楽園 Rの物語

ブーケ

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ー祝杯ー

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二年後、ルージュサンはローシェンナと軽く祝杯をあげていた。
王が民主化についての意見を聞いた時、会議の流れを二人で上手く作ったのだ。
まず、ルージュサンが本音を出させ、ローシェンナか建設的な話し合いに持っていく。
阿吽の呼吸だ。
四年前、ローシェンナを布問屋の後妻として紹介された時には驚いた。
昔、ルージュサンのドレスをデザインしてくれた仕立て屋だったからだ。
ローシェンナは、あの三年後、夫を亡くし、仕立て屋を守り続けて、息子に譲った。
その後、布問屋と一目惚れし合って、結ばれた。お互い初恋だったそうた。
けれども一年で又夫を亡くし、今度は先妻の息子に後を継がせるまでは、と、代表を務めているのだ。
「民主化には、何年必要だと考えますか?」
ルージュサンが問うた。
「三、四年はかかるでしょうね」
ローシェンナが答える。
三年後・・・・ルージュサンは思った。
トラタルムは十八になる。
事業と爵位を譲って、二、三年相談役を務め、ここでの役割は終わる。
その時、自分はまだ三十代だ。
それから一体何をしよう。
天文学を教わり始めたところだし、陸の旅もしてみたい。
どちらにしても。
私は自由だ。
自在に選び取っていく。
これまでも、そしてこれからも。
急風が、ルージュサンの赤毛を散らす。
未来はどこまでも、広がってゆくのだ。






…………………………………………………………………………
ルージュサンは鞄一つで船を下りました。
なので、いつでも鞄一つで、出発出出来ると思っています。

ルージュサンのバッグをイメージしたショルダーバッグ。





ただし、実際の使い勝手を考え、フラップ+ボタンを、ファスナーにしています。
『使い勝手のよいいつものバッグ』
の、4のLサイズを参考にして作りました。
表布は、カーテンの端切れの紺色で、底面とショルダーの裏面をグレーにしました。
裏布は綿で、白と水色のボーダーです。




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