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ドクンと潤の青臭い白濁したそれがアピチェの口内に注がれ、受け止められなかった一部がよだれと一緒にシーツにポタポタと落ちた。
「にが」
「わ、お前飲んだのかよ……」
「飲むよ、潤の分だもん」
そう言いながら仰向けになっている潤の体を力任せにうつ伏せにする。そしてそのまま右手を果てたばかりの潤自身に、左手を後ろの孔に伸ばした。
(初めてのくせに慣れてんな)
「本当に初めて……?」
「……またそんなこと、言うの」
肩越しにみたアピチェ。それはいつもの可愛いアピチェではなかった。獲物を捕まえようとするそのオッドアイの瞳に潤は身震いして生唾を飲むと、耳元で囁かれた。
「初めてに決まってる」
まだ少し解しが足らない孔に、アピチェの硬いそれが挿入されて思わず声を出す。押し込まれていくが、当分使ってなかった孔は侵入を拒んでいる。それだけに潤の負担もかなり大きいのだが、アピチェは分かっていないようで力任せにそのまま奥に入れようとする。
(正真正銘の、初めてだな)
痛みを堪えながら何とか侵入してきたアピチェを迎えて、大きく息を吐く。だんだんと痛みが薄らいでいき、代わりに感じてきたのは、今までにも体験したことのある快楽。ときどき聞こえるのは、グチュグチュと結合部分の音と、アピチェの声だ。
「ん……ッ」
腰を動かすのも、容赦ないし、正直言うと痛みが大きく気持ちよさはまだまだ。だけど一生懸命になっているアピチェの様子が愛おしく思えて……
(キスしたいな)
後ろから挿れられているこの体制ではキスが出来ない。初めて結ばれるのに顔も見ないとか、あまりにも寂しいだろう、と潤はアピチェに動きを止めさせ一度ソレを抜いた。
アピチェは不満を口にしていたが潤が体を反転させ正面を向いて、濃厚なキスをしてきたので文句を言わなくなった。
「ほら、これなら抱きつきながら、出来るだろ」
足を広げる潤は指でその孔を広げると誘われるままに、再度アピチェが侵入する。今度はすんなりと挿入することができ、アピチェのオッドアイが潤を貫く。そして喉の奥から吼える。
「潤、気持ちいい……?」
何度も何度も口をふさぎながらアピチェが聞いてくる。その度に、潤のソコがキュウ、と締まるものだからもうアピチェは限界だった。
「気持ちいい、よ……アピチェ、もう出して」
後ろから突かれているより断然、抱き合いながら繋がっている方が気持ちよくて潤もそろそろ頂点にさしかかっていた。今までセフレと繋がっていた時は後ろからの方が気持ちよかったのに。恋人となると、こうも違うものなのか、と潤は驚いた。
「んッ、アアッ……!」
ドクンと潤の中に、アピチェの精が溢れ、その瞬間潤もシーツの上に精を放った。
それからその日は2回、立て続けに愛し合い、そろそろ寝ようかと潤が言った時、アピチェはなにかを思い出してベッドから降りた。水でも取りに行ったのかと潤は天井を見上げながら、大きく深呼吸をした。
(しかし、こんなことになるなんてな)
まさか、異世界で恋人が出来てこっちで暮らす事になるなんて。今までの常識もガラッと変わってしまうこの世界で、生きていこうだなんて、きっとアピチェがいないと出来なかった。まだまだ知らない事だらけの世界。前の潤なら絶望していただろう。だがいまはこの先どうなるのか、ワクワクしている。そんな自分に、潤は苦笑する。
あの日、あのバーでテンセイに会わなかったら。愚痴をこぼさなかったら。いまだに、あのつまらない日常を今も送っている事だろう。
(テンセイに感謝だな)
扉が開く音がして、視線をそちらに向けるとアピチェが何かを持っていた。ベッドにくるやいなや、それを潤に手渡してきたので広げてみると一枚の紐パン。今までアピチェが用意していてくれたのはブルーの紐パンだったのだが、手にあるのはブラックだ。
「これ、なに?」
潤が眉を顰め聞くとアピチェはキョトンとした顔を見せる。
「結ばれたら、下着は黒って決まってるだろ……って、潤は知らないか。黒以外履いたら処刑されるからね」
「いやちょっと待って!」
「新婚さんはね、お互い毎日チェックするんだよ。だからこれ履かないといけないの。潤の持ってたあの下着を履くなんて、もってのほかだよ!隠れてたまに履いてたでしょ」
すでに尻に敷かれそうな予感がして、潤はブルリと体を震わせた。
「どこで見てたんだお前……」
「ほんとはパンツ交換ってのがあるんだけどね、お互いのパンツを交換して履くの。これで二人は結ばれましたって、神様の前で。その時のパンツは高級品で必ず白なんだ」
(指輪交換かよ!)
潤は頭を抱えてうなだれる。なかなかこれは手強い。どんなにアピチェ可愛いくても、人前でパンツ交換なんてできない。
「色々追いつかないんだけど……」
そんな潤を尻目に、アピチェが笑う。
「神様が潤を僕に会わせてれたんだから、パンツ交換はしなくても大丈夫だよね」
「……そうだな」
そんな可愛いことを言われると、潤はたまらなくなっキスをする。するとアピチェが耳元で囁いた。
「ねぇ、それ早く履いてよ」
【了】
「にが」
「わ、お前飲んだのかよ……」
「飲むよ、潤の分だもん」
そう言いながら仰向けになっている潤の体を力任せにうつ伏せにする。そしてそのまま右手を果てたばかりの潤自身に、左手を後ろの孔に伸ばした。
(初めてのくせに慣れてんな)
「本当に初めて……?」
「……またそんなこと、言うの」
肩越しにみたアピチェ。それはいつもの可愛いアピチェではなかった。獲物を捕まえようとするそのオッドアイの瞳に潤は身震いして生唾を飲むと、耳元で囁かれた。
「初めてに決まってる」
まだ少し解しが足らない孔に、アピチェの硬いそれが挿入されて思わず声を出す。押し込まれていくが、当分使ってなかった孔は侵入を拒んでいる。それだけに潤の負担もかなり大きいのだが、アピチェは分かっていないようで力任せにそのまま奥に入れようとする。
(正真正銘の、初めてだな)
痛みを堪えながら何とか侵入してきたアピチェを迎えて、大きく息を吐く。だんだんと痛みが薄らいでいき、代わりに感じてきたのは、今までにも体験したことのある快楽。ときどき聞こえるのは、グチュグチュと結合部分の音と、アピチェの声だ。
「ん……ッ」
腰を動かすのも、容赦ないし、正直言うと痛みが大きく気持ちよさはまだまだ。だけど一生懸命になっているアピチェの様子が愛おしく思えて……
(キスしたいな)
後ろから挿れられているこの体制ではキスが出来ない。初めて結ばれるのに顔も見ないとか、あまりにも寂しいだろう、と潤はアピチェに動きを止めさせ一度ソレを抜いた。
アピチェは不満を口にしていたが潤が体を反転させ正面を向いて、濃厚なキスをしてきたので文句を言わなくなった。
「ほら、これなら抱きつきながら、出来るだろ」
足を広げる潤は指でその孔を広げると誘われるままに、再度アピチェが侵入する。今度はすんなりと挿入することができ、アピチェのオッドアイが潤を貫く。そして喉の奥から吼える。
「潤、気持ちいい……?」
何度も何度も口をふさぎながらアピチェが聞いてくる。その度に、潤のソコがキュウ、と締まるものだからもうアピチェは限界だった。
「気持ちいい、よ……アピチェ、もう出して」
後ろから突かれているより断然、抱き合いながら繋がっている方が気持ちよくて潤もそろそろ頂点にさしかかっていた。今までセフレと繋がっていた時は後ろからの方が気持ちよかったのに。恋人となると、こうも違うものなのか、と潤は驚いた。
「んッ、アアッ……!」
ドクンと潤の中に、アピチェの精が溢れ、その瞬間潤もシーツの上に精を放った。
それからその日は2回、立て続けに愛し合い、そろそろ寝ようかと潤が言った時、アピチェはなにかを思い出してベッドから降りた。水でも取りに行ったのかと潤は天井を見上げながら、大きく深呼吸をした。
(しかし、こんなことになるなんてな)
まさか、異世界で恋人が出来てこっちで暮らす事になるなんて。今までの常識もガラッと変わってしまうこの世界で、生きていこうだなんて、きっとアピチェがいないと出来なかった。まだまだ知らない事だらけの世界。前の潤なら絶望していただろう。だがいまはこの先どうなるのか、ワクワクしている。そんな自分に、潤は苦笑する。
あの日、あのバーでテンセイに会わなかったら。愚痴をこぼさなかったら。いまだに、あのつまらない日常を今も送っている事だろう。
(テンセイに感謝だな)
扉が開く音がして、視線をそちらに向けるとアピチェが何かを持っていた。ベッドにくるやいなや、それを潤に手渡してきたので広げてみると一枚の紐パン。今までアピチェが用意していてくれたのはブルーの紐パンだったのだが、手にあるのはブラックだ。
「これ、なに?」
潤が眉を顰め聞くとアピチェはキョトンとした顔を見せる。
「結ばれたら、下着は黒って決まってるだろ……って、潤は知らないか。黒以外履いたら処刑されるからね」
「いやちょっと待って!」
「新婚さんはね、お互い毎日チェックするんだよ。だからこれ履かないといけないの。潤の持ってたあの下着を履くなんて、もってのほかだよ!隠れてたまに履いてたでしょ」
すでに尻に敷かれそうな予感がして、潤はブルリと体を震わせた。
「どこで見てたんだお前……」
「ほんとはパンツ交換ってのがあるんだけどね、お互いのパンツを交換して履くの。これで二人は結ばれましたって、神様の前で。その時のパンツは高級品で必ず白なんだ」
(指輪交換かよ!)
潤は頭を抱えてうなだれる。なかなかこれは手強い。どんなにアピチェ可愛いくても、人前でパンツ交換なんてできない。
「色々追いつかないんだけど……」
そんな潤を尻目に、アピチェが笑う。
「神様が潤を僕に会わせてれたんだから、パンツ交換はしなくても大丈夫だよね」
「……そうだな」
そんな可愛いことを言われると、潤はたまらなくなっキスをする。するとアピチェが耳元で囁いた。
「ねぇ、それ早く履いてよ」
【了】
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