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第1章〜未知なる世界〜
龍神様降臨
しおりを挟む遥歩は龍神である『漆黒の翼竜ナーガ』をちゃっかり仲間に加えるべく遠回しに誘ってみた。
「さぁどうなんだ?『漆黒の翼竜ナーガ』よ!俺と一緒に世界を変えてみないか?」
鎖に縛られながら悩むナーガ、すると冒険者の三人が口を開く。
「あんた何言ってんだ?!世界を変えるってどういう事だ?」
「お兄さんは世界をどう変えるの?」
男性冒険者と女性冒険者が遥歩に質問する、確かに世界を変えると言っても明白な目的がなければ成し遂げられない。
できるのであろうがそう上手く行くはずがない。
「世界を変えるか…確かに大きすぎる目標だよ。でもよく良く考えてみれば今こうやってきみたちの話を聞く限りモンスターと人間、もしかしたら多種族とも上手くいけてないだろ?」
「そりゃそうだ!多種族同士争って何が悪い、自分の身を守り自分の国、家族を守るために争う。それの何が悪い。」
ここで疑問が出てきた、この世界ではどのようにしていがみ合ってるのか。
すると遥歩の前に一筋の光が、目を凝らす遥歩、そこに先ほど神と名乗るデミウルゴスが立っていた。
周りは固まっていた。
「お、おいまさか。創造神様か…」
ナーガが虚どりながらデミウルゴスに話しかけた。
「えぇ!私は創造神であり名はデミウルゴスと言います。それではこの世界の構造を少しご説明します」
最初に言えよって思ったがグッと堪える遥歩。
この世界では大まかに獣人族、エルフ、ドワーフ、巨人族、小人族、精霊族、人族と8つの種族に分かれる。
獣人族にも犬、兎、猫など居るが互いにいがみ合って居る。
エルフに関しては、ハイエルフ、ハーフエルフ、ダークエルフと3つありハーフエルフは大体奴隷として売買されるが、ハイエルフ、エルフ、ダークエルフに関しては敵対して居る。
妖精族はハイエルフも含まれるが少し違う、小人に羽が生えて居るのがこの世界では王道だそうだ。
ドワーフは人族の事をものすごく嫌いたまに人族に誘拐されるものもいるが、絶対に自害してしまう。
小人は森の守り神として好まれて居るが彼らの持つ血を飲むと不死の能力が得られると噂され、見つからないようにひっそりと暮らして居る。
「なので何があってもこの世界での多種族の交流などほぼ不可能と言っても過言では無いのです。」
「そんなに深刻なら先に行って欲しかったよ。」
呆れるそぶりをするが、デミウルゴスはニコッと笑う。
「それは私の出る幕が少なくなるじゃないですか!!」
自分の出る回数を増やそうとする小賢しい神はいるのであろうか。
「でもこれで分かったことがある。それは知名度が高ければみんな付いてくるんじゃないか?例えばデミウルゴス、君みたいに『創造神』という称号があるように俺にも何かの称号を得てこの称号は俺だって言えるような物を!」
「あ!確かに言われてみれば…だったら1ついい方法がありますよ!五神龍全てを自分の下部にするのです!」
その場にいる皆んなが驚く、全ての龍神を仲間にするなど前代未聞だからだ。
「ちなみに何故この世界に五神龍がいると思いますか?」
「そ…それはそこの土地を守ってるから?」
唐突の質問に曖昧な答えを出す。
「少し違います!彼ら龍神族はコアと言うものを守っているのです!そのコアはこの世界に魔力として混合し放出され魔導師などの魔力や植物や生き物の生命として生まれ変わります。ですが度々訪れる例外、異世界転生者又の名を勇者がその原理も知らず奪いに来るのです。」
遥歩以外にこの世界にも召喚されたものもいるようだ、それは今に始まった話ではなく数百年も昔から異世界転生者はいたようだ。
「じゃあ俺はその五神龍を束ねてなおかつコアを守り世界をも束ねるってか?なかなか厳しいと思うが…」
「貴方は野蛮な異世界転生者と違うところがあると見込みこの世界に呼んだのです、だから貴方ならできるはずですよ!ちゃっかり言いますが私からの加護をお持ちですから余裕ですよ!!」
張本人がはそんなこと言ったら台無しだと思う遥歩。
「分かった。この漆黒の翼竜ナーガ、そこの少年遥歩をご主人とし認めよう!」
腹をくくったナーガ、その場にいた皆が喜ぶ。
「そういえば自己紹介がまだだったな!俺はこの三人のリーダーをやってるアルフレッドだ!」
赤い短髪でアップバックの髪型をした目付きの悪い男が突然自己紹介を始めた。
「そしてそこに座ってるのがアヴィルで横になって気を失ってるのがフィルだ!」
アヴィルという女性冒険者は黒髪でボブ、そして前髪パッツンで青色の綺麗なまん丸い目が見える。
そして横になってるフィル、透き通ったエメラルドグリーンでお姫様カットと言われる髪型をしていた。
「よ、よろしくな!俺は六堂遥歩だ!遥歩って呼んでくれ!」
「アユムか!分かった!これからもよろしく頼む!!これからフィルを抱えて町に戻る予定だが付いてくるか?」
アルフレッドと遥歩はナーガの方に視線を向けた。
「な、なんだ!我輩の顔に何かついておるのか?!それともその見た目だと町には入れないと訴えておるのか!!」
アルフレッドと遥歩は同時に頷く。
「ば、馬鹿にするでないこれでも人間に化けることは可能だぞ!!見ておれ!」
そう言って漆黒の翼竜ナーガの体が光り出した、すると徐々に体が小さくなり人型になった、がそこに立っていたのは黒髪のロングの裸体の幼女だった。
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