4 / 9
4.非童貞の遊び人!
しおりを挟む
「いやいや、うちの学食リニューアルしてからまだ行ってないんだよね。ちょうどいいから行ってくる。二人とも授業には遅れないようにね」
教授は顎を触りながらニコニコ笑いながら、
部屋を出る前にこう呟いた、
「生徒に慕われるのは良い事だよ!めいいっぱい面倒見てやりなさいね」
「…はい」
まさか藤野に迫られているんです!など言えず、俺はそう返事をするしかなかった。
二人きりになると、藤野は途端に砕けた口調になり、弁当を突きながら話す。
「あー、びっくりした。まさか教授がいるとは」
「そんなに恐れなくても。湯浅教授は優しいから怖く無いだろ?」
「怖くなんかないよ。ただ塩谷先生とイチャイチャ出来ないなあって思って焦った」
「イチャイチャしなくていいから!」
俺は食べ終わった弁当箱をしまいながらそう言うと、藤野はへえとニヤニヤしていた。
「でも気持ちいいんでしょ?」
「生理現象!ほら、よくあるだろ、触れられたら勝手に勃って誤解を生むようなストーリーが!」
「大抵その二人は結ばれますよねえ」
「俺らは結ばれません!」
もうこうなるとどっちが年上なんだか…。
そもそも藤野はどうして俺にちょっかい出すようになってきたのかさっぱり分からない。いつか聞いてやろうと思っているのだか、そうしたら『気になってきたの?』とつけあがるのは目に見えている。
こいつは非童貞の遊び人だ!
「もお釣れないなあ」
そう言いながら、キスをしてくる。どんなに拒否しても藤野が迫ってきて、こうしてキスをしてきては体に触れてくるのだ。
「やめ…んんっ」
童貞にこの刺激は強すぎる。
****
そんな関係が三ヶ月ほど続き、春を迎えた。二年生になった藤野は相変わらず俺につきまとってきている。『准教授と仲のいい真面目な生徒』のふりをし続けながら体に触れてくるのだ。幸い、まだ挿入まではいかないものの初めに藤野が言っていた『処女喪失心理学』を教えろという言葉からするとなし崩しになったらきっと俺はアイツに抱かれてしまうのだろう。いや、それだけは阻止しなければ!
心理学を学ぶため、だなんてもっともらしいことを言っているけれど、アイツはきっとやりたいだけなんだ。
「塩谷先生、このコミカライズ読んだ?凄いですよ、新人作家さんなのに今度ドラマ化までするんだって」
「ああ、これ心理描写がピカイチだよな。切ない気持ちがよく分かる。お前が目指しているのも切ない系だっけ」
「うん。でもマルチに書いていきたいな。いつか作家になったらお祝いして」
そう目を輝かして笑う藤野。作家になることを目指し夢を語る藤野と体に触れてくる藤野。どちらも彼なのに、まるで別人のようで、いまだに慣れない。
「しおっぺ」
第3時限の教室へ移動している時に、前方から声をかけてきたのは土井と佐々木。
「しおっぺはやめろって言ってるだろ」
廊下で立ち止まり、俺がそう言うとごめーん、と反省するような気がない返事が返ってくる。
「それよりしおっぺ。ライバル出現よ!」
「は?」
突然の土井の言葉に俺が眉を顰めていると、佐々木が説明してくれた。
「藤野くんの幼馴染が入学してきてね。一つ年下らしいんだけど、この子がまあ、藤野くんにべったりなの。私たちに仲良しアピールしてきてさあ」
「そうそう!ここ最近、授業はいっつも二人隣同士だもんねえ」
そう言えば最近、俺の授業の時、相変わらず最前列にいる藤野の横に男子生徒が座っていたっけ。そいつもよく見かけるようになっていたなあ。それに言われてみれば最近、藤野が移動中に顔を見かけることも少なくなっていたような?あまり気にしていなかったけれど。
「だからね、『藤野×塩谷推しの会』から新しい派閥が生まれつつあって」
「ちょい待て。なんだその推しの会」
しまった、と慌てて口を手で塞ぐ土井。そういう噂があるのは知っているがまだ続いていたとは。
「だからしおっぺ、負けないで頑張ってね!」
佐々木と土井は頷きながらファイティングポーズをして、そのまま先に行ってしまった。俺はあんぐりと口を開けたまま、立ち尽くしていた。
教授は顎を触りながらニコニコ笑いながら、
部屋を出る前にこう呟いた、
「生徒に慕われるのは良い事だよ!めいいっぱい面倒見てやりなさいね」
「…はい」
まさか藤野に迫られているんです!など言えず、俺はそう返事をするしかなかった。
二人きりになると、藤野は途端に砕けた口調になり、弁当を突きながら話す。
「あー、びっくりした。まさか教授がいるとは」
「そんなに恐れなくても。湯浅教授は優しいから怖く無いだろ?」
「怖くなんかないよ。ただ塩谷先生とイチャイチャ出来ないなあって思って焦った」
「イチャイチャしなくていいから!」
俺は食べ終わった弁当箱をしまいながらそう言うと、藤野はへえとニヤニヤしていた。
「でも気持ちいいんでしょ?」
「生理現象!ほら、よくあるだろ、触れられたら勝手に勃って誤解を生むようなストーリーが!」
「大抵その二人は結ばれますよねえ」
「俺らは結ばれません!」
もうこうなるとどっちが年上なんだか…。
そもそも藤野はどうして俺にちょっかい出すようになってきたのかさっぱり分からない。いつか聞いてやろうと思っているのだか、そうしたら『気になってきたの?』とつけあがるのは目に見えている。
こいつは非童貞の遊び人だ!
「もお釣れないなあ」
そう言いながら、キスをしてくる。どんなに拒否しても藤野が迫ってきて、こうしてキスをしてきては体に触れてくるのだ。
「やめ…んんっ」
童貞にこの刺激は強すぎる。
****
そんな関係が三ヶ月ほど続き、春を迎えた。二年生になった藤野は相変わらず俺につきまとってきている。『准教授と仲のいい真面目な生徒』のふりをし続けながら体に触れてくるのだ。幸い、まだ挿入まではいかないものの初めに藤野が言っていた『処女喪失心理学』を教えろという言葉からするとなし崩しになったらきっと俺はアイツに抱かれてしまうのだろう。いや、それだけは阻止しなければ!
心理学を学ぶため、だなんてもっともらしいことを言っているけれど、アイツはきっとやりたいだけなんだ。
「塩谷先生、このコミカライズ読んだ?凄いですよ、新人作家さんなのに今度ドラマ化までするんだって」
「ああ、これ心理描写がピカイチだよな。切ない気持ちがよく分かる。お前が目指しているのも切ない系だっけ」
「うん。でもマルチに書いていきたいな。いつか作家になったらお祝いして」
そう目を輝かして笑う藤野。作家になることを目指し夢を語る藤野と体に触れてくる藤野。どちらも彼なのに、まるで別人のようで、いまだに慣れない。
「しおっぺ」
第3時限の教室へ移動している時に、前方から声をかけてきたのは土井と佐々木。
「しおっぺはやめろって言ってるだろ」
廊下で立ち止まり、俺がそう言うとごめーん、と反省するような気がない返事が返ってくる。
「それよりしおっぺ。ライバル出現よ!」
「は?」
突然の土井の言葉に俺が眉を顰めていると、佐々木が説明してくれた。
「藤野くんの幼馴染が入学してきてね。一つ年下らしいんだけど、この子がまあ、藤野くんにべったりなの。私たちに仲良しアピールしてきてさあ」
「そうそう!ここ最近、授業はいっつも二人隣同士だもんねえ」
そう言えば最近、俺の授業の時、相変わらず最前列にいる藤野の横に男子生徒が座っていたっけ。そいつもよく見かけるようになっていたなあ。それに言われてみれば最近、藤野が移動中に顔を見かけることも少なくなっていたような?あまり気にしていなかったけれど。
「だからね、『藤野×塩谷推しの会』から新しい派閥が生まれつつあって」
「ちょい待て。なんだその推しの会」
しまった、と慌てて口を手で塞ぐ土井。そういう噂があるのは知っているがまだ続いていたとは。
「だからしおっぺ、負けないで頑張ってね!」
佐々木と土井は頷きながらファイティングポーズをして、そのまま先に行ってしまった。俺はあんぐりと口を開けたまま、立ち尽くしていた。
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件
ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。
せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。
クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom ×
(自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。
『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。
(全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390
サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。
同人誌版と同じ表紙に差し替えました。
表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる