私とラジオみたいな人

あおかりむん

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ねつ【熱】

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ねつ【熱】そのもの自体に生じ、近付いたり触れたりしたときに感じられる温かさや熱さ。



 舌を絡ませ口付けられながら、襦袢の上から乳房を揉みしだかれました。布越しでも肇様の手が熱いことがわかりました。合わせから手が入って乳房を下から掬うように揉みながら指先で乳首を掠めるように触れられます。その度にびくりと大げさに身体が震えてしまって羞恥に顔を背けました。ふふ、と笑う気配に横目で肇様を見上げると、私の胸の真ん中に手を置いて『心臓すごいな。大丈夫?』と少し揶揄うように尋ねました。私はむっとして大丈夫ではないと答えてまた顔を背けました。肇様は『じゃあ僕と一緒だな』と言うと私の手を握ってご自分の胸元に押し当てました。手のひらから伝わる心音は確かに私と変わらないくらい早く大きく響いていました。『君にこうして触れる時はいつも緊張する。何かとんでもない失敗をしてあっさり嫌われるんじゃないかって思うと怖い』肇様はそう言って私の口の端に軽くくちづけました。私は肇様を嫌いになんてならないと反射的に考えた後、その恐怖はこれまでの私の浅はかな行動のせいで生じるものなのだと理解できたから、何も言えませんでした。肇様の胸に触れた手にぎゅっと力を込めると肇様は目を細めて『そんな泣きそうな顔をしないで』と言って笑いました。そして胸に押し当てていた私の手のひらを口元まで持ってゆき、くちづけを落とすと『嫌われないように頑張ります』と何故か敬語で言いました。それきり話すのをやめた肇様は手のひらから手首、肘、二の腕へ順に唇で触れた後、舌を鎖骨に這わせました。普段は着物の下に隠れている胸元の白く柔らかい肌を確かめるように吸い付いてはあたたかい舌でねぶるので、ぞくぞくとした感覚に自然と息が上がってしまいます。繋いでいた手がほどかれたと思うと、大きく少しかさついた手のひらで乳房を包むようにやわく揉まれ、もう片方は乳首のすぐそばにくちづけられました。肇様が私の胸を揉みくちゃにしている様子を見ていられず、両腕で顔を隠して目を瞑るとぬめった舌先で乳首くすぐられ思わず声が漏れてしまいました。目を逸らしたことを叱るみたいに執拗に乳首を舐められ、もう片方もくりくりと指で優しくつねられるとぶわりと汗が吹き出します。絶え間なく与えられる快楽は確かに強いのですがどこかもどかしくもあり、少しずつ下腹部のあたりに熱が溜まってゆくようで私はしきりに腰を蠢かせながら太ももを擦り合わせました。胸を責められるのに感じ入っていると、肇様の手が乳房から離れ身体の外形をなぞるように下におりてゆきました。そして太ももを掴むようにして上下にさすった後、内腿に手を添えてぐいと外側に開かせると肇様の片膝が私の足の間に入り込みそのまま襦袢越しに秘所をぐりぐりと強く擦りました。私は急な刺激な悲鳴に近い声を上げましたが、肇様は私の太ももを押さえてさらに強く膝を押しつけました。私は快楽に抗うことができないまま急激に絶頂まで押し上げられました。足がつま先までぴんと伸び、腰がびくびくとのけぞりました。自分の動きがさらに肇様の膝に秘所を擦り付けることとなり絶頂が間延びして視界が真っ白になりました。唐突で乱暴な快感に身体を震わせながらも徐々に波が引いてゆくに従い、なんとか呼吸を取り戻していると肇様が胸から離れたのがわかりました。ぐったりと目を瞑っているうちに襦袢の帯が緩んで呼吸がしやすくなりました。肇様が気を遣ってくださったのだと思い目を開けると肇様は何故か私の足元に移動していました。ぼんやりとした頭でそちらを見ていると、肇様は私の両膝を立てて左右に開くとお尻を両手で支えてあろうことか足の間に顔を近づけ始めました。何が起きているのか理解が出来ず、ただ呆然と見ていると肇様は私の秘所に唇で触れたのです。私は思わず悲鳴を上げて肇様の頭を掴んで引き離そうとしました。しかし割れ目を下から上に舐め上げられ陰核を舌の表面で潰されるとぱちぱちと視界が白く弾けて身体を思うように動かせません。指とは違うぬるぬるとして柔らかい感触は明らかな快感を生む一方で、肇様に秘所を舐められている事実がいけないことをしているのだという意識を刺激し、私は快楽と羞恥で爆発しそうになりながら顔を両手で押さえてぎゅっと目を瞑って耐えていました。陰核をころころと弄んでは割れ目をゆっくりとなぞっていた舌が膣の入口を執拗に舐めた後、舌先がゆっくりと中へ入り込んできました。身体の中を舐められる感覚に声も出せず、宙に浮いているつま先をぎゅっと丸め全身に力を入れていました。その間も肇様の舌は入口を広げるように中で動いては時折抜けてゆき、割れ目を唇で軽く吸われた後またぬるりと入り込んできました。それを何度も繰り返されているうちにもっと強く触って欲しいという思いがもたげ始め、勝手に腰が揺れ始めました。ふうふうと息を上げて顔を押さえていた手を僅かにどけて足の間を見下ろすと、こちらを見ていた肇様とぱちりと目が合いました。どきりとしてすぐに手を元に戻しましたが、肇様が笑う気配がしたかと思うとずっとお尻を支えていた手が離れ、指が割れ目に触れました。そこを上下に数回擦った後、散々舐めほぐされた膣に中指が入ってきました。十分にほぐれた入り口はずぶずぶと肇様の長い指を飲み込みました。一度根元まで入れられるとしばらくそのまま動かさないで、内腿から膝にかけてを何箇所もくちづけ、舐められました。指が中に馴染むとゆっくり抜かれてまた入ってきます。いつもより違和感が少なく、腹側の内壁を指の腹で擦られるとむずむずした感覚に内腿がぴくりと跳ねてしまいます。膣に指を入れたまま、足元にいた肇様が私の横にぴたりと寄り添って空いた手で乳房を揉み、乳首を指先で弄び始めました。鼻にかかった声を出すと肇様は私の耳元で『きもちい?』と掠れた低い声で聞いてきました。両手で隠した顔がカッと熱くなって思わず肇様から顔を背けました。しかし肇様は私のささやかな抵抗を無視して耳に唇を寄せ耳輪を舌先でなぞりました。頭蓋に響くあられもない水音に背筋をぞくぞくとさせていると、ずっと中を擦っていた指が一度全部抜かれ質量を増して戻ってきました。これまで感じたことのない圧迫感に身体を強張らせると『二本は痛い?』と聞かれました。根元まで入れられまた馴染むのを待ってくれている指は異物感こそあれど痛みは無かったので私は首を横に振りました。すると肇様は吐息だけで笑って『上手にできてえらいね』と褒めてくれました。子どもをあやすような言葉遣いに心臓が縮み上がって何故か涙が出そうになりました。訳がわからないまま私はどうしても肇様とくちづけがしたくなって、顔を覆っていた手をどかして自分から唇を重ねました。下唇を食むと肇様はすぐに私のくちづけに答えてくださって互いの唇の柔らかさを確かめるように何度も角度を変えて食み合いました。そうしているうちに中に入れられた指がまた動き始めて思わず身じろぎをしてしまいました。そんな私を宥めるようにくちづけが深くなり、はだけて用をなさなくなった襦袢をどけて肇様の空いた手が肌をなぞりました。肇様は私の身体が強張るたびにそうやって甘やかし宥めすかしてくれて、私はただ肇様が与えてくれる快感に蕩けていました。そうしているうちに私の中は肇様の指を違和感なく飲み込めるまでほぐされました。




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