あなたの隣は私ではないけれど、それでも好きでいてもいいですか、レオナルド様

柴田はつみ

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第十二章 レオナルドの決意

扉を開けた。
冷たい風が、頬を撫でた。
通りに出た。

石畳が、冬の光を受けて鈍く光っている。
行き交う人々の声が、遠い。

エリアーナは——歩き出した。
早足で。
振り返らないように。
泣きそうな顔を——見られないように。

(泣かない)
自分に言い聞かせた。
(せめて、人通りのある場所では、泣かない)

「エリアーナ」

後ろから、声がした。
足が——止まった。
振り返りたくなかった。
振り返ったら——崩れてしまう気がした。

(行かせて)
心の中で、思った。
(今日だけは、行かせて)

でも。

「待て」

もう一度——声がした。
今度は、近かった。
足音が——追いかけてきていた。

エリアーナは、足を止めた。
振り返れなかった。
背中を向けたまま、立っていた。

「……エリアーナ」
声が、すぐ後ろに来た。
「なぜ帰る」
「疲れたと、言いました」
「嘘だ」

短く、言い切られた。

エリアーナは、唇を噛んだ。
「嘘ではないわ」

「君は——」
レオナルドが、少し間を置いた。

「今日、笑っていなかった」

「……」

「いつも笑っている君が——今日は、笑えなかった」

エリアーナは、動けなかった。

(気づいていた?)
(笑えなかったことに——気づいていた?)

「本当の理由を、言え」

静かな声だった。
命令だったけれど——怒っているわけではなかった。
ただ——知ろうとしている。
その声だった。

エリアーナは、ゆっくりと——振り返った。

レオナルドが、そこにいた。
外套を羽織らないまま、冬の通りに出てきていた。
息が、白く——冷たい空気の中に溶けていく。

エリアーナを——まっすぐに、見ていた。

その目を見た瞬間——エリアーナの目から、一粒だけ。
一粒だけ——こぼれた。
止めようとしていた。
止められなかった。
頬を伝って、顎の先から——落ちた。

レオナルドが、固まった。
「……エリアーナ」
「……ごめんなさい」

エリアーナは、慌てて手の甲で目元を拭った。
「おかしいわね、泣くつもりじゃなかったのに」

笑おうとした。
でも——うまく笑えなかった。
口元が震えて——また涙が。

(もう、本当に、情けない)
(人通りのある場所で、泣くなんて)
(こんな、みっともない姿——)

レオナルドの手が、伸びてきた。
大きな手が。
エリアーナの頬に——そっと、触れた。

息が、止まった。
体が——動けなくなった。

レオナルドの手が、エリアーナの頬の涙を——静かに、拭った。
それだけだった。
言葉はなかった。
何も言わずに、ただ——拭った。

(どうして)
(そんなことを、するの)

泣き止もうとしているのに——余計に、視界が滲んだ。
またこぼれそうになって——エリアーナは、唇を強く噛んだ。

「……ありがとうございます」
絞り出すように、言った。
「でも本当に、大丈夫だから——」

「大丈夫ではない」
レオナルドが、言った。

手が、頬から離れた。
でも——視線は、離れなかった。

「話を——聞く」
「……え」
「君が話したいと、手紙で言っていた。俺が聞く。今日——全部、聞く」

近くに、小さな広場があった。
冬枯れの木が並んで、石造りのベンチが一つ。
人通りは少なく、冬の陽光だけが静かに降り注いでいる。

二人は、並んで——腰を下ろした。
向かい合わせではなく、隣同士で。

でも——エリアーナは、正面を向いたまま、動けなかった。

沈黙が、流れた。
レオナルドは、急かさなかった。
ただ、隣にいた。

冬の風が、時折、二人の間を吹き抜けた。
枯れ葉が一枚、石畳の上を転がっていく。

(どこから話せばいい)
エリアーナは、思った。
(三年間のことを、どこから——)

でも。

(全部、話すと決めた)
(怖くても——全部)

深く、息を吸った。

「レオナルド様」
「……なんだ」

「三年間——あなたのことが、好きでした」

静かに、言った。
風が、吹いた。
枯れ枝が、揺れた。

「婚約の日に——庭で、あなたの横顔を見た時から。あの夕陽の中の横顔が、ずっと——忘れられなくて」

レオナルドは、動かなかった。
黙って——聞いていた。

「政略婚約だとわかっていました。あなたが私に恋愛感情を持っていないことも——たぶん、わかっていました」
「……」

「それでも、好きだった。三年間——一度も、変わらなかった」

声が、震えた。
でも——止めなかった。

「だから——ソフィア様が来るたびに、胸が痛かった。あなたが私を見ない時間が続くたびに、苦しかった。笑顔でいようとするたびに——疲れていった」

一度、唇を噛んだ。

「今日も——またソフィア様が来て。笑顔を作ろうとしたんです。いつものように。でも——今日だけは」
「……できなかった」
「できなかった。三年間、ずっとできていたのに——今日だけは、できなかった」

目の奥が、また熱くなった。
でも——今度は、堪えた。

もう泣かない。
全部、話してから——泣くなら泣けばいい。

「それだけじゃない」

エリアーナは、続けた。

「レオナルド様」
「……なんだ」

「ソフィア様は——あなたのことが、大好きなんです」

レオナルドが、少しだけ——眉を動かした。

「私が思っている以上に、ずっと——大好きなんです。それは、三年間見ていてきた私には、わかる」
「……」

「それなのに、あなたははっきりしない。拒絶もしない。でも受け入れてもいない」

声が、少し低くなった。

「あなたがはっきりしない限り——ソフィア様は来続ける。二人の間に入り続ける。それはソフィア様が悪いんじゃない」

一拍、置いた。

「あなたが——させているんです」

レオナルドの眉が、かすかに動いた。
「……俺が」
「ええ」
「俺が、させている」
「はい」

エリアーナは、膝の上の手を、きゅっと握った。

「三年間——同じことの繰り返しでした。二人きりになれたと思ったらソフィア様が来る。あなたは拒絶しない。私は笑顔で見ている。また二人の世界が始まる」

言葉は、淡々としていた。
感情を押し殺しているわけではなかった。
ただ——三年間分の事実を、静かに、並べていた。

「今日も——そうでした」

「……そうだな」

レオナルドが、低く——認めた。
その一言が、意外だった。
言い訳をするかと思っていた。
でも——認めた。

エリアーナは、息を吸った。
最後の言葉を——言う前に。

(これを言ったら)
(何かが終わるかもしれない)

でも。

(言わなければ——何も始まらない)

決めていた。
今日——全部、話すと。

「だから」

エリアーナは、レオナルドを見た。
今日初めて——正面から、まっすぐに。

「このままでは——この婚約を、続けることが難しくなってしまいます」

空気が、変わった。

レオナルドが——初めて、エリアーナを向いた。
琥珀色の瞳が、大きくなった。
この三年間で——初めて見る顔だった。

「……何を言っている」

低い声だった。
静かだったけれど——その静けさの奥に、何かが揺れていた。

「聞こえましたか」
エリアーナは、目を逸らさなかった。
「聞こえた」
「では——」
「だが——」

レオナルドが、言葉に詰まった。
珍しかった。
この人が、言葉に詰まるのを——初めて、見た気がした。

「……なぜだ」
「なぜ、とは」
「好きだと——たった今、言っただろう」
「ええ」

「好きなのに——終わりにすると言うのか」

エリアーナは、レオナルドを見た。

「好きだから——です」

静かに、答えた。

「好きなのに、ずっと笑い続けることに——もう、耐えられそうにないんです。あなたがはっきりしない限り、これからも同じことが繰り返される。私はまた三年間、笑い続けなければならない」

声が、震えた。
でも——目は、逸らさなかった。

「それなら——好きなまま、終わりにした方が」

「俺は」

レオナルドが、遮った。

立ち上がった。
エリアーナの前で——立ち上がった。
二歩、歩いてきた。
エリアーナの正面で——立ち止まった。

見下ろしてくる琥珀色の瞳が——揺れていた。

(揺れている)
エリアーナは思った。
(この人の目が——揺れている)

この三年間、一度も見たことのない顔だった。
無表情が。
完璧な仮面が。
今日初めて——崩れていた。

「俺は——」

もう一度、言いかけて。
また——止まった。
言葉を探している。

いつも短く的確なこの人が——今日は、言葉を探していた。

「……君を、失いたくない」

絞り出すように——言った。

エリアーナは、息を止めた。

(君を)
(失いたくない)

風が、吹いた。
金色の髪が、揺れた。

レオナルドが——まっすぐに、エリアーナを見ていた。
言い訳ではなかった。
取り繕ってもいなかった。

ただ——その一言を、絞り出した。
この不器用な人が。
感情を見せないこの人が。
失いたくない——と。

(ずるい)
思ってしまった。
(本当に——ずるい人)

目の奥が、熱くなった。
今度は——堪えられなかった。
一粒が、また——こぼれた。

「……また、泣かせた」
レオナルドが、困ったような顔をした。

「違います」
エリアーナは、首を振った。
「嬉しくて——泣いているの、かもしれない」

言ってから、自分でも——少し、呆れた。
本当に、おかしい。
婚約を終わりにすると言った場所で。
嬉しくて泣いているなんて。

(でも)
(本当に——嬉しいんだから、仕方がない)

「一つだけ」
エリアーナは、涙を拭いながら——言った。
「なんだ」

「ソフィア様に——はっきりと言ってください」

「……」

「友人として大切に思っているが、それ以上ではないと。言葉で、ちゃんと」

レオナルドが、少しの間——黙っていた。

「……言う」

間を置かずに、答えた。

「今日——帰ったら、すぐに」

「本当に?」
「俺が——嘘をついたことがあるか」

エリアーナは、少し考えた。
「……ないです」
「なら信じろ」

素っ気なかった。
でも——その素っ気なさが、今日は、どこか愛おしかった。

(この人は、ずっと——こういう人なんだ)
不器用で。鈍くて。気づくのが遅くて。
でも——嘘はつかない。
言ったことは、守る。
(そういう人なんだ)

「では」

エリアーナは、レオナルドを見た。
涙の跡が残ったままの顔で。

でも——今日一番の、笑顔で。
仮面ではない。
本物の——笑顔で。

「まだ、婚約者でいてもらえますか」

レオナルドが——目を、細めた。

「最初からそのつもりだ」

「……もう」
エリアーナは、また——笑ってしまった。
泣きながら笑うなんて、本当におかしいと思いながら。
でも——止められなかった。

「エリアーナ」
「はい」
「春に——ルシエ湖へ、行こう」

今度は、疑問形ではなかった。
提案でもなかった。
決定のように——言った。

「……本当に?」
「ああ」
「二人で?」
「二人で」

短く、確かに——答えた。

エリアーナは、その言葉を胸の中に受け取った。
ゆっくりと、丁寧に——しまい込んだ。

(春になったら)
(ルシエ湖で)
(今度こそ——ちゃんと言おう)
今も、あなたのことが好きです——と。

馬車で、屋敷まで送ってもらった。
帰り道は、二人きりだった。
ソフィアは——来なかった。

窓の外を流れる景色を眺めながら、エリアーナはふと、横を見た。
レオナルドが、外を見ていた。
無表情だった。

でも——その横顔が。
なんだか今日は——いつもより、少し。
穏やかに見えた。

(気のせいかしら)
(それとも——私が、そう見たいだけかしら)

どちらでもよかった。
今日という日が——あったのだから。
全部、話せた。
泣いてしまったけれど。
みっともなかったけれど。
それでも——全部、話せた。

それで——今日は、充分だった。

屋敷に戻ってから、クロエが飛び出してきた。
「お帰りなさいませ! あれ——お嬢様、目が赤いですよ?」
「……泣いてしまったの」
「え!!? なんで!? 嫌なことが——」
「違うわ」

エリアーナは、手の甲で目元をそっと拭った。

「全部——話せたの」
「全部?」
「三年間好きだったことも。このままでは続けられないことも。ソフィア様のことも——全部」

クロエが、固まった。
三秒。

「……言えたんですか?」
「言えたわ」
「ほ、ほんとうに!?」
「本当に」

クロエが、両手で口を塞いだ。
目が、みるみる潤んでいく。

「レオナルド様は——なんて?」
「……君を失いたくないと、言ってくれた」
「きゃあ!!!!」

廊下に響き渡った。
「ちょ、声が!!」
「だって——だって!!」

クロエが、エリアーナに飛びついた。
小さな体で——精一杯、抱きしめてきた。

「よかった——本当に、よかったです、お嬢様!!」

泣きながら、言った。
エリアーナは、その温もりの中で——ゆっくりと、息を吐いた。

(言えた)
(全部——言えた)

その夜。

エリアーナは日記を開いた。
ペンを持った。
少し考えて——書いた。

今日、全部言えた。
三年間好きだったと。
このままでは続けられないと。
ソフィア様のことも。

止まって。

怖かった。本当に、怖かった。
でも——言えた。

また止まって。

レオナルド様は「君を失いたくない」と言ってくれた。
「最初からそのつもりだ」と——言ってくれた。
ソフィア様にはっきり言うと——約束してくれた。

ペンを置いた。
しばらく、その文字を見つめた。

それから——続きを書いた。

春に、二人でルシエ湖へ行く約束をした。
その時に——今度こそ、ちゃんと言おう。
今も好きですと。

日記を閉じた。
窓の外に、冬の星が瞬いていた。

胸の中に——今日初めて。
本物の希望が、灯っていた。
小さくて、でも確かな——炎が。

一方その頃。
ヴァルフォード公爵家では。

レオナルドが、ソフィアを呼んでいた。
応接室に——二人きりで。

ソフィアが、首を傾けながら入ってきた。
「どうしたの、レオ? 急に呼ぶから、びっくりしちゃった」

花のような笑顔だった。

レオナルドは、立ったまま——ソフィアを見た。
「座れ」
「え? なに、なんか怖い顔してるよ」
「座れ、ソフィア」

もう一度、言った。
ソフィアが——少し、表情を変えた。
いつもの余裕が、少しだけ——揺らいだ。

椅子に、腰を下ろした。
レオナルドは、向かいに座った。
テーブルを挟んで——ソフィアを、見た。

「話がある」
「……うん」
「大事な話だ」

ソフィアの蜂蜜色の瞳が——細くなった。

「ソフィア」
「……なに」

「俺は——お前のことを、幼馴染として大切に思ってきた」
「……うん」

「だが」
レオナルドが、目を逸らさずに——言った。

「それ以上では、ない」
「……」

「これまでも——なかった。これからも——ない」

ソフィアの顔が、一瞬——固まった。
笑顔が。
三年間、崩したことのなかった笑顔が。
初めて——形を失った。

「レオ……それって」
「今まではっきり言わなかった。それが——お前を傷つけていたなら、申し訳なかった」
「……っ」

「だが、これからは——はっきりさせる」
レオナルドが、静かに——続けた。

「俺にはっきりさせなければならない相手が、いる」

ソフィアの目が——潤んだ。
蜂蜜色の瞳から、涙が——零れそうになった。

「……エリアーナ様のこと?」

小さく、聞いた。

レオナルドは——答えなかった。
でも。
答えないことが——答えだった。

ソフィアは、しばらく——俯いた。
肩が、微かに震えた。

レオナルドは、黙って——待った。
急かさなかった。
立ち去りもしなかった。
ただ——待った。

やがて、ソフィアが顔を上げた。
目が、赤かった。

でも——笑っていた。
今までの笑顔とは、少し違う。
どこか——本物に近い笑顔だった。

「……そっか」
小さく、言った。

「ずっと——わかってたかもしれない」
「……」

「レオが私を見る目と——エリアーナ様を見る目、違ったから。気づきたくなかっただけで」

レオナルドは、黙っていた。

ソフィアが——立ち上がった。
「……一つだけ、聞いていい?」
「なんだ」

「エリアーナ様のこと——本当に、好きなの?」

レオナルドは、少しの間——沈黙した。
それから。

「……ああ」

静かに——答えた。

ソフィアが、扉に向かった。
扉の前で——立ち止まった。
振り返らずに、言った。

「……エリアーナ様、大切にしてあげて」

小さな声だった。
でも——確かに、聞こえた。

「あの人——ずっと、笑顔で我慢してきたから」

扉が、静かに——閉まった。

一人になった部屋で。

レオナルドは、しばらく——動かなかった。
暖炉の火が、低く燃えている。
窓の外に、冬の夜が広がっていた。

(ずっと、笑顔で我慢してきたから)

ソフィアの言葉が、頭の中で繰り返された。

(知っていたんだ——ソフィアは)
(俺より、ずっとよく——見えていたんだ)

レオナルドは、窓の外を見た。
星が、冬の空に白く瞬いている。

(エリアーナ)

名前を、心の中で呼んだ。

(三年間——俺が見ていなかっただけで)
(ずっと、そこにいたんだな)

窓ガラスに、自分の顔が映っていた。
いつもと——少し、違う顔をしていた。
何かを、決めた顔をしていた。

冬の星が、静かに瞬いていた。
春は——もうすぐ、来る。

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