 仔猫を追いかけて玄関に着くと、数秒遅れてチャイムが鳴る。すぐに開けよう、とも思ったけど、ずっと待ってたみたいで…、わざと10秒数えてからドアを開けた。

葵依:
「こんにちは。お邪魔します」

翔馬:
「いらっしゃい」

葵依:
「あれ?お前もお出迎えしてくれるの?」

翔馬:
「ああ、こいつ。昨日あのあと家に帰ったら、まるで君を探してるみたいにしばらく鳴いててさ」

葵依:
「そうなんですか?それは…、悪いことをしたね」

翔馬:
 彼女が手を伸ばすと、それだけで仔猫はグルグルと喉をならし、手に顔をこすり付けている。

「ふふ。さ、上がって上がって。アイスぐらいしかでないけどね」

葵依:
「あい…す?」

翔馬:
「え……?」

葵依:
「えっ…」

翔馬:
「昨日も……、一緒に食べたけど…」

葵依:
「昨日も…、頂いたんですね…」

翔馬:
「……」

葵依:
「ごめんなさい。私、忘れっぽくって。昨日のこともよく思い出せなかったりするんです…」

翔馬:
 デジャヴ?
 いや、違う。確かに昨日も聞いた言葉。

「あがってあがって!」

葵依:
「え!えっ!?」

翔馬:
 昨日と全く同じように、彼女を強引に居間に押し上げて、冷凍庫から特売の棒アイスを二本取り出してきびすを返す。持ってきたアイスを見ても彼女はやっぱりぴんとは来ていないみたいだ。

葵依:
「これが……あい、す?」

翔馬:
「溶けちゃうからさ、食べて食べて」

葵依:
「んー!冷たくておいしいです!」

翔馬:
 アイスに口をつけた瞬間、彼女の目は、昨日と同じように爛々らんらんと輝いた。それは、本当に「初めて食べたんだ」、ということがわかる程だった。

「……」

葵依:
「……?」

翔馬:
「いや、…なんでもないよ」
 誤魔化すように着けたテレビは、東京に新しくオープンすると言う大型の商業施設の特集が行われていた。窓の外に見える高層ビル群、お洒落な内装、様々な種類の、数多くのお店たち。ああ…、いつかは…俺も……。

葵依:
翔馬しょうまくんは、この町が嫌いなんですか?」

翔馬:
「…えっ?」

葵依:
「いえ、あんまりにも、こう、釘付けだったので…」

翔馬:
「あ、ああ…。えーっと、そう、だなぁ。…うん。この町が嫌いなわけじゃない。でも、やっぱり都会への憧れはあるよ。…ないの?憧れ」

葵依:
「そうですね…。私は、この町の外では生きれないから」

翔馬:
「…え?」

翔馬:
 この町の外では生きれない…?ってどういうこと?この町で…、一生を?この町で大きくなって、この町で仕事して、年を重ねて、子どもを育て、生きて…、死んでいく…?

葵依:
「私は海がないと生きれないから」

翔馬:
「え…?どう…いう意味…?海が好き……的な?」

葵依:
「そうね。海が好き」

翔馬:
「……?」

 そう言った彼女の顔は確かにこちらを見ているのに、その瞳(ひとみ)には俺が映っているのか…、もっと、もっと遠くを見つめているようだった。
 猫の鳴き声が聞こえて、意識を現実に戻す。足元には猫が4匹、おもちゃを咥え、前足で床をカツカツと鳴らし、投げるように催促している。少し遠くに投げてやると猫たちは競うように走って獲物を追いかけていく。三毛猫のアイがおもちゃを咥えて持ってくると、今度は彼女の前にポトリと落とし、爪でカツカツと音をたてて催促する。

葵依:
「…わたし?」

翔馬:
「投げてあげて」

葵依:
「ほら、とってこーい」

翔馬:
 彼女が適当におもちゃを投げてやると、ドタドタと音をたてて再び獲物を求めての競争が始まった。

葵依:
「かわいいですね」

翔馬:
「そう?よかった」

葵依:
「はい。それにしても…、猫ってもっとはじめての人のこと、怖がると思ってました」

翔馬:
「こいつらは根っからの家猫だからねぇ。人に慣れてんだ」

葵依:
「そう言うものですか…。あっ、そう言えば、連絡来ましたか?」

翔馬:
「ん?」

葵依:
「本物の飼い主から」

翔馬:
「ああ、ううん、まだ。まぁでも、まだ1日だからね」

葵依:
「そうですね…」

 仔猫がおもちゃを咥えて帰ってくる。他の猫たちは飽きたのか、みんなどこかへ行ってしまった。

「おいで」

翔馬:
 彼女がそう言って手を伸ばすと、仔猫は当然の事のように手に包まれにいく。

葵依:
「飼い主、見つかるといいねぇ」

翔馬:
「…そうだね。…あ」

葵依:
 17時を告げる地域放送がなる。

翔馬:
 彼女が家に帰る合図。

葵依:
「もうこんな時間なんですね。ここにいると時間の進みが早いです」

翔馬:
「ほんと?ふふ。ちょっと嬉しいかもな、それは」

葵依:
「ふふ。そう言うものですか?」

翔馬:
「まぁね」

葵依:
「…じゃあ、今日は、この辺で」

翔馬:
「うん」

葵依:
「あの…、迷惑じゃなければ…」

翔馬:
「いいよ。明日もその次も。特に予定なんてないしね」

葵依:
「本当ですか?」

翔馬:
「うん。アイス準備して待ってる」

葵依:
「ふふ。じゃあ、楽しみにしてますね」

翔馬:
「うん。俺も。楽しみにしてる」

葵依:
「では。しょーま君、また明日」

翔馬:
「うん。また明日」

葵依:
「んー…。(小声で)意気地無し」

翔馬:
「えっ?なにか言った?」

葵依:
「なーんにも言ってないですよ」

翔馬:
「ん…?」

 ***

翔馬:
 あれから1週間が経ち、本当にいるのかもわからない猫の飼い主からは、とうとう連絡が来なかった。
 そのあいだ、彼女は毎日家に来てくれた。
 でも…、ある日は仔猫の事も忘れていて、またある日は、なんでこの家に来たのかさえ、わかっていない様だった。
 それでも言葉を重ねたら、「そうなんですね」とそのままを受け入れた。彼女の中からどんどん記憶が抜け落ちていくのを感じる。そして、それは、とても怖い事だと言うことも理解した。
 いつか、彼女の中から俺も消えてしまうのか…、どうしてこんなにも、彼女は様々な事を忘れてしまうのか。アイスや猫の事だけじゃない、もっと、もっと大事な何かのことを、彼女は憶えていられるのか。
 家族との大切な思い出だとか、誰かとのお別れだとか、楽しいことだけじゃなく、悲しくて、それでも今の自分を形作っている様々な記憶達を、それに似た何かを、彼女はちゃんと憶えているのか…。

 ***

翔馬:
「今日で1週間か…。色々どうしよっか、お前」

葵依:
「今日で1週間なんですね」

翔馬:
「とりあえず、名前と…首輪か…」
「ねぇ、名前決めてあげてよ」

葵依:
「私が…ですか?」

翔馬:
「うん。俺より先にコイツに会ってたしね」

葵依:
「そう…、ですか。わかりました。ちょっと考えてみますね」

翔馬:
「よろしく。さーてと、じゃあちょっと首輪買いに行くかー」

葵依:
「……」

翔馬:
「あの…、君も一緒に、来る?」

葵依:
「…。名前で呼んでくれたら行きます」

翔馬:
「え…」

葵依:
翔馬しょうま君私のこと全然名前で呼んでくれないじゃないですか」

翔馬:
「…そうだっけ?」

葵依:
「そうですよ!そもそも私の名前覚えてます?」

翔馬:
「もちろん!それはもちろん」

葵依:
「ふーん。へぇー。じゃあ、呼べますよね」

翔馬:
「あー……、あお……い」

葵依:
「んー。まぁ、合格にしておきましょう」

翔馬:
「アリガトウゴザイマス…」

葵依:
「じゃあ、はい」

翔馬:
「…え?」

葵依:
「もう一回誘ってみてください。ほら」

翔馬:
「えっ…」
 彼女の…、ああいや、あ、葵依あおいの目を覗き込む。その目はキラキラと輝いて、口角がいたずらっぽく上がっている。

「あの、あー、葵依あおい?」

葵依:
「はい。なんですか?」

翔馬:
「一緒に首輪を買いに…行かない?」

葵依:
「ふふ。ええ、喜んで」

 ***

翔馬:
「はいこれ」

葵依:
「なんですか?これ」
 
翔馬:
「ソフトクリームって言うやつ。まぁ、食べて食べて」

葵依:
「はい。…んー!これも美味しいです!あいすと違って柔らかいんですね」

翔馬:
「そうそう。さて、食べ終わったらあれやろう」

葵依:
 首輪を買って、「そふとくりぃむ」をたべて、さぁ帰ろうと思った矢先、翔馬しょうまくんが商店街の入り口の方を指差す。

「…?なんですか?あれ」

翔馬:
「え?えーっと…ガラガラ…?何て言うんだっけ、抽選会みたいな」

葵依:
 翔馬しょうまくんの指の先には、テントが出してあって、そこには八角形の箱があり、取っ手が付いている。

「…?」

翔馬:
「まぁみてて」

葵依:
 そう言うと、翔馬しょうまくんは係のおじさんにレシートを見せ、いくつかのやり取りを交わした。どうやら2回?出来るみたい。……何が?


:「こうやってレバーを回したら………、白かぁ。ま、こんなもんだけどね」

葵依:
 ガラガラと言う音が鳴り、どこからともなく白色の玉がひとつ出てきた。係のおじさんはへへっと笑いながら、翔馬しょうまくんの手にポケットティッシュを握らせ、「さぁ、もう1回だよ」と話す。

翔馬:
「同じようにやってみて」

葵依:
「はい。回す…?」

 翔馬しょうまくんの真似をして持ち手を回す。ガラガラと言う音と共に、今度は綺麗な水色の玉が出てきた。
 おじさんは少し驚いたように、奥の紙を確認し、嬉しそうな顔で小さな紙を2枚渡された。

「これ…、なんですか?」

翔馬:
「すごい!3等だって、遊園地のペアチケット!」

葵依:
「…?どうぞ」

翔馬:
「…えっ?」

葵依:
「……えっ?」

翔馬:
「あ、いや。これは葵依あおいさんが当てたやつで…」

葵依:
「でも、私はお金を払ってませんし、翔馬しょうまくんの物ですよ」

翔馬:
「あー、いや、えーっと…。じゃ、じゃあ一緒に行かない?遊園地!」

葵依:
「いいんですか?」

翔馬:
「勿論!!というか、是非ぜひ!」

葵依:
「わかりました」
「ところで……、あの……遊園地って…、なんですか?」
 
 ***

葵依:
「ここが…、遊園地!ですね!」

翔馬:
「うん」

葵依:
「なんだか、いるだけで楽しい気分になりますね!」

翔馬:
「そう?よかった」

 一夜が明け、太陽が真上に昇った頃、俺達は遊園地の入場ゲートをくぐった。遊園地と言っても、この町にある遊園地だからそんなに大したことはない。ジェットコースターだってひとつっきり、他のおもだった遊具はゴーカート、観覧車にお化け屋敷。他にもちょくちょくあるけど、まぁそんなところかな。

葵依:
「すごい…」

 なんだか長い乗り物、まぁるい乗り物、車見たいな乗り物。馬がぐるぐる回ったり、あれは?コーヒーカップ?あの建物はなんだろう、楽しげな音楽がなって、ここにいる人たちもみんな笑顔で。

翔馬:
「どれ乗ろっか」

葵依:
「はい!えーっと?どれが…、好きですか?」

翔馬:
「俺?そうだな……」

葵依:
 それから私たちは色々なものに乗って、色々な事をした。じぇっとこーすたー、空中ぶらんこ、ごーかーと。それからお店でご飯を食べて、座っておしゃべりをした。たくさんたくさん喋った。

翔馬:
「そう言えば、猫の名前、決まった?」

葵依:
「あ、そうでした!シオンはどうでしょう」

翔馬:
「シオン?なんかかっこ良い名前だね」

葵依:
「ふふ、そうですか?かわいいお花の名前なんですよ」

翔馬:
「へー。どんな花?」

葵依:
「真ん中が黄色で、紫色の花びらが付いてるんです。今度調べてみてください。きっと気に入りますよ」

翔馬:
「うん。シオンだね。わかった」

 パンフレットを眺めなら次のお目当てを探す。時刻は16時半を回った。太陽も少し傾き始め、風の雰囲気が変わる。

「あ、先にお土産買おうよ」

葵依:
「お土産?」

翔馬:
「キーホルダーとか?」

葵依:
「きーほるだー、ですか…?」

翔馬:
「うん。鞄とかにつけるやつ」

葵依:
「ほしいです…!」

翔馬:
「よし!お土産買ったら観覧車にのろう」

葵依:
「はい」

翔馬:
 席を立ち、土産物屋みやげものやに入る。手狭な店内は思っていたより物もなくて、遊園地のキャラクターのぬいぐるみや、タオルなんかが売っている。 

葵依:
「これ、なんですか?」

翔馬:
「鈴…、だね。こうやって身体を振れば、ほら、音がなる」

葵依:
「あ、本当、これかわいいですね!」

翔馬:
「よし、じゃあこれを2つ」

 手早く会計を済ませて、2人で観覧車に向かう。まだ時間が早めだからか、そんなに並ぶ事もなく、5分ほどで乗ることができた。

葵依:
「観覧車…って」

翔馬:
「ぐるって回るんだ。ゆっくり」

葵依:
「なんか、落ち着きますね」

翔馬:
「そうかも。今日ずっとバタバタしてたからね」

葵依:
「でも、楽しかったですよ」

翔馬:
「そう?…よかった」

葵依:
翔馬しょうまくんは…、いつも私にたのしいをくれますね」

翔馬:
「ん?」

葵依:
「シオンちゃんとか、あいすとか、そふとくりぃむ、とか。他にもたくさん」

翔馬:
「…」

葵依:
「ありがとうございます」

翔馬:
「…ねぇ、これ、受け取ってくれる?」

 袋から出した鈴が、カラリと鳴る。

葵依:
 二人きりの観覧車の中で、鈴のおとが響く。

「はい。…頂きますね」

翔馬:
「その鞄に付けて良い?」

葵依:
「…。お願いします」

翔馬:
 葵依あおいから鞄を受け取り、鈴をつける。鞄が揺れると、カラリと綺麗な音が鳴る。

翔馬:
「ねぇ、あ、…あお、い」

葵依:
「…はい」

翔馬:
「これからも、一緒に色んな事が出来る?俺達」

葵依:
「それって…」

翔馬:
「うん…。そう言う意味」

葵依:
「……。ごめんなさい」

翔馬:
「………。…そっか。なんか、ごめんね」

葵依:
「(早口で)いや、あの、ごめんなさい。違うんです、あの、私…」

翔馬:
「え…?」

葵依:
「私、私は…、…人魚の末裔まつえいなの。…私の涙には、生き物を生き返らせる力がある。でも泣いてしまったら、その時一番大切な記憶を、思いを、失くしてしまう」

翔馬:
「生き返らせる……。記憶…?」

 シオン。思い当たることがある。やっぱり、あの子はあの日かれていたはずの猫。シオンが生き返って、葵依あおいは何を失ったんだろう。アイスの事を忘れて、何を生き返らせたのだろう。シオンのことさえ忘れていた事もあった。

葵依:
「ええ。記憶をくしてしまう。どんなに大切なものでも…、ううん。…大切なもの程、失くしてしまう。もし二人の思い出が出来ても、私はいつか忘れてしまう。翔馬しょうまくんと同じ思い出を共有できない。きっと、今日のこの日の事だって…、もしかしたら明日には忘れているのかもしれないの」

翔馬:
「思い出…」

葵依:
「それに、私は翔馬しょうまくんと生きる長さが違う。私はこれからもずっと生きていく。死ぬことも、…老いる事もなく」

翔馬:
「…不老不死…ってこと?」

葵依:
「ええ」
翔馬しょうまくんが大人になっても、お爺さんになっても」
「…死んでいっても」
「私はこのまま。」
翔馬しょうまくんと同じ時間を歩んでいくことは出来ない」

翔馬:
「同じ…時間」

葵依:
「信じられないよね…ごめん」

翔馬:
「いや…、でも…、うん。思い当たることがある」

葵依:
「…そっか……。ごめんなさい」

翔馬:
 観覧車が頂点に付いた。
 だから、ゆっくりと下がっていく。降りていく。

葵依:
 視線を翔馬しょうまくんから逃がす。遊園地で遊ぶ人たちが小さく、小さく見える。あれにも乗った、あそこにも行った。…まだ覚えてる。

翔馬:
「なんで、謝るの?」

葵依:
「……ううん」

翔馬:
「……うん」

 …ゆっくり。ゆっくりと観覧車は回り、やがて地面に着く。

「帰ろっか」

葵依:
「…はい」

翔馬:
 2人で観覧車を降りる。

葵依:
 鞄についた鈴が、カラリカラリと小さく響く。

翔馬:
 丁度、17時の鐘が鳴る。

葵依:
 そして、2人の時間が終わる。

翔馬:
 帰りはお互いに何を喋ったら良いのかわからなくて、終始うつ向いて、ただ、道を歩いていた。

葵依:
 商店街を抜け、コンビニの前に着く。もうこれで最期の時?

翔馬:
 気のいた言葉ひとつ、思い浮かばなくて、

葵依:
 気のいた言葉ひとつ、思いつかなくて、

翔馬:
「じゃあ…。また」

葵依:
「……はい。また」

 きっと、これが最期の挨拶。

翔馬:
 気不味きまずい空気を振り払うようにきびすを返し、家路を進む。頭が妙に重たくて、地面から目が離せない。だから、気づくのが遅れた。

 ***

葵依:
 翔馬しょうまくんと別れて、私も振り返って、進み始めて。30秒もしない内に、翔馬しょうまくんの行った方から、大きな音が聞こえた。破裂音のような、破壊音のような。
 なんとなく嫌な予感がして、音の方に駆けつけた。ああ、ああ。どうしてこういう予感って当たってしまうんだろう。

翔馬しょうまくん!」

 前がへこんだトラック、運転席では運転手が呆然とした顔で座っている。手前にはお揃いで買った鈴がひしゃげて落ちて、その奥には、翔馬しょうまくんがぐったりと倒れ込んでいる。辺りには黒い血がどくどくと流れ出て、意識もなく、息もわからない。わからないよ。

翔馬しょうまくん…!」

 ダメだよ。なんで、どうして?感情があふれて訳がわからない。頭が心に追い付かない。身体が勝手に動いている。彼の身体にすがりついて、感情のまま、心のまま、口から言葉があふれる。

「…だめだよ…!」

 地面に着けた膝から、彼の血の温もりを感じる。服が彼の血で染まる。だんだん血溜まりが小さくなっていく。小さくなって…?

「ああ。ああ…」

 やってしまった…、使ってしまった。気づけば両の目から涙が溢れていた。血がひとりでに動いて、私の、彼の服から血の赤が退いていく。
 辺りの血がなくなる。
 何度もみた光景だ。何度もした行為だ。
 ああ、ああ……、この人は、誰なんだろう。もう名前もわからない…。意識が混濁する。感情が、思い出が、失くなっていくのを感じる。
 今まさに、私はこの人の事を忘れているんだ。

「ごめんね……、私、あなたのこと、……忘れちゃうんだ……」

 ***

翔馬:
「…っ!」

 …なにが…?俺はトラックにかれて…?
 意識が覚醒する。手も足も動く、辺りを見回すと、葵依あおいが、両目から涙をボロボロと流していた。

葵依:
「もう、かれるんじゃないよ」

翔馬:
「…えっ…」

 それだけ言うと彼女はすくっと立ち上がり、どこかへ歩き始めた。それで起きたこと全てを理解した。俺は、頭で理解したこと全てに打ちのめされて、ただ、彼女が歩いてどこかへ行ってしまうのを、見ている事しか出来なかった。
 角を曲がって彼女の姿が見えなくなってから、両の目から涙が止まらなくなって、叫びながら泣いた。

「うぁっ!……っ!うぁああああっ!」

 こんなに残酷な思いの伝えられ方って、あるのかよ。彼女は、俺を助けて、俺を忘れたんだ。俺との事を全部、忘れたんだ。



 ***(長めに間を取ってください)



翔馬:
 あの夏から5年が過ぎた。トラックと衝突しても無傷だった翔馬しょうま少年は、数ヵ月の間はヒーロー扱いで、でもそんな偶像ぐうぞうにはなんの価値もなく、冬服に袖を通す頃には都会に憧れるだけの、ただの男の子に戻っていた。
 高校を卒業した俺は、田舎から、あるいは逃げるように都会の大学に進学し、毎日それなりの生活を送っていた。
 大学の卒業も決まったある日に、卒業祝いをするから帰ってこいと親から呼び出された田舎は、あの時からなにも変わっていなかった。
 相変わらず、動物の轢死体れきしたいが転がる田舎道。気の抜けた店員と、学生がたむろするコンビニ。あの日葵依あおいと会った場所。
 あの日以来、何度も探しに行ったけど、ついに葵依あおいとは会えないままこの街を出た。悲しくない、寂しくないと言えばそれは嘘だ。俺は今でも彼女を視界の隅に探している。
 あの細い腕、少し垂れたひとみ、肩まで伸びた髪。妙に丁寧な話し方、何でも楽しそうに感じるところ。
 まだ思い出にもなっていない。振り向けば、笑っているような気がする。角を曲がれば、そこに立っている気がする。
 ポケットから家の鍵を取り出す。思い出の鈴。塗装も剥がれて、今じゃただのひしゃげた鈴だ。あの時ひしゃげてしまったから、振っても綺麗な音も鳴らずに、中でコロンと音がするだけ。
 コロン…コロン…コロン…。
 思い出の場所で鈴を振る。
 コロン…コロン…コロン…。
 彼女の声。空気。シオンという名前。
 コロン、コロン…、コロン…カラリ。

「っ!……今…」

 カラリ…。少し遠くで鈴のおとがする。これは俺のではない。誰の…、おと?まさか……。
 鈴のおとが鳴った方へ足進める。自然と早足になって、あの角の向こう、曲がった先に

「……葵依あおい…」

葵依:
「あら?あらあらあら…。ええっと…」

翔馬:
葵依あおい!!」

葵依:
「…!はい…?」

翔馬:
「あ……、いや、…ごめん」

葵依:
「ええっと……、もしかして…」

翔馬:
 あの時となにも変わらない姿。声。成長していない、いや、老いていない。あの時のまま。
 背中のリュックには俺と同じで、塗装が剥げた鈴がカラリカラリと響く。

「…ねぇ、シオンって花の花言葉…、知ってる?」

葵依:
「………はい。知ってます」

翔馬:
「……教えてくれない?君の口から」

葵依:
「…あなたを……。あなたを、忘れない…」
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