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道鏡事件
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九尾狐は悉く事が運ばず、その原因は全て和気清麻呂その人にあることを確信するに至った。そこで、清麻呂の暗殺を目論む。今、都への帰路にある彼を狙えば、前回の二の舞になるのは容易に想像できた。ならば、帰京の直後を狙うしかあるまいと考えた。
「我を愚弄しよって、許さぬぞ、清麻呂。かくなる上は、最上の呪いで奴を葬ってやろうぞ。その“名”で生を受けたことを、後悔するがよい!」
生者の名を呪う行為は、原初的で、極めて強い力を持つ。
「奴が都についたその夜が、最期の夜となろう」
薄ら笑いが水面に映った。
一方、体を持ち直した帝は、道鏡を召した。
「陛下。いかがなさいましたか」
「道鏡よ。ひとつ聞きたいのじゃが、おぬしら狐の一族たちは、全て“秘術”なるものを使えるのか」
「左様でございます。秘術の類は相伝であり、もちろん多少の流派はございますが、それは国を越えようとも、概ねは同じようなものかと。いくつかの類は唐土の伝説にも描かれておりまする……」
「そうか」
「なぜ、そのようなことを仰るのです?」
「いや、今わしの側近の一人である小手尼がな、おぬしと同じく、秘術を使うと申しておったのじゃ」
「それは……。それは本当ですか」
「うむ。わしの耳に疑いはない」
「それがもし本当なら……」
「本当なら?」
「小手尼は……私と同じ狐ということになりますぞ」
「なぜ、私はそやつを側近に……」
「……私の推測に過ぎませんが、これも幻術の類かと思われます。どうか、お気になさらないでください。陛下、そのことはまだ誰にもおっしゃっていませんね?」
「もちろんじゃ」
「そうでしたら、今は、騙されたふりをしておきましょう。私に策がございます」
「策とは何じゃ。申してみよ」
「は。奴の狙いは、陛下、清麻呂殿、私と考えて間違い無いでしょう。その中で、全くその正体に気づいておらず、一番危険なのは……」
「真の神託を受け取ったであろう、清麻呂だろうな」
「そうでございます。ですから、我々がやるべきことは、いかなる手を使ってでも、清麻呂殿のお命を助けることです。念には念を入れて……」
「具体的に、朕は何をすれば良い」
「奴の狙いは今まで全て失敗しています。最後に奴の狙うことは大体想像がつきます。これから申し上げますことを、よく覚えておいてください。そう日にちも待ってはくれませぬ」
それから暫くして、遠路はるばる、清麻呂が神託を携えて都へと帰還した。その目は正義の眼差しである。彼は新しく受け取った真の神託を堂々と読み上げた。彼は帝に対して忠義をなしたつもりであったが、帝の表情は途端に曇り出し、彼が予想だにもしなかった展開を迎える。
「清麻呂!おぬしは宇佐八幡宮で何をした!本来の通りの神託を早く読み上げよ!」
帝は声を荒げて、清麻呂を鋭い目つきで睨みつけた。
「陛下が道鏡様を信頼なさっているのは重々承知しております。しかし、皇位の継承とあっては話は別。今日ただいま、私がお持ちし、お読みしたものこそ、真の神託でございます。どうか、どうか」
「ええい、うるさい!……道鏡こそ帝にふさわしいのじゃ。その真の神託とやらも怪しい。それは貴様の妄言であろう。そうであろう!」
「いいえ、違います!これこそが真の神託。私は大神から直接、こちらを授かったのです」
「ふん、全ては戯言に過ぎぬ。清麻呂よ、忠義、忠義と言うならば、朕の命に逆らうな」
「いえ。そのようなつもりは一切ございません!道鏡様も、何か仰ってください。貴方様も、私と同じ忠の士のはず。この神託の意味を、きっとお分かりでしょう。貴方様のような方が帝になることは、断じて許されることでは無い……。それでも良いのですか」
道鏡は静かに口を開けた。
「私から貴殿に言い渡すことはない。慎んで、命をお受けする次第。偽の神託に用はない」
「その行為がこの国を容易に滅ぼすに至らせることを、貴方様は理解しておられない……。ああ、貴方様でしたら、この国のために尽くすと思っていたのに。聡いお方だと、心より信じていたのに!今はただ……今はただ悔しゅうございます……。己の不甲斐なさ、大神から、神託まで授かっていながら……」
清麻呂は地に伏し、涙を流した。
「その方、朕と道鏡を愚弄し、偽の神託を読み上げた罪で、大隅国へ流罪を言い渡す。今すぐじゃ!二度と都へ近づくことは許さぬ。……それに加えて、おぬし、これより和気清麻呂から、別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)と名乗れ。勅命じゃ」
「これほどの屈辱……これでよろしいのですか……」
清麻呂は小さくつぶやいた。土で汚れた両袖を振り払う気力さえ起らなかった。
「命があるだけよしと思え。これで終いじゃ!」
貴族たちは、あまりの帝の激昂に、動揺を隠すことができなかった。彼らの間にはいつしか、道鏡と帝は不義の関係であるといったような噂が立つようになり、それは瞬く間に都中へと広がっていった。
「確かにあの溺愛ぶりは、異常としか言いようがないのう」
「本当にそうじゃな……。この国はどうなるのじゃ。一介の禅師が、この国の帝になるのだぞ……」
「清麻呂の方も気の毒じゃ……。いや、これ以上言うことはやめておこう。次は我が身かもしれぬ」
「そうじゃ、そうじゃ。気をつけねばのう」
向こうで何やら頭を捻っているのは、計算の狂った小手尼である。その近くを通りかかった道鏡が声をかけた。
「おや。そこで何をしておいでですかな。小手尼様」
「あっ……これは、これは。道鏡様ではございませぬか。貴方様こそ、いかがなされたのです」
「いや。特には何も……。あ、いや、一つお伝えしなければならないことがございました」
「ほう。それは何でしょうか」
道鏡の声は、冷たく空気を震わせた。
「清麻呂殿に、刺客などを差し向けても無駄ですよ。私の子供たちが、護衛についていますからね」
「急に何を……!何をおっしゃるのです……」
小手尼は思わずたじろいだ。
「かの男は神の加護をさずかったもの。何か事が起きたとしても、必ずや加護があることでしょう。名も変わりましたが……その心までは奪われはしません。では、私は陛下のところへ。それでは」
九尾狐は思わず肝を冷やした。
「あやつ、もしや気付きよったか……。でもなぜ……。いや、考えても仕方がない。かくなる上は、実力行使じゃ。まず手始めに……」
そう、極めて小さい手であったと伝わる小手尼の手が、一瞬だけ狐の手に戻ったのは、後にも先にもこの時だけである。
さて、自室の帝はひどく疲れた顔をして、道鏡に語りかけた。
「道鏡よ。これでよかったのだな」
「はい……。清麻呂殿には大変申し訳ないのですが……。この都にいては、彼は危険なだけでございました。名を変えるのも、念には念を入れてです。古来から、不浄な字には、悪霊を寄せ付けぬという話がございますが、それは真実なのです。……しかし、繰り返すようですが、何も知らぬ彼にはひどい仕打ちをしてしまった……」
「うむ。そうじゃな……いつか……」
帝の声が唐突に細々しくなったと思うと、その場にばたりと倒れ込んだ。
「陛下!」
「我を愚弄しよって、許さぬぞ、清麻呂。かくなる上は、最上の呪いで奴を葬ってやろうぞ。その“名”で生を受けたことを、後悔するがよい!」
生者の名を呪う行為は、原初的で、極めて強い力を持つ。
「奴が都についたその夜が、最期の夜となろう」
薄ら笑いが水面に映った。
一方、体を持ち直した帝は、道鏡を召した。
「陛下。いかがなさいましたか」
「道鏡よ。ひとつ聞きたいのじゃが、おぬしら狐の一族たちは、全て“秘術”なるものを使えるのか」
「左様でございます。秘術の類は相伝であり、もちろん多少の流派はございますが、それは国を越えようとも、概ねは同じようなものかと。いくつかの類は唐土の伝説にも描かれておりまする……」
「そうか」
「なぜ、そのようなことを仰るのです?」
「いや、今わしの側近の一人である小手尼がな、おぬしと同じく、秘術を使うと申しておったのじゃ」
「それは……。それは本当ですか」
「うむ。わしの耳に疑いはない」
「それがもし本当なら……」
「本当なら?」
「小手尼は……私と同じ狐ということになりますぞ」
「なぜ、私はそやつを側近に……」
「……私の推測に過ぎませんが、これも幻術の類かと思われます。どうか、お気になさらないでください。陛下、そのことはまだ誰にもおっしゃっていませんね?」
「もちろんじゃ」
「そうでしたら、今は、騙されたふりをしておきましょう。私に策がございます」
「策とは何じゃ。申してみよ」
「は。奴の狙いは、陛下、清麻呂殿、私と考えて間違い無いでしょう。その中で、全くその正体に気づいておらず、一番危険なのは……」
「真の神託を受け取ったであろう、清麻呂だろうな」
「そうでございます。ですから、我々がやるべきことは、いかなる手を使ってでも、清麻呂殿のお命を助けることです。念には念を入れて……」
「具体的に、朕は何をすれば良い」
「奴の狙いは今まで全て失敗しています。最後に奴の狙うことは大体想像がつきます。これから申し上げますことを、よく覚えておいてください。そう日にちも待ってはくれませぬ」
それから暫くして、遠路はるばる、清麻呂が神託を携えて都へと帰還した。その目は正義の眼差しである。彼は新しく受け取った真の神託を堂々と読み上げた。彼は帝に対して忠義をなしたつもりであったが、帝の表情は途端に曇り出し、彼が予想だにもしなかった展開を迎える。
「清麻呂!おぬしは宇佐八幡宮で何をした!本来の通りの神託を早く読み上げよ!」
帝は声を荒げて、清麻呂を鋭い目つきで睨みつけた。
「陛下が道鏡様を信頼なさっているのは重々承知しております。しかし、皇位の継承とあっては話は別。今日ただいま、私がお持ちし、お読みしたものこそ、真の神託でございます。どうか、どうか」
「ええい、うるさい!……道鏡こそ帝にふさわしいのじゃ。その真の神託とやらも怪しい。それは貴様の妄言であろう。そうであろう!」
「いいえ、違います!これこそが真の神託。私は大神から直接、こちらを授かったのです」
「ふん、全ては戯言に過ぎぬ。清麻呂よ、忠義、忠義と言うならば、朕の命に逆らうな」
「いえ。そのようなつもりは一切ございません!道鏡様も、何か仰ってください。貴方様も、私と同じ忠の士のはず。この神託の意味を、きっとお分かりでしょう。貴方様のような方が帝になることは、断じて許されることでは無い……。それでも良いのですか」
道鏡は静かに口を開けた。
「私から貴殿に言い渡すことはない。慎んで、命をお受けする次第。偽の神託に用はない」
「その行為がこの国を容易に滅ぼすに至らせることを、貴方様は理解しておられない……。ああ、貴方様でしたら、この国のために尽くすと思っていたのに。聡いお方だと、心より信じていたのに!今はただ……今はただ悔しゅうございます……。己の不甲斐なさ、大神から、神託まで授かっていながら……」
清麻呂は地に伏し、涙を流した。
「その方、朕と道鏡を愚弄し、偽の神託を読み上げた罪で、大隅国へ流罪を言い渡す。今すぐじゃ!二度と都へ近づくことは許さぬ。……それに加えて、おぬし、これより和気清麻呂から、別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)と名乗れ。勅命じゃ」
「これほどの屈辱……これでよろしいのですか……」
清麻呂は小さくつぶやいた。土で汚れた両袖を振り払う気力さえ起らなかった。
「命があるだけよしと思え。これで終いじゃ!」
貴族たちは、あまりの帝の激昂に、動揺を隠すことができなかった。彼らの間にはいつしか、道鏡と帝は不義の関係であるといったような噂が立つようになり、それは瞬く間に都中へと広がっていった。
「確かにあの溺愛ぶりは、異常としか言いようがないのう」
「本当にそうじゃな……。この国はどうなるのじゃ。一介の禅師が、この国の帝になるのだぞ……」
「清麻呂の方も気の毒じゃ……。いや、これ以上言うことはやめておこう。次は我が身かもしれぬ」
「そうじゃ、そうじゃ。気をつけねばのう」
向こうで何やら頭を捻っているのは、計算の狂った小手尼である。その近くを通りかかった道鏡が声をかけた。
「おや。そこで何をしておいでですかな。小手尼様」
「あっ……これは、これは。道鏡様ではございませぬか。貴方様こそ、いかがなされたのです」
「いや。特には何も……。あ、いや、一つお伝えしなければならないことがございました」
「ほう。それは何でしょうか」
道鏡の声は、冷たく空気を震わせた。
「清麻呂殿に、刺客などを差し向けても無駄ですよ。私の子供たちが、護衛についていますからね」
「急に何を……!何をおっしゃるのです……」
小手尼は思わずたじろいだ。
「かの男は神の加護をさずかったもの。何か事が起きたとしても、必ずや加護があることでしょう。名も変わりましたが……その心までは奪われはしません。では、私は陛下のところへ。それでは」
九尾狐は思わず肝を冷やした。
「あやつ、もしや気付きよったか……。でもなぜ……。いや、考えても仕方がない。かくなる上は、実力行使じゃ。まず手始めに……」
そう、極めて小さい手であったと伝わる小手尼の手が、一瞬だけ狐の手に戻ったのは、後にも先にもこの時だけである。
さて、自室の帝はひどく疲れた顔をして、道鏡に語りかけた。
「道鏡よ。これでよかったのだな」
「はい……。清麻呂殿には大変申し訳ないのですが……。この都にいては、彼は危険なだけでございました。名を変えるのも、念には念を入れてです。古来から、不浄な字には、悪霊を寄せ付けぬという話がございますが、それは真実なのです。……しかし、繰り返すようですが、何も知らぬ彼にはひどい仕打ちをしてしまった……」
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「陛下!」
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